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『うまい棒』5年ぶり新味発売 相次ぐ駄菓子終売も、40年CMなしで年間7億本売り上げる理由とは

当初は批判された“個包装”先駆けで生き残り「これまでCM出したことない」

――もともと、どのようなきっかけでうまい棒が生まれたのでしょうか。

田中さん1970年代に、コーンスナックを製造する機械が作られ始めたんです。そこから新しいお菓子を作ろうという動きが各メーカーにありました。当時の駄菓子スナックの主流はポテトチップスやあられなどで、丸形はあったのですが、コーンスナックで棒状のものはできないかという発想から「うまい棒」が生まれました。

――その頃はあちこちに駄菓子屋さんがあって、お菓子は包装なしのむき出しで「1本10円」、「袋に入れて30円」といった形で売られていましたよね。

田中さんそうですね。1本ずつ個包装しているお菓子は少ない時代でした。駄菓子屋で買っても店先で食べる子どもがほとんどですから、なんでわざわざコストをかけて個包装にするんだ、という声もあったそうですが、コーンスナックはしけやすいので、おいしさが長持ちする作りにこだわり、店先だけでなく家に持ち帰ったり、お出かけ先に持って行ったり、どこでも自由に食べられるようになったことで、見事差別化に成功しました。

――その後、40年もの間愛されている理由は何なのでしょうか。

田中さんエンタメ要素を取り入れたパッケージと、豊富なラインナップを展開したことで、商品認知されやすくなったことは大きかったかと思います。実は弊社は、これまでCMを出したことはないんです。長らくお店に置いていただけていることで、商品自体が広告塔となってくれていますね。また、当初は「意味がない」と批判を受けていた個包装にしたことで、パッケージから楽しめて、アウトドアにも対応できたことに加えて、賞味期限や原材料を記載できるようになり、時代の流れの中で駄菓子屋さんが減っていく中でも生き残ることができました。

40年間10円維持の裏には子どもたちを想う企業努力 “コスパが良い”味は‥?

――40年以上価格を変えていないのも人気の理由ですよね。

田中さんいつの時代もお子さんのお小遣いはそれほど変わらないと思うんですよね。昔100円握っていた子どもが今、1000円持っているかというとそうではないと思います。だから、100円でいくつか味を試したりほかのお菓子も買えたりできる「10円」はこれからも維持していきたいですね。

――とはいっても、10円維持は相当大変なのでは…?

田中さんかなり厳しいです(苦笑)。40年前から見ると運送費、人件費、原料費諸々上がっていますが、弊社だけでなく、各工場や運送業者の皆さんにもご協力いただきながら、細かいところまでコスト削減と効率化に常に努めております。

――味によって原価も異なるのではないのでしょうか。

田中さんそうですね。「たこ焼き味」はタレをつけて焼いて、表面をカリカリにした後、もう1度味付けをして二度焼きしているので、製造上の手間が一番かかっています。「なっとう味」もフリーズドライの納豆パウダーを使用するなど比較的原料費が高いので、お得かもしれません(笑)。

――駄菓子屋さんはあまり見かけなくなり、駄菓子の終売ニュースも相次いでいますが、日々新しいお菓子が生み出される中で心がけていることがあれば教えてください。

田中さんやはり、おいしさだけでなく面白さと楽しさは駄菓子に欠かせないですね。うまい棒のパッケージには昔から「うまえもん」がプリントされていますが、3年前には妹の「うまみちゃん」が世に出ました。少子化が進み、売り場も変化していっている中で、今後も10円を維持しつつ、お菓子だけじゃなくキャラクターも含めて、いろんな角度から楽しんでもらえればと思います。

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