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ORICON NEWS
「今の自分がトータルで一番好き」稲垣吾郎、40代になって気づいた自身の“熟成”
「歌を歌う=グループ」という感覚だった “若い才能”と手を組み新しいチャレンジ
稲垣吾郎まさか自分がまたソロ曲を出すとは夢にも思っていませんでした。これまでグループで歌ってきて、「歌を歌う=グループ」という感覚があったので、一人というのはどこか不安もありましたね。14年前のソロ曲は名義(『&G』という名前で発売)を変えていたんですが、今回は稲垣吾郎という名前で歌っていますし、デジタル配信でのリリースとなるので、とにかく新しいチャレンジだなと。
今回のソロ曲の作詞作曲を手掛けたのは、ゲスの極み乙女。でも活躍する川谷絵音。12日に放送された自身のラジオ番組では「やっぱり天才ですよね。川谷さんって本当にすごい」と、才能を称賛していた。
稲垣吾郎「SUZUNARI」は背伸びせず、等身大の自分として歌うことのできる歌詞だったんですが、「なんでこんなに僕のことわかってくれてるんだろうな」って。以前のグループの時にも3曲提供していただいたんですけど、曲の振り幅に驚いた記憶があります。自己表現だけじゃなく、プロデュース力や企画力にも長けている、その総合力の凄さを称して「天才」という言葉を使わせてもらいました。
また、時を同じくして発表した香取慎吾、草なぎ剛との“新しい地図 join Music”新曲「#SINGING」では、15歳の現役中学生トラックメイカー・SASUKEが作詞・作曲を担当するなど、若い才能とのコラボレーションが続く。
稲垣吾郎90年代から2000年代前半のポップスのような、安心感のある普遍的な楽曲なんですが、15歳のSASUKEくんがこの曲を作ったっていうのが本当に衝撃です。ファンの方も、痒い所に手が届くというか「これこれ〜!」と喜んでもらえるような曲になっているんじゃないかと思います。SASUKEくん本人にもお会いしたんですけど、本当に普通の可愛らしい15歳の子。才能っていうのは年齢とか、何を見てきたかとか関係ないんだなって思いましたね。いい刺激になったし、いい出会いになりました。
稲垣は、2019年に公開される映画『ばるぼら』で共演した“若い才能”にも驚かされたと言う。
稲垣吾郎特に二階堂ふみさんは、女優業だけでなくカメラマンをしていたり、セルフプロデュース能力があるように感じました。これからの時代って、女優はお芝居だけ、という感じではなく、自分で自分をプロデュースして、マルチな才能を発揮していいんだなって。そういえば大河ドラマ『西郷どん』の時に、鈴木亮平さんが二階堂さんのこと「感性の化け物」と言ってニュースになってましたよね。僕も分かる気がします。予期できない感じ、ステレオタイプではないというか……こういうこと言ってると自分が年とった人みたいに感じるけど(笑)。
30代の頃は“迷い”が…40代になって自分自身が少しだけ見えてきた
稲垣吾郎20代はデビューしてからの勢いで走って、30代の頃は迷いがあったのかな……今思えば難しい年齢だったのかなと思います。40代になって、自分がどういう人間か少し分かってきて、今の自分がトータルで一番好きかも。役者の仕事をしても感じますが、 “熟成”されてきたのかなと思います。もちろん、過去があったから今の自分があると思うので、今までやってきたことを否定するつもりは全くないですよ。
昨年はじめたTwitterやブログなど、新しい挑戦となるネットでの活動も、大きなプラス作用となっているようだ。
稲垣吾郎最初は慣れないことに不安もありましたが、いまはただ「楽しい」ですね。そうした活動をすることによって、これまで漠然と「多くのファンの方々」と思っていたのが、「一人一人のファンの方」として向き合えるようになりました。これまでアナログ寄りでやってきた……平成を駆け抜けてきたタレントなので(笑)、今後はアナログとデジタル両方のバランスをとって発信していければいいなと思っています。
最後に、活動場所が大きく増えたここ数年を「まさに激動だった」と振り返る稲垣。そんな中で一番気にかけていたのは、やはり応援してくれるファンの存在だった。
稲垣吾郎「激動」って言ったらファンの方のほうが、色々と衝撃が大きかったと思うんですけどね。自分たちで判断してやってきたことだけど、ファンの方にはなんでも事後報告になっちゃうから、申し訳なく思うことがありました。それでも賛同してくれるファンやスタッフがいるから、こうやって僕たちも活動できている。「転機」って誰にでも訪れるものだと思うし、人生のステージも変わっていくもの。今は本当に充実して楽しい時間を過ごしています。
(取材・文/中澤奈緒美 写真・飯岡拓也)
Information
『SUZUNARI』
2018年12月21日(金)配信リリース