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「いつまでサービス残業?」元会社員が描く“ニワトリ社員”の社畜あるある漫画に共感

 ブラック企業に勤めながら言いたいことを言えない会社員ニワトリと、冷静に正論をぶつけてくるヒヨコのやりとりが大きな共感を呼んでいる『毎日でぶどり』シリーズ(@everyday_debudori)。社畜ネタ以外にも、日常あるあるネタが毎日更新されるインスタのフォロワー数は開始1年で15万を突破し、「ヤバイほど共感」「スカッとした」「ヒヨさんの発言力が欲しい(笑)」などのコメントが寄せられている。作者・橋本ナオキさんに漫画に込めた思いを聞いた。

毎日描くことを目標に、社畜ネタらしい“労力の少なさ”を求め誕生した人気キャラ

――漫画を描き始めたきっかけは何だったのでしょうか。
橋本ナオキさん遊びでは小さい頃から描いていました。前職はIT系の会社でシステムエンジニアとして勤務していましたが、昔からイラストを描くことが好きだったため、できるだけ若いうちに挑戦しようと思い退職しました。現在は、フリーランスの漫画家とイラストレーターとして活動しています。

――なぜメインキャラクターがニワトリとヒヨコなのですか。
橋本ナオキさんニワトリは、白色の面積が多いキャラクターは色塗りが楽だという理由です(笑)他にも恐竜やクマなどのキャラクターがいたのですが、でぶどりが一番描くのがラクだったので選びました。毎日描くことを続けようと思っていたので、とにかく労力が少ないのは魅力です。最初は1コマの掛け合い漫画を描きたかったのでニワトリの相方はヒヨコだろうと安直に考えてニワトリとヒヨコのコンビになりました。

会社員勤めの経験があるからこそ描ける、“社畜ネタ”で考えるきっかけを与えたい

 社畜ネタは『会社員でぶどり』のタイトルで3月に書籍化されるとすぐに重版が決まり、「探しているけどなかなか見つからない」という声も届いた。
――その可愛らしい見た目と裏腹に、シビアな社畜ネタは反響が大きいようですね。
橋本ナオキさん社畜ネタは、自分が会社員だったときの経験が活かせると思い、始めました。当時は働き方に疑問を持ち、昼休みや通勤時間など、少しでも空いている時間は働き方系の本を山ほど読んで、価値観を変えていきました。

――ご自身の経験をふまえたエピソードも多いのでしょうか。
橋本ナオキさん勤めていた企業では、“当たり前になっているけどなんでだろう?”と思うことが少なからずあったので、そういった経験は多少踏まえています。たとえば残業が多いことが評価につながっていたり、会議が多かったりといったことです。ですが、決して漫画内で描写しているようなブラック企業ではありませんでした。
――橋本さんの疑問から生まれた漫画が、読者に新たな気づきを与えてくれるのかもしれませんね。
橋本ナオキさん作中の大事なエピソードのひとつに、「本当の働き方改革は自分でするものなのかもしれませんね」というセリフがあります。働き方改革が叫ばれるようになって残業が制限されても根本ではあまり改善していないような気がするので、やはり個人で働き方や環境を変える決意をすることが一番効果があると思っています。もちろん漫画で言っていることが万人に受け入れられる正解だとは思っていませんが、何かを考えるきっかけのひとつになってもらえれば嬉しいです。

――これまででうれしかった反響を教えてください。
橋本ナオキさん「家族や友達に広めたらみんな好きになってくれました」というような反響は嬉しいです。僕自身が、本当に面白いと思ったものは他人に教えたくなるからです。他には、「作中のセリフに背中を押されて異動願を出しました」というように、行動するきっかけになれたときは嬉しかったです。

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