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コロナ禍は20年前の路上時代と同じ、コブクロが「生きるために」音楽を続ける理由

配信やVRにどこまで突っ込めるか、目指すは「老舗和菓子屋のタピオカ」

  • 小渕健太郎

  • 黒田俊介

  • コブクロ

――そんなコブクロは、これまで音楽をやってきた中で不条理を感じたことは?

小渕健太郎 そもそも、ストリートミュージシャン自体が不条理の中でやるものなのかなと。警備員に「まだ歌ってんのか!」ってギターケースの蓋を足で締められたり、ものすごい虐げられてきて…(笑)。あれは不条理だったかもしれない。

黒田俊介 僕、オーディオマニアなんですよ。音楽の歴史はレコードから始まり、CDになり配信になって、今ではスマホで聴くものになった。どんどん音質が劣化していってるのに、みんなもろ手をあげて「便利になった!」って言うじゃないですか。便利なのはわかるけど、住宅事情は良くなっているはずなのに、どんどん音質が悪くなってるっていう。そんな現状なので、僕らがレコーディングするとき、「今こんなに大きなスタジオで生バンドにこだわるの、コブクロくらいですよ」と言われるんです。不条理ですよね(笑)。

小渕健太郎 僕ら、京都の老舗和菓子屋さんみたいなことやってますから。見えないところで、蒸かした小豆を濾すところから、こだわりぬいて!(笑)。

黒田俊介 そう、豆も煮てる。それを聴かれるのがスマホとなると、少し切ないですね。時代の流れだから、仕方ないんですけど。

小渕健太郎 でも、コロナをきっかけに、また新しい時代になっていくんだと思います。コロナが収束したとしても、リモートのライブはきっと残るし、VRを使った仮想空間でライブをやる人も絶対に出てくる。ドアを開けたら東京ドームで、そのステージに大好きなアーティストがいる…、今の技術では可能なんですよね。

――そういった新しいコンテンツと、コブクロのオーソドックスなスタイルをどう共存させていくのかも楽しみですね。

黒田俊介 そうですね。だから次の展開としては…老舗の和菓子店が作るタピオカですよね!

小渕健太郎 ははははは! その通りです。タピオカもまたちょっと前の流行りやけどね(笑)。

黒田俊介 老舗のこだわりと今の時代がいかにして繋がるか。配信ライブなどの新たなコンテンツに、どこまで突っ込んでいけるか、だと思います。

小渕健太郎 その逆で、生で楽しんでもらえるコンサートの価値はグンと上がっていきますね。お客さんがいるだけで気持ちも上がるし、お客さん自身もそうでしょう。プレミア感が増した状況で次のステージに立つぶん、当たり前だったことが当たり前じゃない、よりいい方向に向かうと思ってます。

(文:川上きくえ)

シングル「灯ル祈リ」

10月14日発売

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