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宮古島の海中を潜航するザクマリン “無謀”な「水中ガンプラ撮影」に挑んだワケ

宮古島の海中を潜航するザクマリンタイプ/制作:谷口将門(C)創通・サンライズ

宮古島の海中を潜航するザクマリンタイプ/制作:谷口将門(C)創通・サンライズ

 今年で40周年を迎えたガンプラ。もはや「ガンプラは人生の相棒」だと明言するモデラーも多く、自身が手掛けた力作をどう写真に収めるかも悩みのひとつになっているという。そんな中、「水陸両用MS」を実際に潜航させる企画『ProjectM』をプロデュースしたオクトーバーさん(@October_0079)と、宮古島で写真撮影を担当した谷口将門(@masakadokun)さんに、企画発足の経緯や水中撮影の難しさについて聞いた。

水中で行う「ガンプラ撮影」は失敗の連続だった

 沖縄県の宮古島でダイビングガイドの仕事をしている谷口さん。一見“無謀”とも思える「水中ガンプラ撮影」をやろうと思ったキッカケについて「実はお客様がご自身のバディとしてフィギュアを持参していたのを見て…」と告白。その時は「変わった楽しみ方をされる人だな」位の印象だったが、SNSで『おも写』(オモチャ撮影)が少しずつ出始めた頃とタイミングが重なり、「大好きな“海”を舞台にした水中撮影も面白いのでは」と考えたようだ。
  • 制作:ズゴック/制作:オクトーバー

    作品:ズゴック/制作:オクトーバー

  • 制作:ゾック/制作:みんくる

    作品:ゾック/制作:みんくる

  • 作品:アッガイ/制作:awaxy

    作品:アッガイ/制作:awaxy

 その後、トミカの『サンダーバード4号機』などの水中撮影を試したのち、プラモデルで一番馴染みのあるガンプラへの挑戦に切り替えたという。だが案の定、水中で行うプラモデル撮影は失敗の連続だったようだ。

「当たり前ですが…ガンプラはとにかく浮きます!予想以上の浮力で手間取りました(苦笑)。初めて撮影に臨んだのは水深約3mほどの浅いビーチポイントでしたが、いざポーチからズゴックを出してみると途端に水面までまっしぐら!! その後は釣り糸とオモリを使ってアンカリングしながらの撮影になりました。それでもキットの形状によっては倒立してしまう様な事もあり、釣り糸を結ぶ位置を考えたり、キット自体にオモリを仕込んだりと試行錯誤の連続でした」

 苦労を重ねるうちにオモリの使い方が少しずつ分かるようになり、水中でも狙ったポーズに近い姿勢を保てるまでに成長。目標は「釣り糸を使わずに漂わせる“中性浮力”で撮影することでした」と言葉に力を込める谷口さん。「とはいえ、浮力バランスは深度によって変わるのでやはり難しいです。リアルダイバーが装備する浮力調整装置を考えられると面白いのですが…」と、壮大な夢も語ってくれた。

 そんな谷口さんの活動をTwitterで見つけ、とある「企画」への協力を呼び掛けたのがモデラーのオクトーバーさんだった。

海中の“ブルーフィルター”でリアルMSに近づく

制作:ゾック/制作:みんくる

作品:ゾック/制作:みんくる

 そもそも「水中撮影なんてやれば、プラモは水辺にチャプチャプ浮かんでかえってウソっぽくなると思っていた」と述懐するオクトーバーさん。しかし、谷口さんの活動をTwitterで見つけ「水陸両用MSの潜航シーンを撮れたら、ジオラマには無い臨場感やリアルさを演出できるのでは」と思いたったのだそう。そしてモデラー仲間(みんくるさん、awaxyさん、ハマさん、くららさん、水野明佳さん)と水中撮影企画『ProjectM』を立案。谷口さんと協力し、水中撮影に挑むこととなった。
  • 作品:アッガイ/制作:水野明佳

    作品:アッガイ/制作:水野明佳

  • 作品:ザクマリンタイプ/制作:谷口将門

    作品:ザクマリンタイプ/制作:谷口将門

  • 作品:ゾック/制作:みんくる

    作品:ゾック/制作:みんくる

 もちろん、撮影までの道のりは簡単なものではなかった。バラスト(重り)を搭載し、パーツに密閉空間(空気が溜まる)が出来ないように穴を開けたりすることで“中性浮力”を目指したものの、キットによって浮力が全く違うため失敗の連続。そもそも実際に潜航させないことには個々の浮力は分からない。プラモデルの“潜航データ不足”による失敗は顕著だった。

 そんな中で大きなターニングポイントとなったのが、これまで水中撮影のテストを重ねてきた谷口さんからのデータ提供だった。谷口さんが培った“知見”が共有されることにより、水中でもMSが逆立ちせず、脚を下に向けてたまま浮く“中性浮力”に辿り着いたのだ。

 当企画の水中写真を見た感想をオクトーバーさんに聞くと「最高!」と即答。続けて「海中の“ブルーフィルター”で撮られた作品達は、プラモデルの枠を超えて“リアルMS”といった感覚です」と笑顔で答えてくれた。

 同様に、今回『ProjectM』に協力した谷口さんにとっても多くの“気づき”と“刺激”があったという。「造詣や塗装の細かさ、大胆さ、今の自分には全く持ち得ないものばかりでしたし、この発想は無かった!という驚きも多かったです。ただ、送られて来たプラモデルを箱から取り出し、水中へ入れる際の緊張感は忘れられません(笑)」

 プラモ好きたちによるSNSを介した邂逅。“人生の相棒”と呼ぶガンプラを最高の形で写真に収めたい、そんな思いが結実した『ProjectM』。今後の企画発展に期待したい。

(C)創通・サンライズ
  • 作品:ゴッグ/制作:ハマ

    作品:ゴッグ/制作:ハマ

  • 作品:ゴッグ/制作:ハマ

    作品:ゴッグ/制作:ハマ

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