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Matt、1周回って好きに? “Matt化”現象に見る異質キャラ定着の妙

  • 2017年のMatt

    2017年のMatt

 元プロ野球選手・桑田真澄氏の次男にしてモデル・タレントのMattが、菓子『ブラックサンダー』のWEB CMに出演し、自身の“加工写真”に対する「サンダーバード(往年のSF人形劇)みたいだ」といったSNSでの揶揄を吹き飛ばす姿を披露した。視聴者の度肝を抜いたデビューからわずか2年。専売特許の写真加工も今や“Matt化”と呼ばれ、当初は拒否反応が見られた異質キャラも1周回って定着。“美”に対する強烈なこだわりから美容家のような支持を得て、どうやらMattの“粘り勝ち”の様相を呈しているようだ。
【CMカット】“サンダーバード”だ…加工を監修、WEB CMに出演した Matt

浮世離れした“二世ボンボン”で話題、当初は突き抜けた個性に拒否反応も

 Mattがバラエティ番組に進出しはじめたのは2017年。当初はやはり“桑田真澄のボンボン息子”、“二世タレントキャラ”であり、自由で浮世離れした生活っぷりに疑問の声も上がった。それと同時に、父の桑田氏とはかけ離れたルックスや、「2週間に1度のまつ毛エクステ」、「美容皮膚科通い」など「美意識高すぎキャラ」が突き抜けた個性を見せる。

 一方、『バイキング』(フジテレビ系)で坂上忍の「メイクでこうなってんの? 施してらっしゃるんですか」、「今イチどんな人か知らないし、知りたくもない」といったコメントに噛みつく一幕も。Twitterで「坂上忍っていう人は何者なの? あなたに僕のこと知ってほしいなんて一言も言ってませんけどね 僕もあなたのこと知りたくないし、興味も全くないので会いたくないです。さようなら」と反論したことがニュースに。

 後日、イベントで「小さいころから父に『好きなことに努力して突き進め』とずっと言われてきて、今もそれを忘れずにいる。確かに違和感はあるかもしれないけど、エンターテイナーとして普通ではいけないと思う」と自身の信念を披露しつつ、父からの助言で「“自分もそこに乗っかったら終わり。相手にしてはいけない”と。本当にその通り」とTwitterの反論を削除したことも告白。これには親子ともども賛否の声が上がり、良くも悪くも一躍話題の人となったのである。

メディア出演減少も“美意識高すぎキャラ”がSNSで躍進

 一瞬、最近ありがちな“炎上タレント”とも思われながらも、父・桑田氏の再現映像に出演したり、バラエティ番組でも引っ張りだこ。ところが、徐々にメディア出演を控えるようになっていく。後にMatt自身、「電池がなくなっちゃって、充電していた」と振り返っているが、その間は本業のブライダルモデルの活動のみならず、“美容オタク”の様子などを精力的にSNSにアップ。

 何より、メディア初登場時のインパクトをはるかに凌駕する塩化ビニール感あふれる写真が話題に。生身の人間とは思えない美を追求した姿に、ネット上では「アンドロイドだ」、「いやマネキンだ」、「サンダーバードだ」と騒然となった。以降、MattがSNSに写真を投稿するたびにネットニュースにアップされるまでに。そして、SNS上にしか存在しないMattに飽き足らなくなったのか、やがて「動くMattが見たい」という思いもよらぬ“Matt待望論”が巻き起こったのである。

 そして2019年5月、満を持して『ウソかホントかわからない やりすぎ都市伝説』(テレビ東京系)に出演し、地上波TVに“復帰”すると、視聴者も「本当にマネキン」、「もう芸術」などと大反響。実際、本人も『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)に出演した際、TVに出なかった半年の間に450本のまつげエクステ、ケミカルピーリング、エレクトロポレーション、ビタミン注射、白玉点滴、ヒーリングライト、ジェルネイル等々、さまざまな美容法で磨き上げたことを告白。SNSで公開している写真も「バリバリ加工してますよ」と認めつつも整形は否定し、「朝起きてから家出るまで3時間かけた“全部メイク”」であると宣言したのである。

“Matt化”が浸透、顔面変化も“美意識の賜物”に

 ここまでくると当初は拒否反応もあったものの、その美にかける徹底した執念、何を言われようと自分が美しいと思う写真をアップする情熱や芯の強さは、土壌を変えてリスペクトの対象にもなってくる。事実、2018年8月にInstagramでコメント欄が開放された際には、美容に関する質問や応援コメントが殺到し、ついには“Matt様”とまで呼ばれ、カリスマ美容家のごとくに支持されていくことに。

 さらに、Mattの“バリバリの加工写真”は、鼻筋の通った小顔加工の元祖ともなり、今では“Matt化”と呼ばれて日常的に使われるまでに浸透。SNSでは芸能人から一般人まで“Matt化”した写真が絶えず投稿されており、メディアも“Matt化”を記事にするようになった。継続は力なりとはこのことで、かつてのアンチですらある意味“バカ負け”し、「1周回って好き」といった声も頻出。桑田真澄氏の次男として鮮烈デビュー⇒TV露出を控えてSNSで話題になりつつ美容アカウントとして支持を集める⇒世間が「動くMatt」を求めたころに満を持してTV解禁⇒異質キャラの定着といった一連の流れは、Mattの思うがままに視聴者がハマッたようにも見える。

 その結果、日に日に変化するメイクや写真加工も“美意識の賜物”として受け入れられ、何を言われようと自分が美しいと思うものを追求していく姿は、“美白の女王”故・鈴木その子さんや、正体不明の姉妹から“ファビュラスな姉妹“として一般層にも愛されるようになった叶姉妹を彷彿させる。Mattがお茶の間の人気者となるかどうかは未知数だが、視聴者にとって気になる存在となったことは間違いない。

 まさに粘り勝ちと言えるキャラの定着を果たしたことで、これからは消費されることもなく性に合った仕事を選んでいくこともできるはずだ。その結果が、CM出演のように本業をブラッシュアップする新たな仕事に繋げられているのだろう。今後も他人の批判や偏見などに臆することなく、自分の道を貫き通していくに違いない。

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