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松重豊、小説家デビューは“逃げ道”?「俳優を続けていくことには日々迷いも」

座禅を組み悟った “俳優としてのこだわり”を排除するというこだわり

  • 松重豊(C)oricon ME inc.

    松重豊(C)oricon ME inc.

――小説の中で廃業を考えている俳優が、自身が演じる役を知らないままお芝居をしているという描写が面白かったのですが、松重さんご自身はどのようなスタンスで役と向き合ってらっしゃいますか。

【松重】小説に京都のお寺でのエピソードが出てきますが、僕は昔、京都のお寺で仏教を勉強したり般若心経を読んだり、座禅を組んだりしたことがあるんですね。その時に、自分の価値で全てを決めるのではなく、俳優としてのこだわりをとことん無くしてしまったほうが自由になれるんじゃないか、ということにふと気付いたんです。小説の主人公のように「今日はなんの役を演じるんだっけ?」ぐらいの感覚で、何も考えずに現場に行くほうが良いのではないかと。それ以来、「俳優としてこうありたい」「この役はこう演じるべきだ」というこだわりを排除してお芝居するようにしています。

――過去には俳優活動を休止していた期間もあったそうですが、そんな中でも俳優として復帰されたのは何かきっかけがあったのでしょうか。

【松重】休止中に「もう一回芝居をやらないか?」と誘われて自然な流れで復帰したので、「また芝居をやりたい!」という強い衝動が自分の中にあったわけではないんです。お恥ずかしい話ですが、当時も今も俳優を辞めたいと思うことは何度もあって、「向いていないなー」と思うことの方が多いですし、「果たして俳優を続けることが本当に自分に合っているのだろうか?」と日々疑問に感じていたりもするんです。

――長年俳優としてのキャリアを築かれてきた松重さんでも「辞めたい」と思うことがあるのですね。

【松重】俳優の仕事は役を頂いて初めて成り立つものですが、年齢を重ねていくとともに、ニーズが減ってきたなと実感することがあるんです。例えば作品の登場人物の中でこの年代の人は一人だけとか、そういうことが年々増えていくわけで、そのポジションを戦い抜いて獲得するのは非常に困難なんですよね。じゃあ何か別の道でも探してみようかと思っていた時期に、エッセイの連載のお話を頂いて「助かった!逃げ道が見つかった!」と。とてもありがたく感じました(笑)。俳優業の他に、小説やエッセイを書くという道を見つけられたのはとても良かったですね。

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