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(更新: ORICON NEWS

ニーズ増す“離島出身”タレント、染まってない“ガラパゴス感”が好材料に

  • バラエティやコミカルな演技で話題の女優・川口春奈(C)ORICON NewS inc.

    バラエティやコミカルな演技で話題の女優・川口春奈(C)ORICON NewS inc.

 “かわいすぎるジュノンボーイ”として、『週刊プレイボーイ』(集英社)のグラビアを飾るなどメディアでひっぱりだこの井手上漠(いでがみ・ばく)。ジェンダーレス男子としても話題の彼は、島根県の隠岐諸島出身。彼のほか、女優では川口春奈や、バラエティ番組でブレイク中の田中美佐子、そして芸人でも千鳥・大悟など、“離島出身”をひとつの“ウリ”とするタレントが目立っている。『ポツンと一軒家』(テレビ朝日系)が高視聴率を記録するなど、視聴者も地方(田舎)へ関心を寄せる中、その究極形とも言える“離島出身”は芸能界でどのような強みになるのだろうか。

都会に染まっていない“ダイヤモンドの原石”感 SNSを武器に自身を発信

 井手上漠のブレイクのきっかけは、「第31回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」のDDセルフプロデュース賞を受賞したこと。そのルックスは美少年というより“超美少女”系と言ったほうがいいかもしれない。芸能界ではいわゆる“おネエ”以外、美少女に見える男性という“枠”もあるが、井手上はルックスのみならず、バラエティ番組で島の生活を披露したり、ほんわかとしたどこか浮世離れした雰囲気を漂わせたりしている。独特の空気感で好感度を上げ、その人気は中国や台湾にも及んでいる。

 また井手上同様、中高生から人気のアーティスト・みやかわくんは、東京から南に約160km離れた式根島の出身。Twitterで93万フォロワーを持つ彼は、学生時代から仲間と動画投稿を続けながら話題を集めていた。YouTuber、アーティスト、シンガーとボーダレスな活動を続けるが、井手上同様ルックスの魅力に加え“離島出身”という冠が付き、都会風でありながら素朴な面を持つ“いい人”感も醸し出している。

 視聴者にとってはふたりともダイヤモンドの原石を見つけたようなワクワク感があり、彼らにしても住む場所に関係なく、SNSを活かして自由に自己発信しているところがイマドキだ。住んでいる場所は今やブレイクには関係ないのかもしれない。

本業は女優、“離島出身”を生かしてバラエティにも進出

 また、川口春奈と田中美佐子の“女優”組も、離島出身をきっかけにバラエティ番組で露出を増やしている。長崎県五島列島の福江島出身である川口春奈は、都会の雰囲気漂う清楚系美女優としてCMやドラマで活躍しているが、昨年末の『絶対に笑ってはいけないトレジャーハンター24時!』(日本テレビ系)ではイメージとは真逆のスケバン姿を披露。ダウンタウン・浜田雅功には「うるせえチビ!」と浴びせ、松本人志を「うるせえプロテイン!」と恫喝し、視聴者の度肝を抜いた。

 一方、趣味は魚釣りで、最高300匹を釣り上げたという驚きのエピソードや、天然っぽいトークを展開など、いい意味で「何を考えているかわからない」感を漂わせながら、都会や芸能界になじんでいない無垢な印象を視聴者に与えている。

 田中美佐子も島根県隠岐郡・西ノ島町出身で、バラエティでもときどき故郷の話をしている。田中も海釣りが趣味で、『有吉ゼミ』(日本テレビ系)では「そうだ、漁師になろう」という企画を持ち、『釣りびと万歳』(NHK BSプレミアム)でもナレーターを務めるなど仕事に結びつけている。島育ちゆえなのか、男まさりの性格が年齢を重ねた今になってバラエティ番組でうまく発揮され、トレンディ女優時代にはなかった魅力を得ているようだ。

 川口にしろ田中にしろ「島出身」であることが奏功し、女優プラスαが引き出された結果、活動の場を広げている例と言っていいだろう。

ロンブー淳、千鳥・大悟ら人気芸人も 方言やド田舎感を強みに

 そして、今お笑い界の「島出身」代表をあげるならば、千鳥の大悟だろう。“関西弁”で括られてしまう関西芸人の中で、ちょっと恐い?響きの「岡山弁」漫才でブレイクした千鳥。中でも大悟は、岡山県北木島出身で「信号ない」「コンビニない」「バスやタクシーもない」といった、田舎エピソードをバラエティ番組で多数披露し、視聴者に驚きと笑いを与えている。

 家が貧しく自給自足の生活だったことも芸人・大吾のたくましさを養った要素なのか、島出身であることをあえてアピールすることで、東京進出に失敗してくすぶっていたとう千鳥をブレイクさせたのである。

 また、ロンドンブーツ1号2号の・田村淳も、山口県下関市の彦島出身。今でも下関についてツイートすることがあり、淳がボーカルを務めるビジュアル系バンド・jealkbでも、サッカーJ2のレノファ山口のためにオリジナル応援歌を作るなど、郷土愛にあふれた活動をしている。

 芸人にとって“島出身”は、方言や地元情報などお笑いのネタにもなるし、幼少時代の面白いエピソードや帰郷密着など企画としても広がっていく可能性が大きく、一つの武器になる。

 『アメトーーク!』(テレビ朝日系)、『秘密のケンミンSHOW』、『踊る!さんま御殿!!』(ともに日本テレビ系)など、芸能人たちをひとつの“括り”の中で登場させるバラエティ番組が多い今、“離島出身”も立派な括り。本業でのイメージとは別に、島出身・離島出身というプロフィールが付加価値として働き、視聴者にとっても意外性や独特な雰囲気がさらなる魅力として響いているのではないだろうか。

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