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A.B.C-Z・河合郁人、“似てる”を売りに芸人たちと真っ向勝負 “じゃない方ジャニーズ”の気概

 ジャニーズ事務所所属のアイドルグループ、A.B.C-Zの河合郁人がバラエティ番組で引っ張りだこだ。きっかけは身内だからこそ“合法”といえる「ジャニーズものまね」。5月に放送された『ものまねグランプリ 次世代ものまね芸人No.1決定戦&歌ものまねNo.1決定戦スペシャル』(日本テレビ系)では、嵐の松本潤や木村拓哉らの「細かすぎるモノマネ」を披露し、初出場ながら準優勝に輝いた。また、以前から自らアピールし続けていたフットボールアワー・後藤輝基に“似てる”ネタも浸透しはじめ、先日放送された『たとえるバラエティ クイズ!鼻からスイカ』(日本テレビ系列)では、ついに後藤と並んでのダブルMCを務めるに至った。今、“異色のジャニーズ”河合郁人に注目が集まる理由とは?

しゃべりとダンスの得意分野を活かし、ジャニーズものまねでブレイク

 河合は現在32歳、ジャニーズ事務所入所は1999年、12歳のときだ。ジャニーズでは“中堅”ともいえる立ち位置で、当初はカッコいい路線で行くつもりだったらしいが、滝沢秀明に「お前は違う」と言われて路線変更。そんな河合のブレイクのきっかけを作った「ジャニーズものまね」は、自身“ジャニーズ1のジャニヲタ”と称するだけあり、リスペクトにあふれている。先の『ものまねグランプリ』決勝で披露したネタは、『「Love so sweet」の時の嵐・松本潤のダンス』、『「Sexy Summerに雪が降る」の時のSexy Zone 菊池風磨のフリーダンス』、『「TIME ZONE」のイントロでギターをひく岡本健一』、『歌は木村拓哉、踊りは松本潤で嵐の「WISH」』、『KinKi Kids「Anniversary」の堂本剛と堂本光一の歌い方の違い』、『ドラムを叩きながら自己紹介するTOKIO 松岡昌宏』といった具合で、小ネタながら非常にマニアックかつ、「確かにやってそう…」と思わせるものまねだった。
 そして何より自分自身これまでしっかり鍛えられただけあり、その踊りや歌も本人並み(本人以上?)にキレキレだからこそ、ものまねされる側のファンからも批判されず、むしろ称賛されるという好展開になっている。

 また、もうひとつ自らのウリとしてきた“フットボールアワー・後藤輝基似”も、今年の頭には後藤の冠番組『今夜くらべてみました』(日本テレビ系)に、後藤と同じ衣装を着て登場するところまできた。“フット後藤を画像修正アプリで加工してみた”的な絶妙なイケメンぶりと、例のキレッキレダンスが相まって不思議な笑いを誘い、前述の特番『たとえるバラエティ クイズ!鼻からスイカ』では、ついに後藤とともにMCを務めることになったのである。

 特番とはいえ、MCタレントと並んでアイドルがMCに抜擢されることはそう多くはない。同じジャニーズ事務所には、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)に出演する関ジャニ∞・村上信五がいる。当初はマツコデラックスとのタッグに「マツコの人気に乗っかった?」との声も一部にはあったようだが、今では村上も“バラエティ班”としての地位を確立し、番組は村上の出世作となったといっていい。
 河合も同じように、後藤の番組内で「お笑い界の河合郁人、後藤輝基」「ジャニーズ界の後藤輝基、河合郁人」として互いに“似てる”をアピールし、それぞれに知名度を高めてワンステップ上に行くという“良い関係”になりそうである。

ライバルはアイドルにあらず? 芸人たちと真っ向勝負「若手芸人と同じ熱量」

 河合の特長は、ジャニーズのアイドルでありながら若手芸人顔負けの“ガツガツ感”。ここ最近のリモート収録が多いバラエティ番組の中でも、『有田プレビュールーム』や『プレバト!』(ともにTBS系)、『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)、『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)など、多くの大物芸人がMCを務める番組に多数出演している。

 特に『ダウンタウンDX』特別編で「(同期の)キスマイよりも(さらば青春の光の)森田(哲矢)さんがライバル!」と発言すると、陣内智則は「芸人じゃないのに、ここまでの気持ちで(バラエティ番組に)来てるって……」と驚き、霜降り明星・せいやは「正直やめてほしいですね。こんな喋られたら。若手芸人と同じ熱量ですよ」と警戒、もはや両者は「心は芸人」の河合を同業者=芸人のライバルとして意識しているかのようであった。
 また、『鼻からスイカ』では後藤に時計をもらったエピソードを披露し、『プレバト!』に出演した際は、キスマイの横尾渉が「河合は浜田さんにハマっている」と発言するなど、大物(先輩?)芸人からも可愛がられている様子がうかがわれる。

 河合の“前へ前へ”と出ていく姿勢は、芸人でいえばどこかマイペースな第7世代の芸人ではなく、むしろパンサー・尾形貴弘のような少し前の“THE・若手芸人”のようで、時代錯誤といえなくもないが、逆に新鮮で気持ちがいいと感じる視聴者もいるだろう。

いわゆる王道のジャニーズ系“じゃない方”だからこその強み、積み重ねた実績が開花

 ジャニーズ事務所といえば男性アイドルの王道であり、女性ファンからの熱い視線を浴びることが仕事だ。しかしA.B.C-Zは、実力は認められていたものの、一般層に及ぶほど黄色い声援が送られていたとはいえない。『SASUKE』(TBS系)や『アウトデラックス』(フジテレビ系)でブレイクした塚田僚一のバラエティ対応力を筆頭に、歌唱力、ダンススキル、演技力、MC力など、メンバーそれぞれが実力を兼ね揃えたグループでありながら、あまり日の目を見ていない感がある。
しかし河合の真の姿は、2013年から続く舞台『ABC座』の座長を続ける実力、ライブやステージで見せるアクロバットや高いダンススキル、歌唱力などを併せ持った“完璧なエンターテイナー”なのである。

 とはいえ、同時に“三の線”をはずさない河合郁人には、“笑い”でも徹底的にファンを楽しませたいというエンターテイナーとしての矜持があるのだろう。同期のKis‐My‐Ft2やSexy Zoneなどの華々しいデビューや記録の陰で、「あまり売れていないジャニーズ」と揶揄されることも多かったA.B.C-Z。地に足を付けて積み重ねた努力の裏で、虎視眈々と狙い続けたはずのブレイクが、河合の存在によって、まさに目前に迫っているのかもしれない。

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