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【ガンプラビフォーアフター】“ガンプラ王”が語る、SDの可能性と妄想力
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HGキットを素体に作り上げる“究極のSD”、その生命線は「バランス感覚」
いよ08小学生の時にBB戦士コレクターを3年ほどやりましたが、本格的にガンプラ制作に取り組んだのは2008年からなので、かれこれ11年くらいになります。当時、私が通っていた大学は豪雪地帯で、時期によっては外出するのも大変でして…(笑)。何か家の中でできる趣味がないかと探していた時に、小学生の時のBB戦士を思い出して再び制作にのめりこみました。
いよ08私が製作するのは、専らSD(スーパーディフォルメ)なので、リアル等身(HG、MG)と比べて小さいです。なので、各パーツの密度やバランスに気を付けることで、リアル等身と同等の存在感が出るようにディテールを入れて工夫しています。特に展示会では小さいがゆえにスルーされてしまうことも多いため、少しでも足を留めて見ていただけるよう丁寧な工作、展示方法の配慮を心がけています。
――SDがメインとのことですが、1作にかける費用と期間はリアル等身と変わりますか?
いよ08変わらないですね、平均的に1体で約2カ月でしょうか。仕事終わりと週末に少しずつ進めています。費用はHGキットと塗料代等込みで1万円以下ですが、たまに使いすぎるときがあるため、嫁からは“セレブモデラー”と言われています(笑)。
――いよ08さんが手がけるガンプラの素体は、HGキットなんですね。それを知ったうえで見ると、アイデアやオリジナリティ、凝りに凝ったディテールの緻密さに圧倒されます。ここは他の人に負けない、と思う“匠の技”はなんですか?
いよ08SDのバランス感覚ですね。それに伴いリアル等身のHGのキットをどう切り詰めて理想のバランスにしていくか、という感覚は秀でていると思います。
工具との出会いもモデラーの楽しみ「100均の滞在時間が伸びる」
いよ0808年から本格的に模型をはじめて、最初に参加した展示会がモデラーズサミットでした。その時はリアル等身のガンプラを製作していたのですが、ここでBucho-ti0719さんのSD作品を見て、率直に欲しいと思ったのと同時に、衝撃が走ったのを覚えています。会場では、ご本人に直接話しかけられませんでしたが、帰宅後すぐに、「真似していいですか?」とドキドキしながらメールしたのを覚えています。
――その時の緊張が伝わってくるようです。それほどの衝撃だったんですね。
いよ08はい、そこからSDに没頭しましたが、楽しくてしょうがなかったです。毎日夜中まで制作していて、大学の講義が眠くてつらかった(笑)。その勢いのまま制作したのが、Hi-νガンダム。この作品が「モデラーズサミット」で受賞し、模型好きの知り合いが多くなりました。
――モデラーにとって一番必要な技術とは何ですか?
いよ08表面処理は重要だと感じています。見栄えが全然変わってきますから。あと、何より楽しく作ることは大事だと思います。楽しく作っていれば、それに伴って「ここをこうしたい?」という思いや「もっと上手くなりたい」と思いが芽生えます。するといつの間にか自分独自の技術(持ち味)が出てくると思います。
――表面処理の技は難しいのでしょうか。簡単なアドバイスをお願いします。
いよ08表面処理にはヤスリが必要になるのですが、今や模型のツールは数多くあります。SNSやネット、知り合いの情報を元に自分にあった工具を見つけてみるのもいいかと思います。これだっ?と思う工具と出会うと一気に技術が伸び、楽しさも増すと思います。そういう工具との出会いもモデラーだから味わえる楽しみだと思います。モデラーあるあるですが、100均ショップに滞在する時間が伸びていく習性も身につくかも(笑)。
――今後はどんな作品にチャレンジしたいですか?
いよ0850cmを超えるSDを作りたいです。2年前から構想はありまして、妄想ではすでに完成しているので、なんとか実現させたいです。
――いよ08さんにとって「ガンプラ」とは?
いよ08趣味であり、人の繋がり(コミュニケーション)の一部でしょうか。ガンプラのおかげで、嫁と知り合えましたし(笑)。