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春ドラマ満足度ランキング、『M』が「話題性」1位を獲得 “女優”田中みな実が曲者キャラで強烈な存在感

ハマリ役だった田中みな実、主役を食う“飛び道具”が話題騒然

 田中みな実が演じるのは、マックス・マサの秘書である姫野礼香。どうやら愛人関係にもあったようで、マサの耳に吐息を吹きかけるなどの妖艶シーンもたっぷりとみせていた。

 マサが肩入れするアユに激しく嫉妬し、壮絶な嫌がらせを繰り返したり、ストーカーばりの執着心でマサを追いかけたりと狂気じみた役どころだが、何といっても気になるのは右目を隠すアイパッチだ。

 ドラマに登場するやいなや、「悪の組織の女幹部感」「すべて持ってかれた」とSNSは騒然。おもむろにアイパッチをずらして空中を見つめ、「見える、見えるよぉ…。マサの未来が、未来が見える…」と唸るセリフも「怖すぎて怖い」「夢に出てきそう」と強烈なインパクトを残している。奇抜な役どころを演じきっている田中みな実は、見事に女優としての本領が発揮されている。

 アイパッチというアイテムに対して「すんごいB級感」といった辛辣な意見もないわけではない。たしかにリアリティを追求するなら、一般的な白い眼帯で十分だろう。ただSNSを見渡してみると、多くの視聴者はそんな荒唐無稽さをむしろ「一周回って」楽しんでいるようだった。

荒唐無稽なストーリーを一周回って楽しむ、近年トレンドの「バカ負けドラマ」とは?

 役者が真剣に演じれば演じるほど、笑えて目が離せなくなる。アラフォー以上の方ならば、80年代の大映ドラマでそんな経験をした記憶があるはずだ。フジテレビ系の昼ドラマ『真珠夫人』(2002年)、『牡丹と薔薇』(2004年)なども、そんな斜め目線の楽しみ方からヒットした例だ。

 仰々しい芝居や演出でリアリティを求めるほうがバカらしくなるような「バカ負けドラマ」は、近年はさらに増えている。前クールで人気を博した『恋はつづくよどこまでも』や『テセウスの船』などもその系譜にあると言えるだろう。さらに言えば、続編が期待される『半沢直樹』(2003年・TBS系)の爆発的ヒットの発端にも、どこかにそうした「バカ負け」的な見方があったはずだ。

 SNSでドラマの感想をリアルタイムに語り合うスタイルが定着した昨今、ツッコミどころ満載の「バカ負けドラマ」はフォロワー同士で笑いを共有できる楽しみも提供している。そんな今期ナンバーワンの「バカ負けドラマ」である『M 愛すべき人がいて』の中で、もっともツッコミたくなるキャラクターが、アイパッチ姿の田中みな実なのだろう。

 第1話ですでに、姫野礼香のアイパッチの原因となった出来事にマサが関係していることがほのめかされているだけに、「アユのマサの物語」を最後まで引っ掻き回してくれることに期待したい。

【オリコンドラマバリューとは】
オリコングループの調査システム「オリコン・モニターリサーチ」の登録者から毎週、全国690名の視聴者を対象に、各ドラマの「期待度」「満足度」について、「作品」「主演」「主演以外」「セリフ」「映像」「音楽」「美術」「ストーリー展開」を10点満点で調査。「オリコンドラマバリュー」はその結果を、過去1年間のデータに照らして偏差値化した。「視聴量」「主演」「主演以外」「内容」という4項目に加え、Twitterのツイート量を加えた「話題性」の5項目を各1〜20ポイントとし、計100ポイント満点で集計している。

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