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SNSの一言に反応する“危うさ” 小栗旬×星野源が『罪の声』で伝えたいこと

事件を多面的に受け取ることが大切「奥にいろいろな思いや人物がいる」

 “日本中を震撼させた、昭和の未解決事件をモチーフ”としている本作。平成、令和と時代が移り、今後は事件のことを知らない世代も増えていくが、『罪の声』を通して、どのようなメッセージを受け手に感じ取ってもらいたいのか。
 野木氏は「昭和の話ではありますが、いまも変わらないことは起きている。見た方に、他人ごとではないというか、私たちはこれからどうしていくのか、そういうことを考えていただければ。事件の裏側に本当の被害者がいることを感じてほしいですね」と話す。土井監督は「電話しかなかった時代に手の込んだ脅迫状を用意してテープで声を吹き込む。アナログなことをやっていますが、SNSにより簡単に匿名で発信できる現代において、ファクトを確かめるでもなく踊らされることは、いまのほうがひどい状態かもしれません。単なる過去のアナログな事件では済まされないものがある」と昭和の事件だからといって、過去の歴史の1ページにするのではなく、現代につながる側面もあるという。
 星野は「犯罪のニュースを見たとき、加害者と被害者に注目がいきますが、その周りには家族だったり、知り合いだったり、たくさんの人がいますよね。その奥にいろいろな思いや人物がいること。劇場型犯罪や愉快犯って言葉はあるけど、愉快な犯罪なんてない。完成した映画を見て、そんな風に思いました」と言葉を振り絞る。俊也がテープで自分の声を使用されたことを重ね「子どもたちだったり、未来になにを残して残さないようにするのか。強烈な悪意に対し自分が動くことで、後世になにも悪くないのに罪をかぶることになる人がいるかもしれない。そういうことも考えるきっかけになるかもしれませんね」。
 続けて土井監督も「犯罪には加害者、被害者だけでなく、周辺の多くの人たちも当事者として巻き込まれてしまう不条理があって、そこに罪のない子どもという存在を絡めてはいけない」と熱を込めて語ってくれた。
 最後に小栗は「ぼくらが受け取る真実や事実には、多面的にいろんなことが起きていて、ひとつの真実で踊らされてはいけないんだなと感じてもらえたら。(自分は)SNSは少し遠く感じる世代ですが、ど真ん中の世代からすると、SNSを見て誰かが言った一言にものすごく反応して、その言葉だけを受け取ることがもったいないことかもしれない。それがこの作品を通して考えるきっかけになれば」と語った。
プロフィール

小栗旬(おぐり・しゅん)1982年12月26日生まれ 東京都出身
子役として活躍後、ドラマを中心に話題作に出演し本格派俳優に。蜷川幸雄さんの『ハムレット』『お気に召すまま』『カリギュラ』など舞台にも多数出演。『花より男子』『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』『銀魂』シリーズなど多くの人気ドラマや映画に出演している。公開待機作に『新解釈・三國志』『ゴジラVSコング(仮題)』がある。
スタイリスト:臼井崇(THYMON Inc.) ヘアメイク:CHIKA KIMURA(tsujimanagement)

星野源(ほしの・げん)1981年1月28日生まれ 埼玉県出身
俳優、音楽家、文筆家として活躍。2016年に放送されたドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』に出演し、主題歌「恋」にあわせて踊る“恋ダンス”が大ブームに。『逃げ恥』は、来年正月にスペシャルドラマで放送されることも発表された。デビュー10周年を記念したシングルBOX「Gen Hoshino Singles Box “GRATITUDE”」が10月21日発売。
スタイリスト:TEPPEI ヘアメイク:高草木剛(VANITES)

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