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親の介護をしながら執筆 「子どものイジメもママ友トラブルも経験した」人気レディコミ作家が語る意義
理不尽や非常識な人を淡々と描く
まるいさんレディコミに転進するときに大人っぽい絵柄に変えようと意識したのですが、少女ホラーのときからの絵柄のほうが描きやすく、いまだに「ヘタクソ…」と迷走してます。年齢的に老眼もあってよけい「サラリ」になってしまい、反省してます。
──むしろこの絵柄だからこそ、読者も共感しやすいと思います。
まるいさん実は、共感してもらうことはそれほど意識していないのですが、読者投稿や自分の経験からも一見は普通の人が考えられないほど非常識だったり理不尽なことをしたり、普通じゃないことを普通にするから周りが迷惑する、ということって日常にありますよね。そのことを、とにかくうそくさくなく淡々と描こうと心がけています。
──まさにレディコミ読者を惹きつけるテーマです。
まるいさん同じような悩みを抱える読者の方に少しでも参考になる情報も漫画には盛り込むようにしているのですが、ただ現実には解決が難しいこともありますよね。ですから私の漫画もどうしてもスッキリではなく、モヤモヤなラストになってしまうこともあります。
──問題提起的に読後も考えさせられる作風です。『消えた子供〜戸籍のない11歳少女餓死事件〜』など、実在の事件を元にした漫画も多いですね。
まるいさん具体的な人物の話を描くのは気を使うことも多いため、正直あまり好きではありません。ただ、間違ったことを描くのが怖いので新聞や裁判記録等はできるだけ調べます。
──漫画はフィクションも含まれるからこそ、新聞やニュースだけではわかりにくい心情が伝わると思います。
まるいさん興味があるテーマではあるので、実在の事件を元にした創作物は描きたいですね。
親の介護をしながら1人で執筆
まるいさん先ほども言ったように親の介護をしながら1人で描いてますので、ほぼ月1本です。読み切りも多いので、単純計算でこれまで300本以上は描いてきたと思います。
──デビュー当時とは異なり、無料や安価で作品が読まれる昨今をどうお感じになられてますか?
まるいさん作品を知ってもらい、読んでもらうきっかけになるのはうれしいことです。単行本化した自分の作品はデビュー作の1冊だけなので。
──某古本通販サイトで伝説的な作品としてものすごいプレミアが付いていました。今後の夢を教えていただけますか?
まるいさんできるなら一生漫画を描き続けたいですね。趣味でもいいので、ホラーや地元の伝承を元にした漫画も描きたいです。