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(更新: ORICON NEWS

本物そっくりのこぼれたコーヒーでドッキリ? ユニークなSNS発信で人気の“面白食品サンプル”

 創業87年の歴史を持つ食品サンプルメーカー「いわさき」。思わず食べたくなってしまう本物そっくりのクオリティーは、日本屈指の技術として外国人にも人気だ。近年はSNSを駆使してユーモアたっぷりに商品を紹介しており、製作員の思いつきで商品化された『味噌汁スマホスタンド』が話題に。長きに渡り技術を受け継いで作り続けている老舗メーカーの想いを聞いた。

リアルすぎて本物と見分けがつかない 面白グッズとしてもSNSで注目

 2016年10月より公式Twitterを開始した「いわさき」。季節やイベントに合わせてほぼ毎日更新し、リアルな食品サンプルを使ったユーモアたっぷりの投稿がウケている。
「2017年の食博に出展、販売した食品サンプルや、自社で製作したカレンダーに使用した作品を見の周りに置いてみて“普通はこんなことないやろ!”というサンプル屋ならではの写真を投稿しています」(担当者)

 ちくわの穴に鉛筆をさすペンスタンドや、おいしそうなウナギの蒲焼をネクタイに見立てたりと、遊び心満載な投稿は見ているだけで飽きない楽しさ。中でも大きな話題になったのが、『味噌汁スマホスタンド』。お椀と、こぼれた味噌汁の間にスマホを挟むという斬新な商品なのだが、サンプルを使いプリンターの上に味噌汁がこぼれた画像を投稿したところ、「リアル!」、「おもしろすぎ」と大反響。連日完売の人気商品となった。

「ある製作員の思いつきで作られたものでしたが、みるみるうちに18,000リツイートされて話題になりました。一時は製作が追い付かない人気商品になりました」(担当者)

 同じくTwitterの投稿がきっかけで話題になったのが『あっ!!こぼれたコーヒー』。コーヒーの空き缶を添えて人を驚かせるいたずら商品で、そのリアルさに社内でもだまされる人が続出。人気YouTuberのはじめしゃちょーもこの商品を使って友だちへのドッキリ動画を作成。見事に成功し楽しむ様子からも、いかに本物そっくりの商品なのかを伺うことができる。

 高いクオリティーの裏には、長年食品サンプルを作り続けてきた「いわさき」ならではのこだわりが。「本物を見たときに、何を見て“おいしい”と感じるのかを理解し、それをほどよく強調、デフォルメして製作しています。たとえばイチゴやトマトはサンプルケースに並んだときによりおいしそうに見えるように実際より赤く、バナナは黄色いだけでは固そう見えるので、所々に黒く熟した個所を入れることで甘さを表現しています」(担当者)

身近になった「食品サンプル」 海外に誇る日本文化として発展

 同社が創業したのは1932年。創始者の岩崎瀧三氏は、日本で初めて食品サンプルの事業化に成功した人物だ。サンプル第1号はオムレツで、妻の作ったオムレツがモデルとなったそう。その後、飲食店などのショーケースに置くサンプルとして定着。今ではレストランでメニューを選ぶ際の重要な視覚要素としての役割を果たしている。

 もともとは飲食店用として製作された食品サンプルだが、近年はさらに身近な存在に。本物そっくりのストラップやキーホルダー、マグネットなどが幅広い層から人気を集めている。特にスイーツ系の雑貨は女性を中心に人気を誇る他、食品サンプル作りを体験できる講座なども、親子で楽しめるイベントとして注目を集めている。その魅力にハマり、自分で作ってみる人も増加。ハンドメイド系サイトにも商品は多く、インスタグラムで「#食品サンプル」と検索すると、10万件ほどの投稿が見られるほどの人気アイテムとなっている。
 キーホルダーやマグネットなど手軽に購入できる食品サンプルのアイテムは、外国人観光客にも人気。「寿司」や「天ぷら」などの日本ならではの食品はお土産にも重宝され、その本物そっくりの精巧な作りは「芸術」として評価されている。同社の商品も、お土産として購入されることもあるそうだ。職人が作り出すそのクオリティーの高さは、日本が誇る文化にまで成長したと言えるだろう。

食品サンプルは食欲を煽る最強ツール「世界中の人に日本の料理を知ってほしい」

 基本的に、得意先からの発注を元に食品サンプルを製作している「いわさき」では、日本にあるありとあらゆる料理を作ってきた。
「基本はオーダーメイドなので、日本に入ってきている料理の大半は作ったことがあると思います。めずらしい海外の料理など初めてのものでも、発注いただければしっかりと食品サンプルを製作することは可能です。そういった新しい料理の食品サンプルもぜひ作ってみたいですね」(担当者)

 人々の食欲を喚起するだけでなく、料理を知るツールとしても食品サンプルの果たす役割は大きい。
「食品サンプルは見た方に“おいしそう!”“食べたい!”と思って頂ける最強のツールだと思っています。サンプルを活用するとしていろいろな方に様々な料理を知って食べてもらい、みなさんが幸せになれるような食文化を作る一助になりたいと思っています」(担当者)

 今後、オリンピックや万博で海外からの観光客は激増することになるだろう。見た目からダイレクトに料理を伝えられる食品サンプルは、ユニバーサルデザインの一面も併せ持つ。老舗「いわさき」が作り出す確かな技術は、世界中の人に日本の食文化を伝える大きな役割を担っていくはずだ。

(文・辻内史佳)
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