Zeppを有効活用した新たな音楽ライブ配信の可能性 「ファンを音楽から遠ざけてはいけない」音楽業界人の想い

 コロナ禍で多くのアーティストがライブの場を突然失い、ファンとのリアルなコミュニケーションが絶たれている。音楽業界全体が、未来への存続がかかる危機的状況にさらされるなか、アーティストはもとよりレーベル、所属事務所、イベンター、コンサート制作者など関係者それぞれがウィズコロナ時代の音楽活動のあり方を模索し続け、オンラインを活用した新たなスタイルの試みを徐々にスタートさせている。そうしたなか、ソニー・ミュージックエンタテインメントは、ライブハウス「Zepp」の新たな使い方を提示した。

Zeppで1日3組のライブを収録、リスクを分散する工夫

  • 「Dive/Connect@Zepp Online」出演アーティスト(ASIAN KUNG-FU GENERATION、石崎ひゅーい、加藤ミリヤ、KANA-BOON、さユり、BURNOUT SYNDROMES、緑黄色社会、Rude-α、ReoNa)

    「Dive/Connect@Zepp Online」出演アーティスト(ASIAN KUNG-FU GENERATION、石崎ひゅーい、加藤ミリヤ、KANA-BOON、さユり、BURNOUT SYNDROMES、緑黄色社会、Rude-α、ReoNa)

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、音楽ライブも思うように開催できなくなっている。オンラインを活用したさまざまな企画が少しずつ動き出しているなか、ウィズコロナ時代のライブのあり方のひとつとして新たなライブハウスの使い方を提唱しているのが、ソニー・ミュージックエンタテインメントだ。

 同社は9月8日より、ライブハウス「Zepp」を有効活用した有料オンラインライブのサービスを開始する。「Zepp」で1日に3組のアーティストのライブを収録し、それを1アーティストごとに毎週火曜日の夜8時から「60分のライブ映像」+「30分の生配信トーク」として、同社が展開する動画配信サービス「Stagecrowd」にて配信する「Dive/Connect@Zepp Online」である。

 通常、ライブハウスでは1日1公演が行われる。それを、公演時間を60分にしたうえで、準備やリハーサル時間をできうる範囲で短縮し、13時半、17時、20時にそれぞれ1組のライブを収録する。ライブでのコストなどの企画運営リスクを極力分散して、厳しい制作環境下で参加のハードルを下げていることが特徴的だ。

 同社は音楽レーベルのほかに、ライブハウス運営や配信プラットフォームなど、さまざま事業を展開している。そうした事業を横断し、時代の先を読みながら新たな企画やサービスを立ち上げるのが、同サービスのプロデューサーを務める篠原廣人氏の仕事である。

 苦境に立ち向かうなかで立ち上げた心境について、次のように打ち明ける。

「ライブの環境は今後、どうなってしまうんだろうと自問自答していたなか、まずは正常に戻るまでの短期、中期、長期でどういうライブビジネスが起こせるのかを仮想しました。レコード会社として何をすべきか考えたときに、とにかく今は、ファンを音楽から遠ざけてはいけない。我々にはグループ会社にZeppというライブハウスがあるので、短期でやるべきことは、ライブができなくなったアーティストのためにライブパフォーマンスを発信できる環境を作ることだと思い立ったんです。

 スタッフはかなりハードになりますが、そこは我々の底力を見せます」(篠原廣人氏:ソニー・ミュージックエンタテインメント、コーポレートビジネスマーケティンググループ、チーフ・ゼネラルマネージャー/以下同)

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