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『半沢』『逃げ恥』人気にも寄与 ド直球の“番宣番組”でも支持される『ぴったんこカン・カン』の妙

番宣色を消そうとする他番組に逆行、ストレートな番宣も成立させてしまう唯一枠

 この流れに“何食わぬ顔”をする異質な番組がある。それが番宣を前面に出すことで逆に支持を得ている唯一の番組『ぴったんこカン・カン』だ。「クイズトークバラエティ」としているが、実際は、ほとんどが番宣ありのキャスト陣と安住アナがグルメや名所を巡るVTRで構成されている。スタジオ内で「ぴったんこ」チームと「カン・カン」チームに分かれクイズ対決をしているが、出題は毎回2、3問のみ。外ロケでは、当然のようにその俳優が出演する番組を取り上げ、その話題を膨らませているのだ。

 「ドラマ『半沢直樹』(TBS系)に至っては、何度も取り上げられた上、ロケ地巡りや撮影秘話、ドラマ名シーンの再現など、まるでDVDの特典かのような内容に。露骨どころの話ではありません(笑)。同番組で番宣が嫌悪されてない、さらには、逆にそれで評価を受けているだろう証として象徴的だったのは、『逃げ恥』スペシャルの放送決定の初出し情報が、『ぴったんこカン・カン』で行われたこと。TBS局内でも同番組が“特別視”されていることの証明であり、しかも内容はドラマについてのトークがメインコンテンツという徹底ぶりでした」(衣輪氏)

 番宣色を消そうと努力しているバラエティーが多くなっている中、全面的に番宣をしているのにもかかわらず、嫌悪感を抱かれず、むしろ人気が続いている番組はほかにない。ほぼゲストとアナウンサーのみで構成されるバラエティーも稀有。時代の風潮に逆らっているのに同番組がこれほど愛されている理由とはなんだろうか?

泉ピン子の“猛獣使い”に米倉涼子との交際報道!?も…素を引き出す安住アナの圧倒的な“平等力”

  • 『ぴったんこカン・カン』の進行を務める安住紳一郎アナ(C)ORICON NewS inc.

    『ぴったんこカン・カン』の進行を務める安住紳一郎アナ(C)ORICON NewS inc.

  • 同番組に何度も出演している米倉涼子(C)ORICON NewS inc.

    同番組に何度も出演している米倉涼子(C)ORICON NewS inc.

 「これはひとえに、安住紳一郎アナのおかげではないでしょうか」と衣輪氏。まじめでありながら天然面も持ち合わせ、誰であっても素を引き出すその人間性。たとえ番宣で来たのが大物俳優でも一切容赦しないその姿。実際、泉ピン子と同番組で共演する機会が多いが、暴走するピン子を安住が無理やり止めるという場面はもはやおなじみの流れであり、そこから転じて“猛獣使い”と呼ばれることも。

 先月、元SMAPの草なぎ剛が主演映画『MIDNIGHT SWAN』の宣伝でゲスト出演した際には、過去の問題やSMAPについても触れながら、笑い話に。安住がズバリ、「(今回の映画出演は)SMAPの草なぎさんだと、いろいろな事情で引き受けなかった?」と質問したのは印象的で、これに草なぎは「もしかしたら、そういうこともあるのかもしれない」と回答。この業界のタブーに触れるような安住の姿に視聴者からSNSで称賛が集まったほか、「笑い話にしてくれて逆に愛を感じる」などの反響もあった。

 「聞きにくいことでも空気を乱すことなく自然に聞き出し、大物にも媚びない。そんな安住アナの進行に好感を持つ視聴者は多い。同時に、対等に絡んでくれる安住アナにゲスト側が好感をもっている感もあります。そもそも彼自身、アナウンサーにも関わらず体を張れる人物で、『さんまのSUPERからくりTV』では高所恐怖症克服のためにバンジージャンプをした経験も。そんな肝が座ってサービス精神も旺盛な彼だからこそ、普段では聞けないようなゲストのプライベートっぽい言葉や振る舞いを引き出すことが出来る。それが同番組が番宣色全開でも成立してしまう秘訣なのではないでしょうか」(衣輪氏)

 『ぴったんこ・カンカン』では、番宣きっかけから人気コンテンツに発展することも多い。米倉涼子や吉田羊は、それぞれゲスト出演した後、番宣なしで何度も出演している。特に米倉は、2005年以来これまで13回も出演。安住アナとのコンビは息もピッタリで、一時は交際報道(!?)も出たほどだ。番宣なしで出演してくれるタレントが多いのは、番組のフォーマットが強固なこともあるが、安住アナの人間性がキャスト陣に受け入れられている証拠だろう。

 番宣色を消すことを重視したバラエティー番組とは違い、番宣をコンテンツとすることに成功した『ぴったんこカン・カン』。数年前に頻繁に行われていたNG特番が少なくなり、ドラマや映画の裏側を見せるというコンテンツが、TV業界に少なくなっていることも同番組への追い風となっているのではないだろうか。俳優がバラエティー出演に慣れ、違和感がなくなることで番宣色を感じさせなくなっている昨今、逆に、純粋な番宣番組である同番組は、TBSにとってより重要な番組となっていくだろう。

(文/中野ナガ)

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