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(更新: ORICON NEWS

蛯原友里がトップモデルとして20年輝き続ける理由「比べられる誰かがいたほうが楽しい」

「気持ちが追いつくのに1〜2年かかりました」求められる“大人なエビちゃん”に初めての葛藤

――壁にぶつかった時期や、ご自身にとってのターニングポイントとなるできごとはありましたか?

蛯原友里雑誌『CanCam』から『AneCan』に移った時は、気持ちが追いつくまでにしばらく時間がかかりました。“『CanCam』のエビちゃん”という像が強すぎて、いきなり大人っぽく進化したエビちゃんを表現するのにかなり悩みましたね。

――ご自身の中ではだいぶ大きな違いがあったんですね。

蛯原友里そうですね。洋服が変われば自然と変わる部分もあるかなと思ったのですが、やっぱりポージングや表情も変えなければいけなかったので。みなさんが期待してくれている大人なエビちゃんになれているかどうか、不安はありました。

――その後、これでいいんだと思えた瞬間はあったのでしょうか?

蛯原友里徐々に変化していった感じですね。気持ちが全面に出てしまうタイプなので、慣れるのに1〜2年はかかった気がします。でも、やり続けることで違和感がなくなって、スタッフのみんなも「新しいね」と言ってくれたので安心できました。

様々な仕事を経て感じたモデルへの思い「年を重ねるごとに気持ちがシンプルになった」

――いろいろなお仕事をご経験されている中で、中心となる軸が“モデル”という立ち位置はずっと変わっていない気がします。モデルへの思いやこだわりがあれば教えてください。

蛯原友里原点になっているのは、大学を卒業して、心からやりたいと思えた仕事がモデルだったことだと思います。モデル以外のお仕事もたくさんやらせていただいて、どれもその時は一生懸命がんばろうという気持ちで、刺激もたくさんもらいました。でも、よく考えてみると、やっぱり一番やりたいことはモデルだなと思ったんですよね。

――モデルというお仕事の魅力はどんな部分でしょう?

蛯原友里私は1人で何かを続けるよりも、信頼できるスタッフのみなさんと一緒に何かを作っていくのが好きで。写真1枚を突き詰めていくと、奇跡のような1枚が撮れることがあって。鳥肌が立つような、そういう瞬間がすごく楽しくて、たまらないんですよね。
――感動する瞬間がたくさんあるんですね。

蛯原友里たまたま昨日の『Marisol』(11月号)の撮影でも、そういう瞬間に出合えて、「やっぱりおもしろいし楽しい!」と実感しました。いつもより大人っぽい洋服だったので、メイクは透明感重視で艶っぽく、髪型もいつもはしないようなウェットなオールバックスタイルにしたんです。ファッションに合わせた表情や動き、メイク、カメラマンさんの撮り方…すべてが合わさってすごく素敵な1枚が撮れて、震えるほど感動しちゃいました。

――花王のCMでは「蛯原友里、40才」というフレーズが大きな反響を呼びました。40代を迎えて、気持ちの上での変化はありましたか?

蛯原友里20代、30代の頃より気持ちが楽になって、無理せず、自分が決めたことを確実にやっていこうと思うようになりました。昔は、ストイックに「あれもこれもやらないと!」と思っていたんですけど、年を重ねるごとにシンプルになった気がします。40代はとにかく楽しみたいですね。外見ももちろん大事ですけど、私は“自分で選んできた道をきちんと歩いている人”が美しいなと感じるので、私自身も、やりたいことをやって、毎日をひたすら楽しんで、内面から輝く女性を目指していきたいです。
 インタビュー中、これまでの芸能活動を振り返り、「楽しかった」というフレーズは何度も出てきたが、「つらかったこと」「大変だったこと」の話になると、途端に頭を悩ませ、「忘れちゃうんですよね」と笑い飛ばす彼女の姿があった。ネガティブなことを語りたくないという気持ちもあるのかもしれないが、10年以上彼女とともに仕事をするマネージャーが「数々のモデルと仕事をしてきたが、こんなに前向きで明るい人は見たことがない」と明かしていたことからも、本当に覚えてないのだろうと感じた。

 幼い頃から、常に双子の妹と比べられてきた蛯原友里。しかしそれを苦痛に思わず、「比べられる誰かがいたほうが楽しい」と思える根っからの前向きさが、いつまでも彼女が輝き続ける理由なのではないだろうか。最後に、「どうしても人と比べてしまい、頭を悩ませてしまう方たちにアドバイスをいただけますか」と尋ねると、蛯原は「比べなきゃいい」と屈託なく笑った。


(取材・文=辻内史佳)
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