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『スッキリ』やTikTokでも話題 旬なバンド・緑黄色社会が示す “J-POPの進化系”

緑黄色社会

 緑黄色社会のニューアルバム『SINGALONG』が注目を集めている。デジタルアルバムは今年4月にリリースされ、オリコン週間デジタルアルバムランキングで2位を記録(5/4付)。コロナの影響で発売が遅れていたCDパッケージも9月30日にリリースされ、10/12付オリコン週間アルバムランキングで7位にランクインした。『スッキリ』(日本テレビ系)の企画で盛り上がり、TikTokでさらに広がりを見せている緑黄色社会。このバンドの魅力とは?

『スッキリ』の企画で「Mela!」がヒット、TikTokで中高生の支持も

緑黄色社会 ライブの様子 Photo by 安藤みゆ

緑黄色社会 ライブの様子 Photo by 安藤みゆ

 愛知県出身の4人組バンド、緑黄色社会。長屋晴子(Vo、G)、小林壱誓(G、Cho)、peppe(Key、Cho)、穴見真吾(B、Cho)により2012年に結成。翌年、10代限定フェス『閃光ライオット』で準グランプリを獲得し、活動が本格化。2018年の1stフルアルバム『緑黄色社会』を経て、同年のミニアルバム『溢れた水の行方』でメジャーデビューを果たした。

 昨年は、ドラマ『G線上のあなたと私』(TBS系)主題歌「sabotage」、アニメ『僕のヒーローアカデミア』第4期文化祭編エンディングテーマ「Shout Baby」など、ヒット作の楽曲を担当。また前述した「Mela!」が、情報番組『スッキリ』の企画「ひとつになろう!ダンスONEプロジェクト」課題曲に起用されたこともブレイクのきっかけに。TikTokでは、長屋のコーラスによるデュエット素材動画、ダンス経験のある小林によるオリジナルの振り付けダンス動画、中日ドラゴンズのマスコット・ドアラとのコラボ動画なども公開され、中高生を中心に大きな広がりを見せた。

 「Mela!」はストリーミングも好調で、緑黄色社会の代表曲ともいえる存在に。公式YouTubeチャンネルでも、現在1165万再生(10月5日現在)を記録している。この勢いで音楽番組への出演が増加しているほか、9月にはいきものがかりのオンラインフェスにも登場。“リョクシャカ”の愛称とともに、バンドの知名度は確実に上がり続けているのだ。

バラエティに富んだ楽曲、世代やジェンダーを超えたJ-POPの進化系

緑黄色社会 ライブの様子 Photo by 安藤みゆ

緑黄色社会 ライブの様子 Photo by 安藤みゆ

 メンバー全員が作曲に携わることで生まれるバラエティ豊かな楽曲、プレイヤーの個性を生かした前面に押し出したバンドサウンド、そして、力強さと透明感を併せ持った長屋のボーカルなど、多彩な魅力を備えた緑黄色社会。幅広い層のリスナーに訴求できるポップセンス、独創的な音楽性がバランスよく共存したリョクシャカの良さは、アルバム『SINGALONG』にもしっかりと反映されている。

 人気作「sabotage」「Shout Baby」「Mela!」を含む本作で、まず印象に残るのは、ジャンルを超えた音楽性だ。エレクトロ系のダンサブルなサウンドと、“見て見ぬふり”する社会の雰囲気を描いた歌詞が一つになった「inori」。疾走感に溢れたサウンド、エッジの効いたメロディとともに、鬱屈とした気持ちを吹き飛ばすような歌が響く「スカーレット」。自分が望む方向へ踏み出す“はじめの一歩”をテーマにしたミディアムチューン「一歩」。素朴なメロディラインとメンバー全員の合唱が楽しめる「愛のかたち」。音楽性の枠を決めず、メンバー個々の創造性を自由に発揮することで、バラエティに富んだポップスを表現する。これこそが、リョクシャカが急速に支持を得ている最大の理由だろう。

 そして、その中心にあるのはやはり、長屋のボーカルだ。力強さ、可憐さ、鋭さ、華やかさなど、楽曲によってさまざま表情を見せる彼女の歌は、きわめて魅力的。『SINGALONG』というアルバムのタイトルからも、このバンドの軸が歌であることを示していると思う。

『SINGALONG』初回生産限定盤

『SINGALONG』初回生産限定盤

  • 『SINGALONG』通常盤

    『SINGALONG』通常盤

  • 『SINGALONG』初回生産限定盤

    『SINGALONG』初回生産限定盤

  • 『SINGALONG』初回生産限定夏を生きた盤

    『SINGALONG』初回生産限定夏を生きた盤

 CDの初回生産限定盤は、“リョクシャカ詰め合わせBOX仕様”。グラフィックカード仕様になった歌詞カード、メンバーによる楽曲解説インタビュー付きPhotobook、さらにMVや2019年11月に行われたスタジオライブの映像を収めたBlu-rayが付き、リョクシャカの魅力を存分に堪能できる。また初回生産限定夏を生きた盤 のDisc2(CD)には、新曲「夏を生きる」に加え、「Mela!」のリミックスver.、今年7月に行われた無観客ワンマンライブから「Shout Baby」「sabotage」のライブ音源などが収録されている。
 
 多彩なジャンルを吸収しながら、間口の広い音楽を生み出すセンス。そして、世代やジェンダーを超え、幅広いリスナーに訴求できる歌の魅力を備えた緑黄色社会は、まさにJ-POPの進化型と言えるだろう。以前から「国民的なバンドになりたい」という目標を掲げている緑黄色社会はここから、さらに広いフィールドで存在感を占めることになりそうだ。

(文:森朋之)

INFORMATION

緑黄色社会(りょくおうしょくしゃかい)
長屋晴子(Gt.Vo)、小林壱誓(Gt.Cho)、peppe(Key.Cho)、穴見真吾(Ba.Cho)。
愛知県出身・在住の4人組バンド。

アルバム『SINGALONG』9月30日発売
【公式サイト】(外部サイト)
YouTube(外部サイト) 








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