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炊飯器の横に首が…深夜の台所で起こった恐怖体験を描いた作者「少なくとも会話してる間は本物だと思ったのに」
台所での恐怖体験「何かの拍子にバグを検知してしまった感覚だった」
【文太】ジャンルに関わらず、ホラー全般が好きなんですが、特に怪談やJホラーは好物で、前々から自分でもそういうものを描いてみたいと思っていました。今回は完全に思いつきで、「夏と言えば怪談だから、自分の体験談でも描いてみよう」という感じでした。こんなに反響があるとは思っていなくて、びっくりしています。
――深夜に夜食を作ろうとしたら炊飯器の横にお姉さんの顔があったという内容の漫画でしたが、声は疑いもなくお姉さんの声だったのですか?
【文太】不思議なことに、「声質」の記憶は全くないです。自分は声を出して喋っていたし、会話をしていたというのも確かなのですが、アレがどんな声だったかと思い返してみても、何のイメージも(男か女かすらも)残っていないです。ただ、少なくとも会話をしていた間は、何の疑いもなく姉だと思っていました。
――なぜそういった勘違いが起きたのだと分析していますか?
【文太】霊感とか不思議な能力には憧れますが、自分がそういう類のものを持っているとは思いません。自分の勘違いも含めて、「何かの拍子にバグを検知してしまった」みたいな感覚でした。過去に何度かこうした「奇妙な体験」をしたことはあるのですが、その理由となると見当もつかないです。
『台所の姉』#本当にあった怖い話 #漫画 pic.twitter.com/rs76hYF0s1
? 文太 (@bunta_50) August 23, 2020
「漫画ならではの恐怖演出をしたい」漫画でホラーを表現するうえで心掛けているポイント
【文太】姉にはこのことを、その場ですぐに話しました。本物の姉を最初に見たときに思ったのは、「あれ?何でさっきまでこっちにいたのにそっちにいるんだ?」ということでした。姉に対して咄嗟に、「さっきそこから顔を出して話してなかった?」と訊ねようとして初めて、「自分は一体何を言っているんだ?」と冷静になり、さっきまでの状況の異常さに気づきました。
――お姉さんの反応は?
【文太】姉のリアクションは、急に弟が意味不明なことを言い出して気持ち悪がっていた、という感じだったと思います。
――このエピソードを描く上で、最もこだわったところを教えてください。
【文太】一番は、深夜の台所の空気感と、日常の風景に不意に紛れ込んだバグのような「あの感覚」を再現したいなと思っていました。漫画でのホラー表現は映画とも小説とも違うと考えているので、漫画ならではの表現(コマ運び、視線誘導、リズム等)で恐怖演出ができないかと試行錯誤しました。それが成功したかどうかは分かりませんが…。
――とても怖かったですよ…。
【文太】あと、当初からTwitterに載せるつもりで描いていたので、4ページという制限があり、雰囲気を演出する小道具の類(小説でいうと地の文で書かれるディティール等)をなるべく絵で表現する必要がありました。なので、背景などはその目的が達成されるように意識をして描きました。
――最後に、今後はSNSでどのようなことを発信していきたいですか?
【文太】他にも幾つか奇妙な体験談があるのですが、それらもいつか漫画にして紹介したいと思っています。客観的に見てどれも面白いエピソードなので。あとはこれまで通り、気ままに自分の好きなものやフェチに忠実な世界観を絵としてアウトプットし続けたいです。温めている創作漫画のプロットもあるので、これもいつかどこかで発表できればいいなと思います。
文太さんTwitter:@bunta_50(外部サイト)