• ORICON MUSIC(オリコンミュージック)
  • ドラマ&映画(by オリコンニュース)
  • アニメ&ゲーム(by オリコンニュース)
  • eltha(エルザ by オリコンニュース)
  • ホーム
  • ライフ
  • 「コロナうつ」に3ヵ月の時差…芸能界にも及んだ自殺の連鎖、止める方法は?
ORICON NEWS

「コロナうつ」に3ヵ月の時差…芸能界にも及んだ自殺の連鎖、止める方法は?

芸能人も…“自殺の連鎖”の理由は?「あいまいな報道」は正しい

  • YouTube『樺チャンネル』より

    YouTube『樺チャンネル』より

――ところで、その「約3ヵ月後」理論にはデータによる裏付けも出ているのでしょうか?

 「統計では、コロナ禍で人々が大きな不安を抱えていた5〜6月は、去年より自殺者数が少ないんです。そして、7月は25人増、8月は251人増、9月は143人増と、8月以後の増加が顕著です(前年同月と比較)。今後も増えていく可能性が懸念されます」

――ここ最近、芸能人の相次ぐ自殺報道があり、一般の人でも女性の自殺者数が増加傾向にあると言われています。精神医学的には、時期的につじつまが合っていると言えますか?

 「合っていますね。『今はコロナも一段落してるのに、なぜ?』と思われる方が多いでしょうが、ストレスを感じてから“うつ”になるまでの3ヵ月の“時差”を考えると、十分に考えられることです」

――芸能界の自殺は、なぜにこうも立て続けに起こったと思いますか?

 「これは“自殺の連鎖”と呼ばれています。例えば人は、自分の身近な人が自殺した場合、『自分はその人を救えたんじゃないか?』という自責の念を持つんですね。家族はもちろん、親しい友人もそうです。そうすると、その思いからか、自殺のことを考え続けたり、自殺に引っ張られてしまう場合があります。だから、自殺についてはテレビなどでもあまり詳しく報道しない方がいいんです。あまり具体的に報道されると、この“自殺の連鎖”の危険が高まります。だから今回、自殺の原因や方法などをあいまいにしている報道は、実は正しい判断なのです」

――とは言え、「死にたい」という思いは誰もが一度は感じたことがあると思います。そう考えてしまう人を、周囲はどうしてあげるのが正解なんでしょう?

 「自殺は、まず“希死念慮”(死にたいと思うこと)があり、ここに“衝動性”が加わった時に起こると言われています。では、どうやってその衝動性を抑えるか。これは、周囲の人が話を聞いてあげることが一番なんです。実際、患者さんとお話をしていても、30分ほど話を聞いていれば、薬を使わなくても落ち着いていきます。衝動性のピークさえしのげば、自殺は防げる場合が多い。自殺の直前にヘルプのサインを出す人が多いと言われていますから、周りの人が気づいてあげることも大切かもしれません」

――それも含めての、“相談”の大切さなんですね。

 「そうですね。悩んだら、誰かに相談してみてください。相談できる人がいないという方もいらっしゃいますが、その場合は悩みを紙に書き出してください。ただ、本当に追い詰められると、そういった対処法すら思いつかなくなってしまう。だから、普段から習慣づけておくことが必要だと思いますね」

(文:衣輪晋一)

■「日本いのちの電話」
ナビダイヤル:0570-783-556(午前10時〜午後10時)
フリーダイヤル:0120-783-556(毎日・午後4時〜午後9時/毎月10日・午前8時〜翌日午前8時)

『ストレスフリー超大全』

樺沢紫苑 著
ダイヤモンド社 刊

■公式サイト(外部サイト)

■樺沢先生YouTube『樺チャンネル』(外部サイト)

あなたにおすすめの記事

 を検索