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購買機会減らない? “客が選べる接客スタイル”の効果「店員の押し付けではなくお客様のペースで」

 『一人でゆっくり見たい』人はグリーン、『相談したい』人はピンクのバンドと、客が店員の接客スタイルを選べるサービスを開始したナチュラルコスメブランド・LUSH。世界49の国で900以上の店舗を持ち、日本でも全国78店舗を経営している。そんな中、新宿店で本サービスを試験的に先月から開始すると「新しい生活様式の姿」「素晴らしいアイデア」「切実に欲しいサービス」「これをみんな待っていたような気がする」など、好意的な声が多数寄せられた。日本のコスメショップやアパレルショップでは、海外と比較しても過剰に店員が声をかけ、商品を勧める姿が多くみられる気がするが、同店が接客スタイルを選べるバンドを導入した理由とは。ラッシュジャパンに聞いた。

グリーンとピンク、利用者が選ぶ割合は? バンド設置のメリットとデメリット

――接客スタイルをバンドの色によって選択できるようにしたのは、なぜでしょうか。

新型コロナウイルスの影響でお客さまの買い物の仕方にも変化があり、コロナの影響を受ける前からも一人でゆっくりと商品を見たいというお客さまもいらっしゃったため、そのようなお客さまの声をもとに今回のサービスをトライアルという形で始めました。

――「新型コロナウイルスによるお客さまの買い物の仕方の変化」とは、具体的にはどのようなことを感じられましたか。

私たちの店舗では、お客様の手元を借りて店員の手から実際に商品をお試しいただくことが多かったのですが、一定のソーシャルディスタンスを保つため、営業再開直後はお客様ご自身でお試しいただけるような声かけをする場面も増えました。少し距離感を保ってお買い物をする風景が増えたように感じます。

――接客を厭うお客様が増えた印象なのでしょうか。

自社の接客は日常からお客様とのコミュニケーションを楽しむイメージがあることから、逆に会話を楽しむために来店してくださるお客様がいらっしゃることも事実です。外に出る機会が減少した中で、店舗で人と人とが作り出す安らぎを求めて来店してくださるお客様がいらっしゃることを改めて実感しています。とはいえ、お客様にお声かけをすることで、「一人でゆっくり見たい」という意志を伺うこともあれば、お客様を観察することでどのように店内を過ごしたいのかを判断することもあります。

――それぞれのバンドを選ぶ割合はどれくらいでしょうか。

利用者の約2〜3割のお客様がピンク(相談したい)、約7〜8割のお客様がグリーン(一人でじっくり見たい)を選ばれます。お会計時や退店の際に「意思表示ができることによって入店時から心地よく過ごせました」とおっしゃっていただくことがあります。中には「このサービスを見て来店しました」とおっしゃってくださったお客様もいらっしゃいました。

――接客スタイルを選べることにより、どのような効果を期待されていますか。

この状況の中、実店舗に足を運んでくださることにありがたさを感じ、今まで以上にお買い物の時間が素晴らしい瞬間になればと思いスタートしました。今まではこちら側(スタッフ)のペースでお声かけをしていましたが、よりお客様のペースに合わせられることが一番のメリットです。それにより店内を心地よく過ごしていただくことにつながっています。
――『一人でゆっくり見たい』という選択ができることによって、接客のチャンスが減るかと思いますが、そこに対する懸念はなかったのでしょうか。

決して接客のチャンスが減るとは考えていません。もちろんご挨拶はしますし、直接長い会話にならなくても歓迎の気持ちを伝える方法はあると思っています。また、お客様によって様々なお買い物スタイルが存在していることを理解しているので、店内を快適に過ごしていただくことがむしろチャンスの拡大につながると思っています。実際、『一人でゆっくり見たい』というお客様は、ご自身のタイミングでお客様からお声をかけていただくことが多いです。「接客しない」というより、お客様に最適なタイミングでコミュニケーションが生まれることがより良いサービスにつながるといったイメージです。

――バンド設置によるデメリットも何か想定されていますか。

デメリットは想定していませんが、バンドに頼り過ぎないようにすることは注意しています。店内を見ている際に気持ちが変化したりすることもあると思いますので、常にお客様の状況に気を配ることを意識しています。

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