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声優・下野紘を築き上げたキャラ5選 『鬼滅の刃』我妻善逸の愛されぶりには“親戚のおじさん”感覚

自分に近いキャラクターは善逸!?「結構似ているのかも」

――5人挙げていただきましたが、声優としてのスタンスを形づくる頃のキャラクターが多めな印象ですね。
下野紘どうしてもねぇ……。特に『ラーゼフォン』から『おお振り』までの間が一番、一喜一憂が半端なかったと思うので。

――他にも『神のみぞ知るセカイ』(2010〜2013年)の桂木桂馬とか『デュラララ!!×2』(2015〜16年)の黒沼青葉など、まだまだ語っていただきたいキャラクターはたくさんいます。
下野紘挙げようと思えば全員エピソードがありますし、細かくターニングポイントを決めるとなるといろいろ名前を出したいですが、今回は飲み込んでおきます(笑)。

――振り返ってみて、キャラクターの印象やイメージなどが当初と変わったり、新たに気づいたことなどはありましたか?
下野紘基本的にキャラクターに対してのイメージが変わることはありませんが、“今の自分が演じたらどうなるのかな”というのは考えますね。もっと理解度が深くなっているのではないかとか、キャラクターともっと対話して工夫できるかもしれないとか、ここはこういうアプローチで演じたほうがよかったのかなと考えたりもします。

――では、挙げていただいた5人のキャラクターとご自身が似ているところはありますか?
下野紘難しいな(笑)。タイミングごとに各キャラクターに助けてもらったり、この部分は似ているというところがあるので。

最近では、善逸と似ているかもしれない。自分もビビリな部分はありますし、でもやらなければいけないことがある中で緊張しながらも頑張ってやり抜くという側面も持っていると思う。

あと、善逸が周りの人たちのことをいろいろと考えられる気持ちを根底に持っているところも、結構似ているかも。臆病で逃げたりもするけど、最終的には貫き通す、やり続けるところは、似ているかもしれないと思います。

まずは外見から入るのが“アーティスト・下野紘”方式

――先ほど、「『うたプリ』の来栖翔に出会っていなければ、アーティストとして歌を出そうとも思わなかった」とおっしゃっていましたが、“アーティスト・下野紘”についても聞かせてください。8月19日に待望のファーストアルバム『WE GO!』がリリースされます。2018年3月発売の『Color of Life』はミニアルバムで、今回は初のフルアルバムということですが、あえて段階を踏んだということでしょうか?
下野紘そうですね。下野紘として歌うことに関しては、一から少しずつ歩んできて、いきなりフルアルバムではなく、段階を踏んでいきたいと考えていました。スタッフ陣とも相談しながら作り上げ、今回満を持してファーストフルアルバムという形になりました。

――いつ頃からフルアルバムの制作を意識されていたのでしょうか?
下野紘ファーストシングル『リアル-REAL-』(2016年3月)の頃から「いつか出せたらいいな」とは思っていました。ただ、タイアップのお話をいただいてシングルを立て続けに出すこともあったりしたので、どのタイミングになるか、あえて具体的には決めず、少しずつ進めていければいいなと思っていたんです。

そうした中、一昨年ぐらいから「フルアルバムを作りましょう」という話が出はじめ、去年の春先から何回も話し合いをしながら少しずつコンセプトを決めたりと、楽曲制作を進めてきました。

――そのコンセプトが“MODS”(イギリスで1950年代後半〜60年代半ばにかけて流行した音楽やファッション)ですね。
下野紘どういうテーマでいくかとなったとき、「(ビジュアルは)今回はモッズスーツでいきたい」と言われたのですが、実はファーストシングルも「今回は革ジャンでいきましょう」「じゃあ革ジャン=ロックだよね」という決め方だったので、同じ方式ですね(笑)。

――ビジュアル面からコンセプトを決めていくというのは、ちょっと意外な手法ではありますね。
下野紘ビジュアルはやっぱり大切。外見から徐々に内に入っていき、そこからさらに広げていくという形です。今回も早い段階でモッズスーツを着るという話になって、そこから方向性や曲調を決めていきました。いろんな決め方があると思いますが、ある種、“アーティスト・下野紘”方式といったところですね(笑)。

――3曲目のリード曲『WE GO! -On Your Mark-』は、親交のあるヒャダインさんが作詞作曲を手がけられていますね。
下野紘フルアルバムを作る中で1曲、僕に縁がある方に楽曲提供をしてもらえたらと提案させていただき、スタッフからあげてもらった候補の中にヒャダインくんの名前がありました。下野紘のギターロックとヒャダインのコラボレーションというのが面白そうだなと思いましたし、なかなかない機会だったのでお願いすることになりました。

