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社会の闇をえぐるレディコミは「エロがなくてもいい」、少女漫画から転身した気鋭作家の気概
「ぜんぜん売れない!」挫折を経てレディコミの世界へ
池田ユキオさんぜんぜん売れなかったからです(苦笑)。少女漫画誌の新人コンテストで賞をいただいてデビューしたものの、私には少女漫画のセンスがなかったんですよね。何よりまず男性をカッコよく描くことができませんでした。
──少女漫画は、「ヒロインの相手役をカッコよく描くこと」がヒットするセオリー?
池田さんということに囚われてたんです。ちゃんと読み込めば、そういう少女漫画ばかりではないですから。だけど当時は「私には読者が恋するような男性が描けない、だから売れないんだ」と思い込んでいました。
──女性を描くのは得意だった?
池田さんというか…好きでしたね。絵だけでなく、内容的にも女性の強さとかしたたかさを描くことが。ある編集者さんとの出会いがきっかけでレディコミ誌に描くようになったんですが、売れない漫画家だった私にどんどん仕事を回してくれたのも「女性が描ける」からだったのかな、と思ってます。
──レディコミの世界観はいかがでしたか?
池田さん少女漫画で育ち、キラキラした世界に憧れてデビューした経緯もあって、初めて読んだときは「ひー!」と思いました(笑)。表紙からしてドロドロして怖くて…。私の絵柄でこの世界観にフィットする漫画が描けるのかな? という不安もありましたね。