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【Fate主要キャストインタビュー】劇場版[Heaven's Feel]の持つルートの奥深さとは?

人気アニメ『Fate/stay night』シリーズの劇場版『Fate/stay night [Heaven's Feel]』三部作の第二章「lost butterfly」が1月12日に公開された。そこで、映画公開を記念し主要キャストたちへのインタビューを実施。今回は衛宮史郎役の杉山紀彰と、セイバー役の川澄綾子に、日本を代表するビッグコンテンツとなった『Fate』シリーズの“奥深さ”と“魅力”について話を聞いた。

セイバーは“闇堕ち”ではなく、目的に至る手段が変わっただけ(川澄綾子)

――12日から公開された劇場版について、演じられているキャラの印象を教えてください。
杉山紀彰僕的には、セイバーが士郎のサーヴァントではなくなってしまう部分が大きいですね。当然、今までのルートと違って、セイバーとの“関係性”が大きく変わっていくところがとても印象的です。ネタバレになっちゃうので、抽象的ですみません(笑)。
  • 劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』第二章の第一週目来場者特典のイラストボード 原画・仕上げ:武内崇 彩色:蒼月タカオ(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

    劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』第二章の第一週目来場者特典のイラストボード 原画・仕上げ:武内崇 彩色:蒼月タカオ(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

  • 劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』第二章キービジュアル(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

    劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』第二章キービジュアル(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

川澄綾子第一章では、自身のマスターである士郎だけではなく、その士郎の大切な人である桜に対するセイバーの感情が印象的でした。第一章のラストでセイバーは士郎のサーヴァントではなくなってしまいます。そのセイバーが、第二章でどう関わってくるか。皆さんとても気になっているところだと思います。

――では、そのセイバーについて、オルタとの演じ分けはどう意識されていますか?
川澄綾子オルタという名前の表記に変わりましたが、セイバーと違うキャラクターと捉えてはいないんです。『FGO』をプレイされている方はセイバーオルタというキャラクターに馴染みがあると思いますが、劇場版『Fate』のオルタとは、キャラクターとしての成り立ちも違いますし。ですので演じ分け、という意識はあまりないんです。

――名前は同じ「オルタ」でも、キャラのバックボーンがそれぞれ全然違うと。
川澄綾子[Heaven's Fell]のオルタは、セイバーの一側面だと思っています。須藤監督と以前お話しした際に、「あくまでセイバーである」っていう話をして下さったんですね。収録前に方向性の確認が出来たのは、本当に良かったと思っています。“闇堕ち”と見えてしまうかもしれませんが、そうではないんです。姿は変わっても、今後悪いことをするわけではないですし、目的に至る手段が変わっただけだと思っています。

――あくまでセイバーであるというベースは外さない?
川澄綾子セイバーが持つ歪んだ願いが黒い影に囚われ変容した存在だと捉えています。

――『Fate/Zero』の時と『stay night』では願いが変わってしまった?
川澄綾子セイバーの聖杯にかける願いは、『Fate/Zero』の時の国を救いたい、というものから『stay night』での王の選定をやり直したい、というものに変わります。王としての自分の存在自体を否定する。そのセイバーの歪んだ願い、聖杯かける妄執とも言える思いが、黒い影に囚われセイバーオルタに変容にした要因なのではと解釈しています。あくまでセイバーとして演じているので、声を低くしたりという様なアプローチではなく、内面の変化を表現することに重きを置いてキャラクターを作りました。

『Fate』のファン層が広がったターニングポイントは『Fate/Zero』(杉山紀彰)

  • 劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』第二章の予告映像の場面カット(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

    劇場版『Fate/stay night [Heaven’s Feel]』第二章の予告映像の場面カット(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

  • 下屋則子が演じる本作のヒロイン・間桐桜(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

    下屋則子が演じる本作のヒロイン・間桐桜(C)TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

――『Fate』シリーズとして15年、キャラに声があてられるようになってから12年になります。日本のコンテンツにおける、メディアミックスの成功例のひとつと言えると思います。
杉山紀彰『Fate』という魅力的な作品で、衛宮士郎という役をやらせていただけていることはとても光栄に思っています。でも、作品内における士郎は「俺が俺が」ってキャラではないし、正義の味方は目指してるけど、自分自身を特別な人間だと思っているわけではないんですよね。僕も士郎を演じるにあたっては、何か特別な意識を持った“特別な役”をやってるっていう気持ちではなく、あくまで自然体であるとこを意識しています。

川澄綾子この12年間で、セイバーという役を知っている方はとても増えたと思います。アニメを見たり、ゲームをプレイしてなくても、セイバーのビジュアルは見たことがある。台詞を聞いたことがある。その様なキャラクターに育ったのかもしれないと感じています。

――ファンの裾野は相当広がっていると思います。
川澄綾子だからこそ、私がセイバー役です、と皆様の前に出て行くということの意味の大きさを、以前より感じるようになりました。

――『Fate』のファン層が広がったターニングポイントはどこだと思いますか?
川澄綾子『Fate/Zero』で、女性のファンの方が増えました。『Fate/Zero』のイベントに登壇した時の見える風景が、以前とは変わっていましたから。女性の姿が多くなり、「キャー!」という歓声を聞く機会が増えました。

杉山紀彰『Fate/Zero』はカッコイイ男や、渋いキャラが多いですよね。確かに女性ファンの熱量が高かったですね。『Fate/Zero』(4次聖杯戦争)は、『stay night』(5次聖杯戦争)の前の時間軸になりますが、4次と5次は地続きになっているので、キャラクター達の生き様のその後、みたいなものがその2つの作品を通じて見ることができます。

――『stay night』では4次の話は少ししか触れられていませんが、『Fate/Zero』を見た後では、各シーンの印象が変わってきますね。
杉山紀彰そうですね、例えば『stay night』で衛宮切嗣(※士郎の義父)が死ぬ前に、幼い士郎と縁側で話していたシーンがありますが、それだけ見ても切嗣さん死んじゃったんだ…、としか思わない。けれど、4次での切嗣の活躍や、彼が何を選択して、なぜ士郎と出会ったかを知ってから見るとでは、見え方も全然違ってくると思います。

――最後に、本映画の見どころを教えてください。
杉山紀彰昨日、劇場版『Fate/stay night [Heaven's Feel]』第二章が公開しましたが、[Heaven's Feel]の持つルートの奥深さであったり、重厚かつダークな雰囲気といったものが余すところなく顔を見せてきます。ぜひ劇場でハイクオリティな作品を見ていただきたいなと思いますね。

川澄綾子第一章は本当に気になるところで終わったと思います。変容したセイバーがどのように今後の話に関わってくるのか。士郎の自分への問いかけの答えがどう出るのかなど、第二章では色々なことが明らかになっていきます。[Heaven's Feel]の持つ圧倒的な世界を劇場で是非堪能して下さい。

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