ORICON NEWS
京都の老舗窯元のツイートに約6万RT 「企画倒れさせない胆力‥う、そだろ」“カエルを助けたい珍動物”を描いた一皿が遂に完成
これは、「カエルを助ける動物」が、1RTにつき1匹増えるうつわです。#RT希望 #絵付け #瑞光窯 pic.twitter.com/cQ9jB5xjtl
? 瑞光窯(ずいこうがま) (@zuikougama1) June 9, 2020
コロナで店存続の危機に…SNSで感じた拡散力と人のエネルギー
【土谷瑞光さん(以下、土谷)】新型コロナウイルスの影響でロクロ体験店の売り上げが激減し、お店の存続をかけてクラウドファンディングを立ち上げました。たくさんの方々に助けられて、Twitter投稿の時点で支援金額が約500万円に達していました。ご支援いただいた皆様への感謝の気持ちを私たちなりの方法でカタチにしたいと思ったのがきっかけです。
――恩返しの企画だったのですね。ちなみに、この企画へは何名で取り組まれましたか?
【土谷】ロクロ職人、絵付け職人、私の3人です。
――Twitterは普段から投稿をされていましたか?
【土谷】Twitterの開設は投稿当時2週間しか経っておらず、2投稿目だったので反応は未知数でした。
――2投稿目なのに、みるみるとツイートが広まっていきましたね。最終的には5.7万ものRT数となりました。
【土谷】予想以上の反響で驚きました。スマホ画面上のリツイート数が絶え間なく切り替わり、「Twitterのトレンド入りしている!」と、友人から連絡が来たり…。ありがたいことにクラウドファンディングの支援額も増えました。人と人とが繋がりあった時に生み出すお祭りのようなエネルギーを感じました。
集まった5.7万匹が一皿に 中には見たことも聞いたこともない動物も…
【土谷】とても5.7万匹は描けませんでした。それでも描ける範囲で詰め込みつつ、見る方が楽しめるようにストーリー性ができるような部分を数カ所描きました。
――もともと「カエルを助ける動物」がテーマですもんね。コメント欄では見たこともない動物のリクエストもありました。
【土谷】リクエストいただいた動物で、調べられたものはなるべく描きましたが、架空の生物でゲームの生物だったり資料が見つからないものは描けませんでした。
【土谷】クアッカワラビーやウォンバットのような、見分けのつきにくい生物や細かい品種が大変でした。線で表現するようなナメクジのようなコウガイビルも。あとは、種別関係なく後ろ姿や斜め姿は普段描かないポーズなので大変でした。
――なるほど。限りあるスペースの中に描き進めていくのは大変ですよね。Twitterでは絵付けや色付けの様子などもアップされていて、たくさんのフォロワーが出来上がりを楽しみにしていると思います。作業風景を拡大して、どんな動物が居るのか確認しているコメントも多かったです。ここまで企画が進められた感想を聞かせてください。
【土谷】5.7万匹すべてを描き切ることはできませんでしたが、バリエーション豊かにストーリー性のある鳥獣戯画を丁寧に描きました。制作工程にここまで興味を持っていただけることを嬉しく感じています。完成品を多くの方に見ていただき、職人の手仕事により感動をお届けできればいいなと思います。
SNSが若年層との懸け橋に…「陶芸」でもっと笑顔を届けたい
【土谷】以前からSNSでのプロモーションを積極的に行なっていたわけではないので、Twitter企画はフォロワー0人からのスタートでした。ですので、投稿で反応をいただくための方法を考えるのが大変でした。
――大反響を呼ぶまでの苦労もあったのですね。インスタライブやYouTube配信などでの奮闘ぶりも伝わりました。では、楽しかったことはありましたか?
【土谷】やはりコメントを読むのは楽しかったです。描いてほしい動物をコメントで募集したのですが、マニアックな動物のリクエストを写真付きで頂いたり、そのコメントにもたくさんのいいねが付いたりして。多くの方に楽しんでいただけたことを実感できた時はやって良かったと思いました。
【土谷】Twitter、Instagramに続いて、YouTubeの活用にも取り組んでみたいなと思っています。
――現地に訪れないと触れられなかった伝統芸能が、SNSの力で身近に感じられそうですね。最後に、今後の夢や実現させたいことを教えてください。
【土谷】「陶芸」という言葉には、まだまだ堅苦しさや敷居の高さがあると感じています。時にはSNSを通じたユニークなコミュニケーションも交えながら、若い方にも陶芸に対してポジティブなイメージを持っていただき、陶芸を通じて多くの方に笑顔を届けたいと思っています。
一発勝負の緊張感!なかなか見ることのできない釉掛け(色づけ)作業
一発勝負の緊張感。
? 瑞光窯(ずいこうがま) (@zuikougama1) July 20, 2020
カエルを助ける大皿の釉掛け(色づけ)作業が完了しました。明日はいよいよ窯詰めです。 pic.twitter.com/Fff9LSTubZ
PROFILE/瑞光窯(ずいこうがま)
1867年創業、京都の老舗窯元。 清水寺から徒歩7分のロクロ体験店/職人手作りのうつわの販売などを行っている。
■Twitter @zuikougama1(外部サイト)
■Instagram @zuikou_gama(外部サイト)
■公式HPはこちら(外部サイト)
1867年創業、京都の老舗窯元。 清水寺から徒歩7分のロクロ体験店/職人手作りのうつわの販売などを行っている。
■Twitter @zuikougama1(外部サイト)
■Instagram @zuikou_gama(外部サイト)
■公式HPはこちら(外部サイト)