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インスタライブで相次ぐ俳優夫婦の“サプライズ共演”、暗黙のルールもコロナ禍経て変化!?
プライベートオープン化が進むものの、俳優のイメージ維持は健在
一方で、俳優同士が結婚した場合は少し様子が異なる。ドラマや映画で役を演じることが多く、それぞれのパブリックイメージを維持しようと2ショットで公に出ることは滅多にない。そのためか、結婚を発表する際も双方の事務所が細心の注意を払い、報告会見が開かれることはほぼゼロ。6月1日に結婚を発表した生田斗真&清野菜名夫婦も例に漏れず、2ショット会見は開かず双方ともに書面のみの報告であった。
“新婚夫婦”はサプライズ登場が鉄板? “中堅夫婦”は揃って共演
水川あさみは、ハリセンボン・近藤春菜とのコラボ配信で、昨年末に結婚した夫・窪田正孝と共演。水川の隣に窪田の気配を感じた春菜が「(窪田が)いらっしゃいますよね?もしかして付き合ってるの?」とトボケて水川に振ると、すかさず窪田が「結婚してんだろ」とツッコミを入れ、視聴者を喜ばせた。最後には2人そろって体を寄せ合い挨拶をするレアショットに、ファンは興奮の渦に巻き込まれた。
「インスタライブ」が選ばれる理由は“機能制限の多さ”にあり
生配信機能はTwitterやYouTubeにもあるが、なぜインスタライブが選ばれているのか。その理由は、インスタライブが持つ“制限の多さ”にある。今の時代、一歩間違えば悪意のある切り取りで拡散され、イメージダウンはおろか、誹謗中傷のターゲットになりかねない。加えて、生配信のため事務所がチェックできるわけではない。そのため、役者自身は発言内容に細心の注意を払いながら配信する必要がある。SNS慣れしている俳優ばかりではないため、どこでどのような解釈をされるのか、いまいちつかめていないのが現状のはずだ。
その点を踏まえると、プロフィールの上部に固定表示され、RTボタンひとつで拡散されてしまうTwitterライブや、トップに「オススメ」表示され不特定多数に見られる可能性のあるYouTubeライブは、不本意に拡散されるリスクが高い。一方で、インスタライブは、フォロワーにのみ配信開始の通知が飛ぶため、フォロワーからツリー式にシェアされない限り拡散性は低く、スマホでしか閲覧できない点からも、リスクが減るのだ。
配信時間が最大1時間までというのもポイント。ようやく盛りあがってきた、というところで終了させることで、「もう少し見たかったな」という余韻を与えることができ、生配信特有のだらだら感を避け、パブリックイメージを完全に崩さない範囲で新たな幅も広げられる。このような制限があることは、所属事務所にしてみても、容認しやすい理由だろう。
ドラマや映画、バラエティの撮影が延期になる中、時間を有効活用できるツールとしてポテンシャルを発揮したインスタライブ。テレビ収録が少しずつ再開され、この盛りあがりもおのずと落ち着いていくだろう。しかし、この動きは多くの芸能人たち、特に既婚俳優たちが、普段触れる機会の少なかったSNSと、しっかりと向き合う大きなきっかけとなったことは間違いない。インスタライブが、俳優夫婦にとって今後も積極的に活用されるツールになる可能性を秘めている。
(文/向井美帆)