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モーニング娘。『10年間の感謝を胸に笑顔で次なるステージへ!田中れいな卒業公演をレポート』

シングル連続1位と波に乗るモーニング娘。から、田中れいなが卒業した。2003年に加入した6期。10年間ボーカル力と奔放な個性でグループを支え続けてきた彼女の、メンバーとしてエピローグとなる日本武道館公演をレポート!

サブリーダーに譜久村聖&飯窪春菜が抜てき!

 開演前から「れいな」コールが飛び交う会場、暗転すると彼女のイメージカラー=青のサイリウムで場内が染まり、田中れいながバンド・LoVendoЯ(ラベンダー)で登場した。ツインボーカル&ツインギターの4人編成。背中合わせや肩を組んだりしながら、アップテンポの2曲を熱く歌って「サンキュー!」と、モーニング娘。卒業後の方向性を垣間見せた。

 入れ替わりでリーダー・道重さゆみがステージの階段の上に現れてダンス。背後のスクリーンにはほかのメンバーの映像がひとりずつ増えていき、それぞれの紹介VTRに。道重も一度ハケて、スクリーンでは映像の11人が横1列で踊り、幕が上がると本人たちが並んでいる演出から最新曲「君され居れば何も要らない」へ。デジタルエフェクトのかかる出だしから、田中がソロパートで<あんなに怯えてた あの日のことを〜>と歌い出すと、情感溢れる曲に一変した。

 そして、3年8ヶ月ぶりに週間ランキング1位となったシングル「Help me!!」と、最近の流れであるエレクトロニック・ダンス・ミュージック路線のナンバーを続ける。老舗アイドルのイメージが強いモーニング娘。だが、ここ3年でメンバーが9人入り、事実上は新鋭グループに近い。その新生モーニング娘。ならではのパフォーマンス、一糸乱れず流れるようなダンスフォーメーションが光った。

 MCでは田中が「ツアーで今日が一番汗かいとる」と、いつもと変わらず楽しげに話す。自身の卒業後にリーダー・道重がひとりで引っ張るのは大変だからと、すでにスタッフと相談して決めていたサブリーダーを発表。指名されたのは9期の譜久村聖と10期の飯窪春菜。飯窪はポカーンとした後、拒む感じで首と手を振り「吐きそう……」と。抱負を求められると、譜久村は涙をぬぐいながら「できることを精一杯やります」、飯窪は「リーダーの邪魔をしないように支えていけたら」と語った。

 メンバーたちがタオルを回しながらステージを駆けた「What’s Up? 愛はどうなのよ〜」や、コサックダンスの入る「気まぐれプリンセス」などで会場を次々と湧かせ、随所で歌を引っ張る田中の存在感も改めて焼き付く。田中のソロ曲「Rockの定義」では、鞘師里保と佐藤優樹をバックダンサーに従え、ビートに乗ってエネルギッシュにキメた。

湿っぽさはゼロ! 笑顔で次なるステージへ

 後半では「Ambitious! 野心的でいいじゃん」から6曲連続。この日で最後となる11人のモーニング娘。には、グイグイ押してくる勢いを感じる。鞘師は持ち前のダンスに加え、ボーカルも目に見えて成長。12期の小田さくらは初のツアーと思えないぐらい堂々とした歌いっぷり。石田亜佑美のダンスも相変わらずキレキレだ。

 かわいいナンバー「彼と一緒にお店がしたい!」では、同期の田中と道重がセンターに。投げキスやぶりっこポーズに、会場から「オーッ!」と歓声が上がった。ラストの「ドッカ〜ン カプリッチオ」で「跳ぶよ!」とジャンプで締めると、すかさずアンコールを求めて「れいな」コールが会場中に響き渡る。会場はまたサイリウムで青一色となり、スクリーンにファンの掲げる「10年間ありがとう」の電飾プラカードが映し出された。

 大きな拍手に迎えられ、田中がひとりでステージへ。「手紙を書いてきたんです」と読み上げた。「13歳で右も左も後ろも前もわからんまま、モーニング娘。に入って。『ヤンキーが入ってきた』と言われて、“そうじゃないのに”と思いながらツンケンしてました。壁を作りまくって、周りは敵ばかりだと思ってた。でも、そんな私を応援してくれる人が増えて、“この人たちのためだけにがんばろう”と決心しました。やる気と自信を与えてくれたみなさんを忘れません」

 彼女らしい、率直な内容。「いっぱい問題を起こしてすいません。これからも何かしでかすでしょう。それでも、れいなについてきてくれますか?」と呼び掛けると、また大声援と暖かい拍手が送られた。ソロ曲「キラキラ冬のシャイニーG」をスタンドマイクでアクティブに歌った後は、メンバー1人ひとりが花束を贈るセレモニーに。

 涙ながらに思い出を語る後輩が多いなか、田中の方は佐藤に「メールが来ても文字間違いが多すぎて意味がわからん」、石田に「言おうかどうか迷ったけど……私服がダサい!」などと暴露話で返し、笑いを誘っていく。

 「田中さんの歌割りが全部来るくらいにがんばります」という生田衣梨奈には、「ムリだな。前も『歌割りもらいました! 3文字です』と言ってたし」とバッサリやりつつ、「昔はイジられて泣いてたのに強くなったね。ズタボロにイジられながら、がんばって」と、彼女ならではの言い回しでエールを送った。

 ラストは10年間、苦楽をともにした同期の道重。「れいなが『6期最強』と言ってくれたのが嬉しかった」などと持ち上げたが、田中は「はじめはさゆがあまり好きじゃなかった」とぶっちゃける。膝を床についてヘタリ込む道重だが「私もれいなは普通だった」と笑った。「でも、さゆがおったけん楽しかった。いろいろあったけど、一緒におって乗り越えた」と田中。最後は握手から抱き合って「卒業おめでとう!」

 いよいよ大詰めは<時間は戻らない だから先に進もう>と歌う「Happy大作戦」。メンバー横1列でひとりずつウェーブのようにダンスをすると、観客も肩を組んで一緒に歌っていた。手を振ってステージを降りた後、再度のアンコールに応えて披露したのは「シャボン玉」。田中がモーニング娘。に入って最初のシングル曲を、いまはセンターで華々しく歌う。

 全曲の披露を終えメンバーがステージを後にして、残った田中と道重が2人で手を振る。道重も去ってひとりになった田中は「モーニング娘。最高!」と笑顔で叫んだ。締めは武道館一体となっての「おつか れいなー!」。最後の最後まで湿っぽさはゼロ。田中れいなは颯爽と次に待つ舞台へ旅立って行った。
(文:斉藤貴志)

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