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(更新: ORICON NEWS

すべてコマ撮り?430万再生”ポテチ食べるフィギュア”に反響、プロアニメーターが発信する理由

 「コマ撮りアニメーター」という職業をご存じだろうか。ミニフィギュアにいろいろなポーズをつけて、それを撮影することでアニメのように見せるのだ。人間型のミニフィギュア1体を1秒間歩かせるのに1時間ほどかかり、その後の編集でさらに2時間ほどかかるという。「世界の感動時間を増やせ!」をモットーに活動し、TwitterとTikTokを合わせて430万回再生を記録した作品もある、コマ撮りアニメーター・篠原健太さんに話をうかがった。

コマ撮りアニメーターとは「ロマンチックに言うと、命を吹き込む仕事です」

――コマ撮りアニメーターとはどのようなお仕事ですか?
篠原さん映像表現において、対象物に動きをつける仕事です。たとえば、人形にポーズをつけて写真を撮り、少し動かしてまた撮り…を繰り返し、その画像を連続再生させて人形が自ら動いているように見せることです。特撮技術のひとつですが、ロマンチックに言うと命を吹き込む仕事です。

――ミニフィギュアを使ってコマ撮りを撮ろうと思ったきっかけは何ですか?
篠原さん僕はコマ撮りが好きなので、その“好き”をたくさんの人とシェアしようと思いました。何をコマ撮りしようかと考えているときに、Twitterで偶然「オモ写」を楽しむ人たちに出会ったのです。彼らは“好き”で溢れていて、とても楽しそうでした。いいなあと思って、僕も得意なコマ撮りで「動くオモ写」をやってみたのがきっかけです。

 「オモ写」とは、フィギュアなどの“オモチャ”を日常の風景と組み合わせて面白おかしく、またはほのぼのとしたシーンを表現した写真のことで、Twitterなどで人気を博している。それをさらに“動画”にしたものが「コマ撮りアニメ」と言える。いわばNHK Eテレで放送されていた『ひつじのショーン』のようなストップモーション・アニメーションをフィギュアで再現したもので、今、SNSに投稿して楽しむ人が増えているのだ。

――プロのアニメーターとして活躍しながら、コマ撮りを発信する理由は何ですか?
篠原さんひとつは、コマ撮りの魅力を伝えて業界全体を盛り上げたいのと、もうひとつは、発信を通してたくさんの人とつながって、みんなと成長しながら作品を作っていきたいと思ったからです。

――プロのアニメーターだからこそ、コマ撮りに活かされていることはありますか?
篠原さんフィギュアを支えるための道具(タンク)を使えることです。僕はコマ撮りスタジオを持つ会社「ドワーフ」に所属しています。そこで知った道具の存在や使い方を学べたのは大きいです。一般の人からすると、フィギュアを支える方法がやはりネックになります。タンクについては、国内だけでなく海外の方からも質問がたくさん来ます。タンクはハンドメイドの高価な道具なので、もう少し一般の人の手にも届きやすい物にしたいと考えています。ドワーフでも開発中ですが、協力していただける方がいましたら募集中です!

渾身のコマ撮り動画「1秒の動画を作るのに1時間、編集に2時間ほどかかる」

――今までで一番、反響の大きかった作品は何ですか?
篠原さん『仮面ライダーウィザードがポテトチップスを食べている』作品です。TwitterとTikTokを合わせて430万回以上再生されています。さらに『仮面ライダーウィザード』に出演している女優さんやカルビー公式アカウントもリツイートしてくれました。

――ご自身のお気に入りの作品を教えてください。
篠原さん全部です!が、『リュウvsレッドブル』はアクションが上手くアニメートできたので好きです。こちらは、レッドブルesports公式やカプコンのストリートファイター統括プロデューサーの方がリツイートしてくれました。
 先述のように、篠原さんによればコマ撮り作品は1秒の動画を作るのに1時間、編集に2時間ほどかかるという。窓のある部屋で撮影をしていて、遮光してないので光の影響で映像がチカチカとフリッカー(ちらつき)するなど、日が沈んでいる間しか撮影できないという苦労もあるが、基本的には好きなことをしているので“苦労”とは思わないのだとか。

――躍動感のある“関節の動き”や“スキップの動き”はどのように表現しているのでしょうか?
篠原さんフィギュアの関節がよくできていて、柔らかく動かせるので躍動感が出せます。フィギュアを作った人たちのおかげです。テクニック的には、コマ割りの繊細さと大胆さを上手く使い分けて表現しています。

――動画の背景は重要な要素だと思いますが、撮影場所の選び方を教えてください。
篠原さん僕はアニメート(動かし)に重点をおいているので、場所は特にこだわっていません。自宅の空いたスペースで撮影しています。ただ、背景に写すのは日常にある物にしています。フィギュアとのサイズ比較になって面白いからです。

TikTokとの高相性 「短い尺で起承転結がある」という特撮要素が若者にもヒット

――「オモ写」についてどのように考えていますか?
篠原さん大人になっても人形で遊ぶのって楽しいなと思いました。もしかすると、人間の本能に関係しているのかもしれません。人類の歴史を見ても、土偶とか作っていましたからね。コマ撮りも、もっと広まって文化になればいいなと思います。

――TwitterとTikTokでは、反応の違いはありますか?
篠原さんTikTokは、とりあえずやってみようという感じではじめました。僕の作品の「短い尺で起承転結がある」という要素がTikTokに合っているようで、Twitterより勢いよく広がっている気がします。

 TicTokとは15秒間のリップシンク(口パク)動画を投稿したり閲覧することを楽しむSNSであり、今や全世界で10代を中心に爆発的にユーザー数を伸ばしている。
――noteでも発信されていますが、どういう工夫がありますか?
篠原さんコマ撮りのメイキングを発信したいと思ったとき、とりあえず文章で書いてみようと思いました。noteを選んだ理由は、中島聡さんの書籍『結局、人生はアウトプットで決まる』でおすすめされていたからです。伝え方で工夫していることは、とにかくわかりやすく書くことです。具体的には、熟語を使いすぎないようにしています。僕自身、漢字が多いと読みづらくなるので。今後は、もっとわかりやすくするために動画の情報発信もやってみたいと考えています。

――「コマ撮り」において今後、挑戦してみたいことはありますか?
篠原さん「オリジナルの作品作り」と「教育」を同時に進められる体制を作りたいと考えています。有料のオンラインコミュニティーを作って、限定的に作品制作の過程を発信したり、コミュニケーションを取りながら、みんなで物語を作っていけたら素敵だと思います。やりたいですね!

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