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工作の域を超えた『ダンボール自販機』が話題 “TVチャンピオン”王者の社長語る素材愛「飛沫防止にも」
コロナ禍で通信販売は例年の10倍…「飛沫感染防止パーテーション」の販売も
さらにダンボール工作の魅力を伝える取り組みとして、イベントやワークショップにも力を入れてきた。なかでも2008年に地元・香川県で始まった「ダンボール遊園地」は、巨大な恐竜や動物といったオブジェから、実際に乗ったり入ったりできる建物や遊具も満載。子どもたちに大人気の体験型イベントとして全国各地で開催されている。
ところが新型コロナウィルス感染拡大の影響で今年決まっていたイベントは軒並み中止。さらには海外からの受注もストップするなど、「創業以来のピンチ」となった。その一方で家でできるアクティビティとしてダンボール工作に注目が集まり、同社の通信販売も例年の10倍もの注文が入った。「なんとか乗り切れそうです」と岡村社長は胸をなでおろす。また、この4月からはダンボール製の「飛沫感染防止パーテーション」の販売も始めた。
「もともとはコロナ禍が叫ばれ始めた頃に、余った強化ダンボールで作って社内で使っていたものだったんです。遊び心をテーマにしてきた会社だし、最初は『こういう商品を販売するのはどうなんだろう…』と悩んだところもありました。ただ、ただいろんなお店を見てると手作りのダンボール間仕切りを使っているが、ヘタッとして耐久性が低かったり、使い勝手が悪そうだったりと、お困りの様子でした。弊社ならもっといいモノが作れる、もしもニーズがあるなら、ということで販売することにしました」
岡村社長は「鉄やプラスチックなどと違って、いらなくなったら簡単に処分できるのもダンボールの良さなんです」と言い切る。子どもの成長とともに不要となる遊具もそうだが、いつか飛沫防止パーテーションが社会から必要なくなる日が来て欲しいと思わされたひと言だった。