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林遣都、チワワの次はポチ?愛され“忠犬力”といえる癒し&従順さ

  • 愛され“忠犬力”といえる癒し&従順さを発揮している林遣都 (C)oricon ME inc.

    愛され“忠犬力”といえる癒し&従順さを発揮している林遣都 (C)oricon ME inc.

 春ドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)放送時、林遣都の検索ワードに「チワワ」が表示されることが話題になったが、今期出演のドラマ『リーガルV〜元弁護士・小鳥遊翔子〜』(同系)でも林遣都は“忠犬”として描かれている。『リーガルV』を検索すると、関連ワードに「林遣都 ポチ」が上位に。二作連続で愛される“ペットキャラ”となった林遣都の魅力である愛され“忠犬力”とは?

おっさんずラブの「チワワ」、今度は米倉涼子の「ポチ」に

 林遣都の検索ワードに「チワワ」が表れるきっかけとなったのは『おっさんずラブ』の副音声。田中圭が「(林)遣都ってチワワみたいなんだよね」「この辺ほんとチワワ」などと言ったことがきっかけだった。これにドラマファンは大歓喜。SNSでも「牧春(牧演じる林と春田を演じる田中)の副音声が萌える」「愛しすぎて好き」「チワワwww」などの声が上がっていた(ついでに言うと第6話では、牧がチワワが表紙の本を読むシーンまであった)。

 そして現在、林が出演中の米倉涼子主演『リーガルV』でも、例えば第5話の“ポチ”の愛称で親しまれるヘタレ弁護士・青島圭太(林)がいつになくキリリとした表情で「僕はまだあきらめたなんて言ってません」と言い放つシーンや、米倉に顎クイされるシーンに、SNSでは「ポチ回キタ──!」など歓喜の声が。一時は“ポチ”から“クズ”に格下げが行われたものの、命名した小鳥遊(米倉)からは結局可愛がられているように見える。

 「林さんがこれだけ支持される理由として考えられるのは、主人公を支え、主人公のためにとことん尽くす姿が視聴者に響いたから」と話すのはメディア研究家の衣輪晋一氏。「だがこの地位を獲得したのは確固たる実力とたゆまぬ努力の成果であり、そして彼の人格にもその所以があります」(同氏)

強いチームに不可欠な「忠犬力」 培ってきた経験値が花開く

 ではまず、そんな林の過去を見ていこう。林は中学生時代、映画『バッテリー』で主演デビュー。日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞するなど鮮烈な印象を残し、以降、『DIVE!!』、『風が強く吹いている』など青春映画で次々と大役を務めた。映画ファンから次世代を担う新星として期待を集めるようになり、スポーツ系俳優になるかと思いきや、2012年公開された映画『悪の経典』では、一転して男教師に思いを寄せる高校生を怪演。2015年には『HiGH&LOW』シリーズ(日本テレビ系)でボンネットに乗る日向役でワイルドな姿を見せたほか、2016年の『花芯』では嫉妬に狂う夫役を務め、近年は個性派俳優としても評判を呼んでいる。

 どんな役でもこなす“器用さ”を持ちながら、俳優として“突き抜ける”チャンスをうかがっていた側面もあり、実際、エンタメ特化型情報メディアの『SPICE』のインタビューで「10代20代は代わりなんていっぱいいる」とコメント。だからこそ「どんな役でも、それが犬であっても、できないものはない。そういう気持ちでいたのもあります」とも述べていた。

 「林さんとお話をする際、頻繁に出てくる言葉が『与えてもらった役を演じるのが楽しい』。常に、誰か見てくれ、という思いで役を演じているらしく、常に自分にないものを持っている上の人を見続けることを意識しているとも明かしてくださいました。向上心の塊ゆえ、敢えて役者として必要とされる自信を持たず、役者については『本当にいつまでたってもゴールのない仕事』と認識しているそう。これら謙虚な性格が彼の“愛され忠犬力”につながっていると思われます」(衣輪氏)

確固たる実力が「見逃し配信」で評価される時代に

 「さらに“今の時代”に愛された俳優であるとも言える」と衣輪氏。現在は主人公だけがピックアップされる時代ではなく、『バイプレイヤーズ』(テレビ東京系)がヒットするなど、脇役役にも注目が集まりやすい土壌がある。また連続ドラマの視聴が、リアルタイムから録画や見逃し配信でじっくり観るという形に変わってきているため、ながら見で通過されず、その実力が可視化される時代にもなっている。

 この結果、林に関しては『おっさんずラブ』では「吉田鋼太郎と恋のライバルながら仕事では協力、家では田中圭の世話役」に。『リーガルV』では「米倉涼子と個性的なチームの支え役」としての働きに光が。ネットニュースに寄せられたユーザーのコメントでも「林遣都は主要なレギュラーの役なのに露出は控えめ。陰ながらドラマを支えている感じが牧と同じく健気で、なんかもう切なくなる」などといった、林をしっかりと観察したコメントが多く見られた。

 ちなみにドラマ制作側である『おっさんずラブ』プロデューサーの貴島彩理氏も、ORICON NEWSのインタビューで「キャストみんなが、思わず応援したくなる演じ方、生き方をしてくださったおかげで人気が出た」と話しており、今の時代は、人気だけではなく、しっかりとした実力のある俳優が演じる重要性について言及している。

 リーガルVでの林は“忠犬”役として描かれているが、強い女性が活躍するドラマが人気な時代だからこそ、主人公を支える役に癒やし&従順さ、そして有能さを演じる“忠犬力”のある役者が求められているとも言える。実際、おっさんずラブで田中圭がドラマ賞を受賞した際のユーザーコメントにも「林くんの演技があってあのドラマは輝いたと思うので彼にも賞をとらせてあげたかった」などの意見が。「これらを総合して、林さんはこの時代の申し子的な存在であり、“忠犬役”という新たな役柄の枠組みの道を切り拓いた立役者であると言えるでしょう」(衣輪氏)

 華と癒やしを兼ね備えた存在・林遣都。次に彼はどんなお芝居を見せてくれるのか。また別の“愛されペットキャラ”を見せてくれるのか。そして、この枠に新たな俳優が挑戦してくるのか、楽しみにしたい。

(文/中野ナガ)

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