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今なお続くおもしろ投稿の元祖『VOW』 令和における“サブカル”の価値とは?
『VOW』は宝島社のDNAであり、大切にしなければいけないもの
そんな『VOW』が、『宝島』の休刊にともない、ファッション雑誌売り上げNo.1を誇る『sweet』に移ったのは今から5年前。〈大人可愛いスウィートワールド〉をコンセプトとするメジャーな女性誌に、サブカルチャー誌から生まれ、下ネタも取り上げる『VOW』を移籍させるという“暴挙”を成し遂げたのは、「『VOW』をなくしたくない!」という編集担当者と、「『VOW』の大ファンだった」という『sweet』編集長の熱い『VOW』愛だった。
鏡味由起子私も昔から『VOW』の大ファンで、その思いがベースにあって宝島社に入社したくらいなので、今でも『sweet』の中で大好きなページだし、コロナ禍で撮影ができなかった時は、一冊まるごと『VOW』にしたかったくらいなんです(笑)。『VOW』は宝島社のDNAであり、大切にしなければいけないものだと思っています。
そのDNAを守るために、制作は『宝島』時代と変わらず、2代目総本部長として90年代から『VOW』の制作に携わっている古矢徹氏と前出の藪下氏が担当しているという。
鏡味『VOW』は外部の人間が触っちゃいけない聖域ですから(笑)。『sweet』の中に『VOW』があることについて、古矢総本部長が、“ディズニーランドの奥底にある秘宝館”って表現されたんですが、まさにそういう感じ。若い女性たちに人気のある雑誌の中に、ものすごいものが潜んでいるというミスマッチがすごくいいと思っています。