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アイドルすぎるトイプー描くマンガ作者に聞く“愛犬を通して見える、人との関わり”

  • (画像提供:道雪葵さん)

    (画像提供:道雪葵さん)

 かわいいトイプードルと飼い主の日常を描いた漫画『うちのトイプーがアイドルすぎる』が人気を集めている。漫画に登場する「私」こと作者の道雪葵さんは、子どもの頃から大の動物嫌い。動物が苦手な人にとって、自宅で犬を飼い、仲良くなることは至難の業のように思えるが、どのように今の関係性を築いてきたのか、道雪さんに話を聞いた。

“どうして吠えるのか?”理由が分かったことで犬への苦手意識が薄れた

 13年前のある日、道雪さんの家族が連れ帰ってきた1匹のトイプードル“クーさん”。自宅で飼うこととなったが、最初は敵意をむき出しにするクーさんとなかなか仲良くなることができないでいた。道雪さんはクーさんとの日常を過ごすことで、“動物の心も人間と一緒だ”と気づき、年月をかけて少しずつ信頼関係を築いていったという。

――ご自身が飼っている犬をテーマにして漫画を描こうと思ったきっかけは?
道雪葵きっかけは、喫茶店で仕事のネームをしていたときに休憩で描いた漫画です。動物嫌いが犬を飼ってみてわかったことを簡単に伝えた漫画だったのですが、Twitterにアップしたところ思いのほか反響が大きく、出版社から連載の提案が来ました。世の中は猫ブームですが、「犬も負けず魅力的だぞ」と伝えたいと思いました。

――犬が嫌いだったそうですが、何かトラウマやきっかけがあったのですか?
道雪葵幼少期に犬に噛まれたり追いかけられたりしたことが苦手意識につながっていたと思います。今では自分が怯えていたことが犬に嫌われた原因だとわかるのですが、当時はとにかく「言葉が通じない、牙のある動物」というイメージでした。

――トイプードルのクーさんがお家に来た当初の印象は?
道雪葵小さいけど、ずっと威嚇して吠えていました。本で調べたり、人から聞いた犬の落ち着かせ方を実践したりしてもなかなか鳴きやまなくて、「これはもう一生懐かないんじゃないか」と思いました。

――“犬への苦手意識”をどう克服していったのですか?
道雪葵当時は大学の心理学で動物の条件反射について学んでいて、犬好きの先生からしつけについて相談に乗っていただいて。それで考え方が変わりました。どうして吠えるのか、理由がわかるようになると、クーさんの気持ちが分かるようになり、だんだん苦手意識が薄れていきました。最終的には「家に来てくれた子の世話は責任をもって見よう」と仲良くなる覚悟を決めました。

「この家に来られて良かったと思えるよう、最期まで一緒に生きたい」

――SNSにはどんなものを投稿するようにしていますか?
道雪葵私にとってSNSは自分の好きなものを好きに語る自由帳のイメージ。気負わず何でも描いています。ただ「ネガティブなことはなるべく語らない」というルールだけを決めて投稿しています。

――SNSでは多くの反響があったと思いますが、印象に残っている読者の声は?
道雪葵Twitterで感想をいただきますが、読者はトイプードルを飼っている方が非常に多いなと思いました。他にも愛犬を亡くされた方から「読んで励まされました」とか、「猫派だけど考えが変わりました」といったメッセージをいただき、描いて良かったなと思います。

――すでにシニアの域に入ってきたクーさんですが、飼い主として「最期まで面倒を見る」ことにも向き合われているのではと思います。
道雪葵トイプードルの平均寿命は14歳ですが、すでにクーさんは13歳になりました。19歳まで生きたという同じ犬種の子もいますが、私たちより早いスピードで生きている彼らとは、いつかはお別れが来るのだと覚悟しています。犬にとってどんな生き方が正解なのか、彼らは語れないのでわかりませんが、「この家族のいる家に来られて良かった」と思えるように最後まで健康に気遣い、一緒に生きていきたいです。

――道雪さんにとって、クーさんはどのような存在ですか?
道雪葵私も人間という動物なので、動物同士で共存しているイメージです。便宜上、ペットや飼い主という言葉は使いますが、家族だと思っています。

――『うちのトイプーがアイドルすぎる。』を今後どのような作品にしていきたいですか?
道雪葵これから先も、たくさんの人に読んでもらえる作品になれればいいなと思っています。
(文:高橋七重  画像提供:道雪葵さん)
PROFILE/道雪葵
Twitter:@michiyukiaporo(外部サイト)
Pixivコミックにて、『うちのトイプーがアイドルすぎる。』(外部サイト)を連載中。単行本の第一巻はKADOKAWAより発売中。

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