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(更新: ORICON NEWS

人気ミニチュアパン作家が明かす共感を呼ぶ理由、精巧さよりも「こんなの食べたい」を表現

 ドールハウスをはじめ、大人のコレクターズアイテムとしても人気のミニチュア。近年では、各地で教室も開かれ、コレクターだけでなく作り手も広がりをみせている。そこで今回、本物のパンの材料で作るミニチュアパン作家・Rye(ライ/旧活動名petit- reve(eは上に^)・プチ レーブ)さんにインタビューを実施。「まるで本物なのに食べられないパン」として数々のメディアで紹介された人気作家に、制作のこだわりを聞いた。

パンの種類ごとに“菌”の量を調整することで「おいしそう」を実現

――“レブパン”と言えば「オンラインショップに登場すると即完売」と言われるほど、ファンの間では有名でしたが、今年から改名されたんですね!

【Rye】 実は、ずっとreve(レーヴ)でいたかったのですが、海外用にウェブサイトを作ろうとしたら、ウェブサイトのURLに「^」付きの「e」が載らないことがわかり…。そこで思い切って改名することにしました。長い間お休みしていたのもあって、改名に少し不安もありますが、皆さんよろしくお願いします(笑)。

――そんなRyeさんの“ミニチュアパン”の最大の特徴は、本物のパンの材料で作られていることですが…。

【Rye】 パン生地は本物と同じですが、焼き方に秘密があるんです。生地に水分が残っていると腐りやすいので、完全に乾燥させるのがベストです。低温で長時間焼き、カラカラになった状態を加工剤で封じ込めています。

――それで腐食しないんですね!

【Rye】 プラスチックのように永久的な強度はありませんが、基本的な加工はしっかりしているので、ニスやマニキュアなどで定期的に補強すると、より長く楽しめます。ちなみに、ハンバーガーやオープンサンドなどの具材は樹脂粘土です。
――本物のパンの材料でミニチュアを作ろうと思ったきっかけは?

【Rye】 大学卒業後OLになり、趣味でパンを焼いていたんですが、たまたまネットで“パンでできたマグネット”を見つけ、「ちょっと小さくやってみよう!」と始めたらハマりました(笑)。

――もともとパン作りがお好きだったんですね。

【Rye】 学生の頃、パン作りの上手な姉が憧れで、姉が実家に残したテキストを参考に、パンの勉強をしていたんです。でも結局、パン屋さんになりたいという夢を追わずOLになって。

―― “ミニチュアパン”作りで重要なのはどんな点ですか?

【Rye】 パンの魅力はなんといっても、ふっくら膨らんで香ばしい焼き色が付いていること。これは材料の“菌”の働きが重要で、入っていないと粘土細工のように平面的な感じになり、重く仕上がってしまいます。なので、パンの種類ごとに“菌”の微妙な調整をして、ベストな配合を決めています。

「作品も成長しますが、作家も一緒に成長していく」

――これまでの作品で最も反響があったのはどんな作品ですか?

【Rye】 パンケーキや山食などシンプルなシリーズと、具が鮮やかなハンバーガーやサンド、またこんなの実際ないけど“あったらいいな”シリーズは毎回反響が大きいですね。私の作品はどれもちょっとオーバーに作られているのがいいのかもしれません。

――オーバーというと?

【Rye】 インパクトを大事にしているというか、「こんなのあったらいいな」「こんなの食べたい」を形にしています。なので、普通だったらありえないサイズバランス、「食べにくいけど見栄えはサイコー!」といったようなものが自然と出来上がるんです。それぐらい、私の頭の中は食欲まみれなんでしょうね(笑)。

――そうなんですね(笑)。ご自身のお気に入りはどんな作品ですか?

【Rye】 これまで力を入れて来たのは山食でしたが、最近、ちょっとお休みしたら、どれも愛しい作品になりました。それだけ自分に自信が持てるようになったのだと思います。昔は自信がなく、新しいものが出来ると前のものはごっそり捨てていたんです。作品も成長しますが、作家も一緒に成長していくんですね。

「本物とは別ものだけど、魅力に感じるものを作っている」

――精巧なミニチュア作りに欠かせないのはどんなことでしょうか?

【Rye】 作りたいものを実際に自分の目で見て、どうなっているのかを確認し、創り上げていくことが精巧なミニチュアになる秘訣かと思います。でも、実のところ…私の作品は12分の1スケールのミニチュア作家さんやサンプル屋さんに比べて、全く本物に似つかないレベルの出来だと思っています。自分にはそこまでの器用さがないので、本物とは別ものだけど、魅力に感じるものを作っているつもりです。

――本物のように美味しそうですが…

【Rye】 ありがとうございます(笑)。でも、例えていうなら、私の作品はヘンゼルとグレーテルに出てくる「お菓子の家」なんだと思います。みんながイメージするお菓子の家は、屋根は何で出来て、窓はどんな大きさで、色は何か…というのは、ぼんやり浮かぶ程度ではっきりした事はわからないですよね? 私の作品は、そんな、それぞれが「こうであってほしい」と思う憧れのイメージを形にしているので、それが共感につながっているんだと思います。

――今後の活動予定を教えてください。

【Rye】 5月下旬に北海道江別市で3日間だけのイベントに参加します。選りすぐりの大人気の作家さんの作品が全国各地から集まるとても貴重なイベントです。ぜひいらしてください。
INFORMATION
◆Instagram @rye731 
◆Twitter @verdure2017 
◆HP https://bluerye.co/
◆購入はコチラ https://minne.com/petit-reve
◆期間限定ハンドメイドイベント『BY HAND (バイ ハンド)』
2019年5月24日~5月26日
北海道・江別蔦屋書店
>>@ by.hand.hokkaido 

PROFILE
Rye(ライ) petit-reve(プチレーブ)として活動後、2019年よりRyeとして再スタート。本物のパン材料でできているミニチュアパンでアクセサリーや雑貨を制作。オンラインショップでの販売、イベント出典、オーダーメイド販売を行う。最近はパン雑貨のほか、ミニチュアパンの写真パネルなども海外から注目を集めている。

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