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(更新: ORICON NEWS

あの『地味ハロウィン』が地方進出 インスタ映えに逆行?地方に根を張りだした“地味映え” 

 今や日本の秋の風物詩として定着した感のあるハロウィン。魔女やマリオなどメジャーな仮装に身を包む王道の「派手ハロウィン(=派手ハロ)」に対し、“家から着てきても恥ずかしくない”日常的な衣装を着て”地味”を競い合う「地味ハロウィン(=地味ハロ)」も近年人気を集めている。もともとは渋谷で開催されていた地味ハロだが、この流れが地方にも拡散。本家・渋谷とは一味も二味も違ったマニアックなイベントが各地で行われているという。この地味ハロの動向について、イベントの仕掛け人である林雄司さんに話を聞いた。

5年前に誕生、日本で浸透している対面型イベント、“地味ハロウィン”

  地味ハロが誕生したのは2014年。WebサイトのデイリーポータルZが記事の企画としてスタートさせた。「5年前に仲間内で始めました。ハロウィンって、仮装という割には(パターンが)決まっているので、パターン化されていない仮装があれば面白いと思ったからです」と話すのは、デイリーポータルZ編集長の林雄司さん。周りの友人に声をかけ、30人ほどの集まりで始まったという。
翌15年、林さんの主催で、誰でも参加可能なイベントとしてパーティーを開始。参加者の仮装の様子がTwitterなどで反響を呼び、16年以降は300人が参加する注目イベントとなった。17年には場所を渋谷に固定し、デイリーポータルZの一大行事として開催。18年には、のべ800人の来場者を集めている。

コンセプトをおすそ分けしたら“地域特有の地味さ”が顔を出した

 これまでは渋谷を拠点として行われてきた地味ハロだが、最近では地方で開催されるケースも増えているという。いわゆるその地方の人にしか通じない地味さ(=面白さ)を表現した仮装ネタがメインで、参加した人しか理解できない“特別な地味さ”を楽しめる特殊なイベントとなっている。元祖・地味ハロの基本精神を受け継ぎつつ、さらにそれを拡大解釈したものが地方の地味ハロだと言えるだろう。

 2018年、地味ハロを地方開催したいとの声を受け、林さんは地方開催を許可。「(1)地味ハロウィンは、わざわざ東京に出てきてまで参加するような内容ではない。(2)職場、地元、学校といった狭いコミュニティでやったほうが『地味』(※地味=誉め言葉である)。(3)地方色が出るのも面白い。」との理由から開催が実現した。

「2018年は鹿児島、岡山など2、3か所で開催されました。鹿児島は私の知り合い、岡山は知り合いの知り合いが開催しました。地方開催の具体的な地域名や参加人数は把握していません」と林さん。デイリーポータルZ主催の地味ハロに関しては、編集部発信でイベントレポートを出しているが、地方の地味ハロは管轄外。その地方ごとに“お任せ”で開催されていて、林さんから主催者に何かを指示することはないが、「どんな感じだったか教えて」くらいは頼んでいるという。
 そんな林さんに、地方の地味ハロの様子を少し伺ってみると、「それぞれの地域の地味ハロ画像を送っていただきましたが、“地域特有のあるある”があったりして、面白さを完全に理解することはできなかったです(笑)。鹿児島では『離島から帰ってきた先生』という仮装が受けたと聞きました。地元の人にしかわからない“地方色”の可能性が出るので面白いと感じました。10月22日に岐阜で開催された地味ハロで、会場が湧いたのは『地方の役場の人が着ているポロシャツ』姿の職員の仮装だったそうです。また『〇〇店のミスドにいそうな人』みたいな仮装も盛り上がるそうです。その地域の人にとってのミスドとか、身近な方にとってのじわっとくる面白さは、東京(渋谷)ではあまり目にしない気がします。渋谷の地味ハロでは“全国均一”というのでしょうか、誰でもわかる仮装が多いように感じました」

 2019年は10か所以上で地味ハロの地方開催が決定(すでに開催済のイベントもある)。地味ハロが持つ「地味さ」を保持しつつ、その地方ならではのエッセンスも取り入れ、着実に拡散しているようだ。

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