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今こそ再評価?カスタム専門店が明かす“スーパーカブ”の本当の実力
きっかけはボロボロのカブとの出会い…人と被りたくないからカスタム
若尾祐基氏18歳のときに偶然友達にもらったのが6Vのボロボロのスーパーカブ50でした。昔から自転車などを改造するのが好きだったので、その流れでカブをカスタムし始めたんですが、だんだんそれがライフワークとなっていきました。とにかく面白くて、大学生活はカブを日々カスタムしつづけで、卒業製作で撮った映画にも登場させたりもしました。写真のカブが最初にもらったカブの最終形態です。見た目重視でまともにのれなくなってしまいました(笑)。今でこそカスタムカブは珍しくなくなりましたが、昔はかなりマイノリティな世界。ですが、私は人と被らないものを作るのが好きなのもありカスタムを続けていました。
若尾氏趣味として始めましたが、製作したカスタムカブをSNS等にアップしていくうちに、売って欲しいと言う声が多くなったのでカブ専用店を始めました。
――オープン以降、どんなコンセプトでカスタムを施していますか?
若尾氏どんなにカスタムしても前後のショックがしっかり稼働し、耐久性、消耗品を安定して供給できるよう、ホンダの他車部品を流用して組み上げています。見た目だけでなく短距離から長距離まで安心してしっかりと走れる仕様にしています。お客様の好みに応じてのカスタムのほか、多様なコンプリートカスタムカブも用意しています。
若尾氏一番人気は、カスタムカブ入門機としておすすめの『The☆Basic』(18万円/車両込み・税別)。多くの人がここからカスタムカブの世界へ入ります。あとは、当店のフラッグシップモデル『STYLO』(60万円/車両込み・税別)。フロントテレスコ化に加えリアスイングアームを延長。前後を18インチ化し、ビンテージなファイアストーンタイヤを履かせたボバースタイルで、全長も長くなり車格が大きくなっています。
若尾氏インパクトある車両は多数ありましたが、一番印象に残っているのは古いアメ車をモチーフにしたカスタムカブ『SAGOHACHI』です。自分が持っている1957年式のナッシュ・メトロポリタンを見たオーナーがこの車のイメージで製作したいとのことでカスタムしました。
バイクに乗ったことない人に「乗りたい」と思わせるカスタムカブを作りたい
若尾氏高い耐久性、低燃費、独特の操作性(遠心クラッチ、ボトムリンクサス、右手だけで操作出来るところ)に加え、どんなシュチュエーションにも似合うデザインですね。
高度成長期を縁の下の力持ちとして支え、現代においても郵便配達、新聞配達など時代を超えて愛されるバイクは他にないのではないかと思います。日本においてスーパーカブは誰しもが馴染みのあるバイクで、「カブ」と聞けばすぐに分かると言うのもすばらしい。デザイン面でも見飽きることなく洗練されていて、ノーマルでも十分にカッコいいですし、日本を代表する最高のオートバイですね。
若尾氏さまざまなタイプのカスタムカブを製作して、今までバイクに乗ったことがない人が乗りたいと思うスタイルを作りたいと思っています。バイク人口が減る今、少しでもバイク乗りが増えるきっかけを作れればと思います。