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『ザク』がサイド7に侵入するインパクト「DNAに刻まれた“ファースト愛”」
スーパーロボットモノとは一線を画す“リアルな演出”に心を奪われた
【ハピネス工房】子どもの頃に見た『機動戦士ガンダム』の第1話「ガンダム大地に立つ!!」で、冒頭に登場する3機のザクの姿が衝撃的だったからです。
――ガンダムよりも、むしろザクに魅了された?
【ハピネス工房】ザクのモノアイや、量産機という設定に“リアルさ”を感じていました。次の日、学校に行ったらガンダムとザクの話しで持ちきりでしたよ。
――ガンダムの1話をリアルタイムで見た当時の衝撃というのは?
【ハピネス工房】巨大なコロニーに人が住んでいるという説得力、SFとしての無重力表現、兵器としてのザクの運用といった、それまでのスーパーロボットモノとは一線を画す演出の全てです。「いつかあのシーンを作ってみたい」と思っていましたが、実現するまでに30年も経ってしまいました(笑)。
――使用されたキットは?
【ハピネス工房】マスターグレード 1/100 MS-06JザクII Ver.2.0です。
――このジオラマ制作でこだわったポイントは?
【ハピネス工房】古いキットではありますが、スタイルも良いですし劇中のポーズを再現する可動域も問題がありませんでした。なので、特に手を加えずにキットの良さを生かした点がポイントです。
――この作品で気に入っている部分を教えてください。
【ハピネス工房】自分の一番好きなポージングが決まったのと、アクションベースをサイド7に見立てて塗装した部分です。
――本作の反響はいかがでしたか?
【ハピネス工房】ファースト好きの同世代からは特にウケが良かったですね。なぜかといえば、我々のようなファースト世代には、子どもの頃に“ファースト愛”がDNAに埋め込まれてしまったんだと思います。
コンテツとして40年続いたのは、ザクがガンダムに匹敵する人気を得たから
【ハピネス工房】私にもなぜザクがカッコよく見えるのか分かりません。やっぱりDNAなのかな(笑)。普通は、子どもって主役メカに憧れるはずなのに、ヤラレ役のザクに心を奪われて今に至っている。説明は難しいですけど、ガンダムに匹敵する人気をザクが得たからこそ、コンテンツとして40年にわたって続いた要因なのではないでしょうか。
――機体ではザクが好きとのことですが、ファーストの好きなキャラやシーンを教えてください。
【ハピネス工房】お気に入りのキャラはアムロですね。ヒーロー然としていないメカオタクだった少年が、大人へと成長していく物語は秀逸です。初登場のシーンが白タンクトップにパンツという自然体な所も良いですね(笑)。あと、名言の宝庫という点もファーストの特徴です。アムロの「親父にもぶたれた事ないのに!」は、今でもこのセリフ使ったりします。
嫁にぶたれた時とか…(笑)。
――そんな“ファースト愛”を込めて作るガンプラですが、ハピネスさんのプラモ制作の“強み”は何ですか?
【ハピネス工房】強みって言うほどの技術はないですね。周りの凄腕モデラーさんの作品を見て感心してばかりです。ただ、塗装にはこだわっていて、出来るだけ丁寧に作る事を心がけています。
――では、プラモを制作していてカタルシスを感じる瞬間というのは?
【ハピネス工房】完成した模型を眺めている時にカタルシスを感じますね。完成度やクオリティなんて人それぞれだと思いますが、完成品を眺めながらお酒を飲む楽しさは、多くの方が共感してくれるのではないでしょうか(笑)。
――喜びもある一方で、プラモの制作では「壁」を感じる瞬間もあるかと思います。
【ハピネス工房】もちろんあります。私の場合、“失敗に対する怖さ”がある為、思い切った事が出来ないチキンなところが壁となっています。その点はいつか突破したいです。
――今後作ってみたいキットは?
【ハピネス工房】高機動型ザクの専用機をもっと制作したいですね。やっぱりザクが好きですから。あと、ジオラマとしては劇場版『ガンダムIII めぐりあい宇宙』のラストシーンを作ってみたいです。
――最後に、ハピネスさんにとってガンプラとは。
【ハピネス工房】人生を変えてしまった作品です。実際、私は模型製作代行や模型レンタルスペースを開業するまでになりました。まさに、人生において切っても切れない関係になっています。
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