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今なお続くおもしろ投稿の元祖『VOW』 令和における“サブカル”の価値とは?

(左)『ベスト オブ VOW』(宝島社) 書影 (右)『sweet』11月号(宝島社) 書影 画像提供/宝島社

(左)『ベスト オブ VOW』(宝島社) 書影 (右)『sweet』11月号(宝島社) 書影 画像提供/宝島社

 SNSの発達によって、世界中の誰もが情報を発信でき、身近な面白いこと・ものを携帯電話ひとつですぐに共有できる現代。だが今から40年ほど前、その役割は、雑誌『宝島』(宝島社)のいちコーナー『VOW』が一手に担っていた。読者が“斜めの目線”で世の中の身近な“おもしろ”切り取り、投稿。編集部のコメントとともに紹介され、人気を博した。現在、女性ファッション誌『sweet』やWebサイトで昔と変わらぬおもしろ投稿を紹介している『VOW』の編集者たちに、令和におけるサブカルの価値について話を聞いた。

『VOW』は宝島社のDNAであり、大切にしなければいけないもの

『VOW』の発端は、のちに『宝島』と改名する音楽&カルチャー雑誌『Wonderland(ワンダーランド)』の中の雑誌内新聞『Voice Of Wonderland』。1973年にスタートした当初は街の情報やコラムなどを掲載していたのだが、いつしか読者投稿も掲載するようになり、80年代中頃からは、街で見かけた思わず笑ってしまう看板や貼紙、雑誌や新聞記事の誤植など、“おもしろ画像”を紹介する読者投稿ページとして確立。紹介されたネタは「VOWネタ」と呼ばれ、80年代の日本のサブカルチャーシーンをけん引した『宝島』の看板企画となり、87年からは毎年のように単行本も出版。シリーズ累計930万部を突破するなど、爆発的な人気を博した。

 そんな『VOW』が、『宝島』の休刊にともない、ファッション雑誌売り上げNo.1を誇る『sweet』に移ったのは今から5年前。〈大人可愛いスウィートワールド〉をコンセプトとするメジャーな女性誌に、サブカルチャー誌から生まれ、下ネタも取り上げる『VOW』を移籍させるという“暴挙”を成し遂げたのは、「『VOW』をなくしたくない!」という編集担当者と、「『VOW』の大ファンだった」という『sweet』編集長の熱い『VOW』愛だった。
藪下秀樹『sweet』を選んだのは、弊社の中で一番売れている雑誌だったから。それに加えて、女性向けのおしゃれな雑誌の中に『VOW』があったら、面白い化学反応が起きるかもしれないという期待もあってのことでした。でも、正直、まさか実現するとは思っていませんでした。当時の編集長の渡辺佳代子さんの英断のおかげです(笑)。
 その『VOW』愛は、今年、編集長に就任した鏡味由起子氏にも継承されている。
鏡味由起子私も昔から『VOW』の大ファンで、その思いがベースにあって宝島社に入社したくらいなので、今でも『sweet』の中で大好きなページだし、コロナ禍で撮影ができなかった時は、一冊まるごと『VOW』にしたかったくらいなんです(笑)。『VOW』は宝島社のDNAであり、大切にしなければいけないものだと思っています。

 そのDNAを守るために、制作は『宝島』時代と変わらず、2代目総本部長として90年代から『VOW』の制作に携わっている古矢徹氏と前出の藪下氏が担当しているという。
鏡味『VOW』は外部の人間が触っちゃいけない聖域ですから(笑)。『sweet』の中に『VOW』があることについて、古矢総本部長が、“ディズニーランドの奥底にある秘宝館”って表現されたんですが、まさにそういう感じ。若い女性たちに人気のある雑誌の中に、ものすごいものが潜んでいるというミスマッチがすごくいいと思っています。

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