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(更新: ORICON NEWS

「大惨事すぎるw…」こぼれた極小カレーうどんに反響、日常の失敗を作品に

 ドールハウスをはじめ、大人のコレクターズアイテムとしても人気のミニチュア。近年では、各地で教室も開かれ、コレクターだけでなく作り手も広がりをみせている。そこで今回、定食や丼物などの食堂メニューを手掛け、「こぼれたカレーうどん」が話題になったyamaさんにインタビューを実施。キャリア10年、独自の世界観で勝負するクリエイターが明かした制作のこだわりとは。

リアルさを追求しながら「ふざけた」感じも大事に

――ミニチュア制作歴約10年とうかがいました。きっかけは?

【yama】 子供の頃、レストランの食品サンプルを見るのがすごく好きで、ショーケースにかじり付いて眺めてました。ミニチュア模型を見るのも好きだったので、大人になってからミニチュアフードというハンドメイド作品があるのを知って飛び付きました。

――作品の題材は、和定食に中華など「食堂メニュー」が中心ですよね。

【yama】 ミニチュアフードというと豪華な料理とか、かわいいスイーツ系が人気だと思うんですけど、自分的には定食とか丼物みたいな素朴で大衆的なメニューがしっくりきたので、それ系を主に作っています。なのでブログも大衆的でノスタルジックなイメージで「ミニチュア食堂」と名付けました。

――“yama作品”は、料理を「箸でもちあげた瞬間」「こぼした瞬間」などの場面を切り取ったものがあるのも特徴です。なぜ、これらの瞬間を切り取ろうと思われたんですか?

【yama】 やっぱり子供の頃食品サンプルが好きだった影響ですかね。喫茶店の店先でフォークが浮いたナポリタンを目を丸くして眺めていました(笑)。制作では、リアルさはもちろん追及したいですけど、「浮き箸」とか「こぼれ」とか、その他にも「かじった跡」とか、見た人が笑ってくれるのも嬉しいので、そういう「ふざけた」感じも大事にしています。

理想までに5年かかった食器作り

――これまで最も反響があったのはどんな作品ですか?

【yama】 ここ最近で言えば、「こぼしたカレーうどん」ですかね。「跳ねただけでも大変なのに、こぼすなんて大惨事すぎるw」というコメントをたくさん頂きました。でも、実はこれ、そんなに意図して作った訳じゃないんですよね。不思議なもので、会心の自信作があまりウケなかったり、逆に何の気なしに作った作品が予想外に好評だったりします。そういう作り手と見る側の視点の違いも面白いです。

――では、ご自身の「会心の自信作」は?

【yama】 焼き鳥に生ビールこぼしたやつは割りと気に入ってますね。やりがちなので(笑)。自然な感じに泡を撒き散らす作業が楽しかったです。

――日常の失敗が作品に反映されているんですね(笑)。ちなみに、これまでで最も制作が大変だった作品はどんなものですか?

【yama】 部材になりますけど、食器作りですね。ミニチュアフードを作る人が一度はぶつかる壁じゃないでしょうか?とにかく思い付いた方法は全て試して、失敗しての繰り返しでした。今はレジンキャストやプラ板のヒートプレスに落ち着いてますが、そこに辿り着くのに5年くらいかかったと思います。

――5年!

【yama】 自分は独学だったので随分と遠回りをしたなって思います。ミニチュアフード講座の講師をしていると、皆さん作り方を教えただけですごくリアルな作品をいきなり作れてしまうので驚きます。「自分はこれを作れるようになるのに何年かかったっけ…」みたいな(笑)。それが無駄だったとは思わないですけど、やっぱ習った方が圧倒的に近道ですよね。

納得のいく技法を知恵と創造力を振り絞って独自に発明

――ミニチュアフード講座の講師としても活躍される今では、どんな作品も思いのまま?

【yama】 今でも、肉眼では上手く作れたと思っても、スマホカメラで写したら粗だらけで最悪だったって事がよくあります。スマホカメラの性能あなどれないです(笑)。理想とするクオリティに腕がまるで追い付いていないので、その辺のもどかしさは常にありますね。

――ミニチュア作りの最大の魅力は何でしょうか?

【yama】 決まった作り方が無いところですかね。行き詰まるとその事で頭が一杯になって、四六時中ぐるぐると考えてしまいます。そして作家さんはみんなそうだと思いますが、納得のいく技法を知恵と創造力を振り絞って独自に発明します。それはものすごくクリエイティブな作業で、ミニチュア作りの一番の魅力だと思います。

――今後の目標、活動予定を教えてください。

【yama】 アートイベント等には定期的に出展する予定です。直近では11/16(土)・17(日) に「デザインフェスタvol.50」に出展致します。他には、何年か前からミニチュアを使った新たなアート作品の構想があって、いつかそれを実現したいと思っています。

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