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ハリセン・春菜のギリギリの答弁スキル 称賛と批判の“綱渡り感”に価値あり
身内もしっかり批判 視聴者目線の言葉に共感
昨年の吉本の闇営業騒動では、吉本興業上層部に対する不信感と敵意を露わにした加藤のかたわらで、「会社自体も保身に走った」、「(闇営業した芸人たちに対し)その場で正直なことを言って謝っていれば…。裏でコソコソ行って笑いを届けるのは気持ち悪い」と涙を流しながらコメントし、身内ならではの真に迫った発言に視聴者も心を動かされた。
一方、単なる“涙”で終わらせずに、大みそかの『ガキの使いやあらへんで!絶対に笑ってはいけない青春ハイスクール24時』(日本テレビ系)では、加藤、水卜アナに扮した花崎阿弓アナらと一連の騒動をセルフパロディして笑いに変え、しっかり芸人としての面目躍如も果たした。
また、俳優・東出昌大の不倫については「東出さんが苦しいのは正直どうでもいい」、東京大学のサークル活動で女子学生が加入を断られる事例については、「そんなクソサークル入らなくていい」と発言。こうした近藤の歯に衣着せぬコメントは、“博識”の印象こそないものの視聴者目線の怒りや不満を代弁しているように思われる。
称賛の陰のアンチも リアルな声が生放送ならでは
しかし、その“危うさ”こそが近藤の魅力のひとつといえるかもしれない。生放送番組だけに、「大丈夫か?」というリアルな緊張感が“生っぽさ”を醸し出すし、視聴者もドキドキしながらつい注目してしまう。
そもそも近藤のコメントに、世間をバッサリ斬って見せる大御所の“ご意見番”的な説得力は誰も求めていないだろう。近藤らしい感情のほとばしりや、たどたどしいながらも必死に対応している部分にこそ、視聴者も親近感を覚えるのではないだろうか。
発言がネットニュースになる女芸人 新しい立ち位置を形成
最近では、近藤のコメントが即ネットニュースに上がる場合も多い。それだけに発する言葉で炎上するリスクが高くなるともいえるが、考えてみれば女芸人では近藤のようなポジションを得ている者はほかにいない。
先月27日に発表された「理想の女性上司」(明治安田生命調べ)でも、近藤は昨年の18位から15位に順位を伸ばしている。それも『スッキリ』をはじめ、各バラエティ番組などでのコメント力・対応力が評価された結果だろう。
今や“朝の顔”としても定着した近藤春菜。本人がどこまで意識しているかはわからないが、結果としては、優等生になりすぎて視聴者からの声が称賛に偏らないように、賛否両論あるコメントを投げかけているように見える。
完璧を求めず、ときには冷静さを欠き、第三者になりきれない危うさが出るからこそ、そのリアルなヒリヒリ感に視聴者はついつい引き寄せられてしまう。ひょっとしたら、近藤春菜の需要はその部分にあるかもしれず、ましてや本人も承知して一連のコメントを放っているとすれば、なかなか芸達者なタレントであるといえるだろう。