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ずん飯尾和樹、ムロツヨシ、大森南朋…“非モテ”おじさんブーム到来

嫌われるのが定番の冴えないおじさんが心の拠り所に…「おじデレラ」を地で行く今期ドラマ

 時代とともに繰り返し到来している“おじさんブーム”だが、ここ最近では、ドラマやCMなどでおじさんが若い女性にモテる姿が描かれ、それが男性ばかりでなく、女性層の支持も得ている。

 これまでのブームと異なるのは、嫌われるのが定番だった“冴えないおじさん”の「おじデレラ」を地でいくような物語がメインストリームで支持を受けていること。『相棒』(テレビ朝日系)の反町隆史や『BG〜身辺警護人〜』(同系)の木村拓哉など、かつてのイケメン俳優が歳を重ねて渋さが加わり、再びモテ期を迎えるのは当たり前のことだが、飯尾やムロツヨシ、大森南朋ら、若い頃にモテとは縁遠い地味なイケメン系ではないタイプが、おじさんになった今、モテるようになったことが特徴だ。

 その背景のひとつには、演技力の評価は高くても、イメージ的におじさんが“きれいではない”印象が女性たちに定着していたことがあるだろう。それが昨今では、飯尾やムロのようにおじさん俳優たちの多くが、研ぎ澄まされた清潔感を醸し出している。『わたナギ』での家政夫・大森南朋のエプロン姿は、おじさんの清潔感を象徴している。SNSでは、「カジュアルな服装のエプロン姿なのに、なんであんなに、色気ダダ漏れなんだ…」「まさか、エプロン姿のほんわか大森南朋に癒される日が来るなんて… 」「何だこのギャップ…家政夫の大森南朋が可愛い」とそのエプロン姿に萌える人が続出しているようだ。それとともに、隣にいるだけでほっとする安心感や寄り添える存在であることが、今の時代にマッチした女性に求められる要素になっていることがある。

 もちろん、積み重ねてきた経験値などによる人間性の大きさや人生観、大人としての余裕といった魅力もある。ある種イケメンではないおじさんが、これまでのブームのような滑稽さからのかわいらしさやいじりではなく、内面から出た渋さや人生経験ともまた違う、そこにいるだけでほっとする存在として、人の内面からの「モテ」として扱われるようになったのが、これまでとは異なるおじさんブームになっているのだ。

 そこには時代性もあるだろう。そのモテは、競争社会でささくれだった女性たちの心をどこか穏やかにし、同世代の男性視聴者のカタルシスになっているのも特徴だ。不安な世の中における一服の清涼剤のような役割を担っている。ウィズコロナの時代に求められている、観る人に幸福感をもたらすブームかもしれない。

(文/武井保之)

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