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『としまえん』設立当初は“娯楽”ではなく“心身鍛錬の場”だった コロナ禍での閉園に語り部「歯がゆいが、最後まで笑顔で」

世界最古級の回転木馬は閉園後どこへ?

 『としまえん』で長年にわたって子どもたちに愛されてきたアトラクションといえば、1907年にドイツで製作された世界最古級の回転木馬「カルーセル エルドラド」。アールヌーヴォー様式の優雅な曲線美と装飾は、まさに動く芸術品。最近では、米津玄師の「感電」のミュージックビデオにも登場し、大きなインパクトを残した。

 ヨーロッパ各地を巡業後、ニューヨークの遊園地を経てとしまえんにやってきたのは1969年のこと。遊園地の閉園とともに廃棄処分されかけていたところを、『としまえん』が約1億円で購入。約2年をかけて修復され、1971年から稼働している。

 ところが1983年、思いもよらぬ手紙がニューヨークの遊園地から舞い込んだ。
「当地の遊園地をリニューアルする。ついては今あるメリーゴーランドとエルドラドを交換してくれないか、と言うんです。『ニューヨークの子どもたちが寂しがっている』と。こちらとしては廃棄寸前まで行ったものを『そんな勝手な…』という話ですし、『東京の子どもたちが寂しがってしまいますので』と丁重にお断りさせていただいたんです」
 某所から「日米親善のために」と詰め寄られたこともあったとかなかったとか……。ともあれエルドラドは、現在も変わらず子どもたちの夢を乗せて回り続けている。そして内田氏にはもう1つ、エルドラドにまつわるロマンチックな思い入れがある。
「私は社内結婚でして、入社5年目の1986年にエルドラドの前で結婚式を挙げたんですよ。メンテナンスの仲間たちが、エルドラドの横に停めた私のクルマに空き缶だのモールだのをくっつけてくれたりと、いろいろ協力してくれましてね」

 ちなみにこれまでエルドラド前で結婚式を挙げたのはこれまでに3組で、内田氏はその第1号。特に挙式プランがあったわけではないので、「役得だったかもしれませんね」と照れる。

 メンテナンスを知り尽くした内田氏も「この子たちは実に優等生」と言うほど、ほぼトラブルなしだったというエルドラド。『としまえん』の閉園後はどうなってしまうのだろう。
「ひとまずは113年間お疲れさまということで、倉庫でメンテナンスをします。その後のことは、まだ決めあぐねているところです。博物館に置いたらどうかという話もありましたが、回転木馬は子どもたちに乗ってもらってこそ輝くもの。いつかまたどこかでみなさんに楽しんでいただけるよう、しっかりとメンテナンスをしたいと思っています」

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