――下野さんからはどのようなリクエストを?
下野紘ライブを想定した上で、よりMODSかつギターロック要素を強めにしたくて、「ギターとドラムをガンガン前に出してほしい」とリクエストしました。

自身初の恋愛曲を作詞「あえて歌ってきませんでした」

――どの楽曲も思い入れはあると思いますが、中でも1曲を選ぶとしたら?
下野紘難しいですね……。でも、思い入れという意味では高橋諒さんと2人で作曲し、作詞はすべて僕1人でした『アトサキ』という失恋の歌です。恋愛曲はこれまで、あえて歌ってきませんでした。それを今回、初のフルアルバムということで解禁にしたんです。

――あえて歌ってこなかった理由は?
下野紘アーティスト活動をするにあたって、楽曲の方向性もあったんですが、どちらかというとメッセージ性の強い歌に興味があったのと、作詞面は特にきちんと自分の言葉で伝えていきたいこともあって、安易にラブソングを歌うことに少し抵抗がありました。

でもせっかくのフルアルバムなので、いろんな曲ごとのテーマがある中、1曲くらいラブソングがあってもいいのかなと思い、作詞家のRUCCAさんにも相談しながら、書いてみました。

――10曲目というのがさりげなくて効いていますよね。
下野紘1曲目の『Departure』で旅立ち、『I’m Home』で帰ってくる流れは決まっていたんですが、旅立って決意していろんなことを経験し、『アトサキ』で失恋して帰ってくるのかっていう(笑)。

――具体的にはどんな想いを込めたのでしょうか。
下野紘アーティスト下野紘史上初めてのラブソングは失恋ソングとなりまして、タイトルの「アトサキ」は2人が出会ってから別れまで、そして今があり、この先がある。この時間軸を一つの線に見立てて未来を見据えた前向きな大人の恋愛ソングにしたつもりです。「たとえ離れてもいつまでも幸せでいてほしい」と、別れてしまった恋人に思いを馳せる人は多いんじゃないかと思って。そんな気持ちを共感してもらえたらうれしいです。

――お話をうかがってから曲を聴くと、さらに心に沁みそうですね。では最後に、今後の目標や理想の声優像があれば教えてください。
下野紘声優、役者としてはキリがないですよ。大ベテランの先輩でも「今でも全然10代の役をやれる」という方もいらっしゃいますから。その中で役を勝ち取っていかなきゃいけないと考えると、狭き門だなと思いますが、挑戦し続けたいですね。

4年前にアーティスト活動を始めたのは、その当時「現段階で、声優・下野紘はここがMAX」「もう一段階スキルアップをしたいけど、どうすれば……」と壁にぶつかったことがきっかけでした。

このままじゃダメだ、苦手なことや避けて通ってきたようなことにも挑戦し、何か見つけていかないとと思い、あまり得意ではなかった歌にチャレンジしてみようと思ったんです。その結果、新たに得られたものもあれば、今までやってきたことを活用できる部分もあり、一皮むけた部分はあるのかなとは思います。

声優としてというより一人の人間としての理想像は、新人や若手ともバカ話ができるような、そういう大人になりたい。自分自身、イジられつつもいろいろ気にかけて助けてくださる先輩が多かったので、そういうところに気がつけるような大人でありたいと思います。

プロフィール
下野紘(しもの・ひろ)
4月21日生まれ、東京都出身。2001年、ゲーム『リリーのアトリエ〜ザールブルグの錬金術士3〜』のテオ・モーンマイヤー役で声優デビュー。翌2002年に『ラーゼフォン』の主人公・神名綾人役でテレビアニメデビューを果たし、『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズの来栖翔、『鬼滅の刃』我妻善逸など数々の人気キャラクターを演じてきた。2003年〜2007年10月まで、声優ボーカルユニット「Root」リーダーとして活動。2016年3月には、声優デビュー15周年を記念し、シングル『リアル-REAL-』でソロ歌手デビューした。シングル4作、配信シングル1作、ミニアルバム1作の発表を経て、8月19日に初のフルアルバム『WE GO!』をリリースする。
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この記事について
この記事は、LINE初の総合エンタメメディア「fanthology!」とオリコンNewSの共同企画です。
俳優・歌手・芸人・タレントらの趣味嗜好を深堀りしつつ、ファンの「好き」を応援。今後、さらに気になる人の「これまで」と「これから」をお届けしていきます。
⇒この記事をオリジナルページで読む(8月14日掲載)

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