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(更新: ORICON NEWS

「母親に支えられた」女装レイヤー、8年間の研鑽 “失ったもの”と“得たもの”とは?

 女装コスプレにこだわり、ふだんからSNSに美麗な写真をアップし続けている男性コスプレイヤー・茶柱マキナさん。そのなかでも2020年1月にアップした、昔の写真とコスプレの写真を比較するツイートは大きな反響を呼んだ。女装にこだわった結果、失ったものもあれば、得たものもあるという。コスプレに挑んだきっかけや、活動への葛藤などを聞いた。

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性別の壁を越えたいという思いで挑んだコスプレ活動「女装をすることで離れていった友人も」

――まずは大反響となった前述のツイートについてお聞きしたいと思います。コスプレをする前の昔の写真や、コスプレの成長過程がわかるような写真を並べてツイートしたきっかけは?

【茶柱マキナ】約8年間コスプレ活動を続けてきて、「自分はどれくらい成長できたんだろう?」と考えたタイミングだったんです。写真を見ながら振り返っているうちに、「昔と今を比較する形でアップしたらおもしろいのでは?」と思い、軽い気持ちでツイートしました。

――投稿することに迷いや葛藤はなかったのですか?

【茶柱マキナ】それは特にありませんでした。女装に興味があるけど、なかなか一歩を踏み出せない方たちに対して、「気軽にチャレンジしていいんだよ」ということを伝えられたらいいなとか、自分の行動が誰かの支えや希望になればいいな、という気持ちしかなかったですね。

――素敵な思いですね。マキナさんがコスプレを始められたきっかけは、どんなものだったのですか?

【茶柱マキナ】中学生のときに、先輩たちが文化祭で女装をしているのを見て、「おもしろそう!」と思ったのがきっかけです。男性キャラのコスプレから徐々に女装に移ったとかではなく、コスプレとの出会いが“女装”だったんですよね。
――男装のコスプレは全くしないんですか?

【茶柱マキナ】数えるほどですね。女性キャラのメイクに慣れると、男性のメイクって難しくて。小さいころ、周りからよく「女の子みたいだね」と言われていたことも影響しているかもしれないです。当時から女性キャラクターに憧れることも多くて、せっかくコスプレをするからには、性別の壁を越えてみたい…という気持ちで挑戦しています!

――コスプレをしていることは、友だちにもオープンにしていたのですか?

【茶柱マキナ】女装をしているってバレたら間違いなく引かれるだろうな…と思って、言えませんでした。最初の1年くらいは誰にも言えなかったですね。

――1年くらいして、公表しようと思ったのには理由が?

【茶柱マキナ】こちらの意図しないところで、周りにバレてしまったんです。やはり引かれて、離れていった友だちもいました。でも、とても意外なことに母親が応援してくれたんです。「どうせやるのなら、とことん綺麗になりなさい!」とも言ってくれて。この一言が、自分の中での抵抗や葛藤を振りほどいてくれました。

嬉しい言葉はモチベーション、厳しい言葉はバネに「もっと綺麗になってやる! という気持ち」

――コスプレ歴は8年とのことですが、クオリティアップのために意識されていることや、コツコツと取り組んでこられたことがありましたら、教えてください。

【茶柱マキナ】コスプレには正解がないので、「もしもこのキャラクターが実在したら、どんな感じになるんだろう?」と、常に試行錯誤している感じですね。コツコツと努力しているのは、体型の維持。筋トレや柔軟トレーニングをするだけでなく、イベントなどで人前に出るときには数日前から食事制限をしたりしています。

――女性らしい体型の維持、大変そうですね。

【茶柱マキナ】男性はごつごつしているので、女性キャラのコスプレをすると大柄に見えてしまうんです。だからこそ「理想的な女の子の体型を、自分の身体でどう再現するか?」を突き詰める作業にはやり甲斐を感じますね。

――そこも女装コスプレの醍醐味…というわけですね。ちなみに、モチベーションが上がる瞬間はどんなときですか?

【茶柱マキナ】カメラマンさんやレイヤー友だちから「綺麗になったね!」とか、「メイクがうまくなったね!」と言ってもらえたときですね。それと、リプライなどでお褒めの言葉をいただいたときなど。前述の、昔の写真をアップしたツイートでも、「こんなに変われるんだ!」や「日々の努力の賜物ですね!」といった、これまでの努力を称賛してくれるコメントが多くて。それが素直に嬉しかったですね。
――当該ツイートの掲載前後で、コスプレ活動や実生活にも変化はありましたか?

【茶柱マキナ】ありがたいことに、カメラマンさんや他のレイヤーさんからの撮影のお誘いが増えました。それと国内だけでなく、中国やブラジルのコスプレ関係のサイトでも紹介していただいて、海外の方からもSNSをフォローしてもらえるようになり、活動がますます楽しくなりました。

――厳しい意見などもあったのでしょうか?

【茶柱マキナ】ありましたよ! 「あんまり変わってないじゃん」とか、「加工の力でしょ」など。今は、それをバネにして「もっと綺麗になってやる!」という気持ちに切り替えています。

――コスプレイヤーとしての今後の目標を教えてください。

【茶柱マキナ】おこがましいかもしれませんが、有名な女性レイヤーさんたちにも引けを取らないくらい、クオリティの高いコスプレを披露することが目標ですね。男性だからこそできる、女装コスプレの表現に挑戦してみたいです。それと、今こうしてコスプレ活動ができているのは、応援してくださる周りの方々のおかげだと思っているので、コスプレイヤーだからこそできる形で、恩返ししたいですね。現在、新型コロナの影響でイベントもなかなか開催できない状況ですが、またレイヤーのみなさんが素敵なコスプレライフを送れるよう、心より祈っております。
取材・文=ソムタム田井
茶柱マキナさんTwitter:@Makina_Jeanne

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