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“ファンタジーの巨匠”天野喜孝、世界観を形成した当時を振り返る 「FFはある意味“伝統芸能”」

 日本が誇るアーティストである、秋本治氏、天野喜孝氏、大河原邦男氏、高田明美氏が、マンガのネーム、アニメの絵コンテなど、さまざまな“ラフ絵”にスポットをあて、作品が生まれる瞬間に迫る展覧会「ラフ∞絵(ラフむげんえ)」を4月2日から16日まで東京都千代田区の3331 Arts Chiyodaで開催する。それぞれ独立前はタツノコプロで共に机を並べた仲間であるという、まるで“同窓会”のような展覧会だ。今回ORICON NEWSでは、代表作にゲーム『FINAL FANTASY』シリーズのイメージイラストやキャラクターデザインを持ち、独立前はタツノコプロでアニメーションのキャラクターデザインを手掛けていたことでも知られているイラストレーター・天野喜孝氏に、展覧会の制作秘話、“天野節”とも言える幻想的な世界観の誕生や、ファイナルファンタジーに携わることへの思いなどを聞いた。

展覧会では『ガンダム』も描いた!「歌手でいう“カバー曲“のような感覚」

――旧知の仲である4人での共同個展ということですが、制作中に楽しかったことやハプニングなど、エピソードなどがあったら教えてください。

天野喜孝「特にハプニングはなかったですよ(笑)。それぞれがほかの3人の代表作品を描くという試みは楽しかったですね。もちろん作品は知ってはいたのですけど、堂々と書くことは初めてでしたし、新鮮でした。なるべく自分を出さないようにしようと思ったんですけど……」

――ご自分を出さないようにするということは、暗黙のルールだったのですか?

天野喜孝「いやそれはないと思います。相手の作品をリスペクトするということですね。まあでも出さないようにしようと思っても出ちゃうんでしょうけどね(笑)。またそれも、望まれていることなのでしょうけれどね」

――個展では「描いてみたかった」作品として、『機動戦士ガンダム』と『魔法の天使 クリィミーマミ』を描いたそうですね。

天野喜孝「おふたりの代表作ですよね。もちろん知ってはいるんですが、描いたことがなかったので、写真を見ながら描いたんです。練習も何もなく、いきなりキャンバスに描きました。そういう意味では、責任がなくて楽しかったです(笑)」

――何を見ながら描いたのですか?

天野喜孝「インターネットで検索して、それを見ながら(笑)。忠実に描くつもりではいるんですけれども、あんまり克明になりすぎても、今回のコンセプトとは変わってきちゃうので、全体の印象だけをもらって、細かいところは気にしないで描いた気がします」

――実際、描いてみていかがでしたか?

天野喜孝「あのガンダムを描けるということは、とても名誉なことですよね。ガンダムという巨大なロボットで、ちょっとやってみたかったことがあったんです。ゴヤの『巨人』という作品のような雰囲気をガンダムでやってみたらどうなるかなと。巨人が街の向こうにいる、というようなシチュエーションを油絵の古典的な手法で表現しました」
――もうひとつは『魔法の天使 クリィミーマミ』でした。

天野喜孝「これも初めて描いたものです。僕はFF(ファイナルファンタジー)のイラストを描いているので、マミをFF風に描いたらおもしろい作品になるんじゃないかなと思って」

――豪華コラボですね!

天野喜孝「コラボというか、曲でいうカバーのようなイメージでした。好きな曲を自分なりの表現で歌う。歌い手の個性と、本家の作品やキャラクターへのリスペクトが交じり合った作品になったんじゃないかと思います」

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