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ドラマ『M』、SNSで自由にイジられヒット 「これだけバズっても目標視聴率へはあと一歩…」P語るテレビマンの苦悩
コロナ自粛中も、ドラマ熱を冷まさぬ“仕掛け”の数々
川島氏は「これ以上なかなかないくらい大所帯のチームで、エイベックスさんにもご協力いただきながらそれぞれの強みを打ち出し、最上級の仕掛けができました。ここまでSNSなどのネットからリアルまで、全方位的にできることはそうありません」とその枠組からの成果を振り返る。
服部氏は、テレビ朝日とABEMAの初の共同制作となった本作での宣伝展開について、「テレ朝だけではこういう空気を作れませんでした。皆さんと一緒に動いていくことで、世の中の流れにキレイに乗れました」としながら、本作への取り組みから浮き彫りになったテレビ局プロデューサーとしての悩みを明かす。
『M』で泣ける…いや『M』なのに泣ける、クライマックスへの仕掛け
ここ最近で盛り上がっているドラマのSNS考察などは、視聴者が同じドラマを同時に観ることで生まれた、テレビ放送がベースになっている新しい楽しみ方だろう。
本作は、そのように楽しまれている作品であるのと同時に、SNSのバズをドラマのネット視聴だけでなく、テレビ視聴にも呼び込んでいる成功事例でもある。平均視聴率は初回から、5.6%、5.4%、4.4%、4.5%(関東地区、ビデオリサーチ)という結果だったが、テレビ局として求められるゴールにはまだ到達していないようだ。
これから最終回に向けてのアプローチについては、「アユのセリフにありますが、バック・トゥ・ベーシック。もう一回、原点に帰ります。このドラマは、現在につながる切なくて泣ける“壮大な純愛の物語”。『M』で泣ける、いや『M』なのに泣ける、というドラマの本質を伝えていきたい」(服部氏)と意気込む。
プロモーションでの成功から、テレビの意義をどう捉えていくか。トライはまだまだこれからも続いていく。
(文/武井保之)