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佐藤健、ドラマ高評価は「棚ぼた的な感覚」 映画で演じたさらなる“普通の男”像とは?
朝ドラと“ぎぼむす”で高評価、「評価されたことはラッキー以外のなにものでもない」
そんな佐藤だが、2017年後半から2018年にかけて、前述したようにドラマ、映画と出演作の放送や公開が続いた。特にオンエアが重なった『半分、青い。』で演じた律と『義母と娘のブルース』の麦田は“まったく別人”と話題になり、メディアもこぞって佐藤の俳優としてのポテンシャルの高さを報じた。
しかし佐藤自身は、「作品も違えば、演じるキャラクターも違う。作品ごとに別人になるのは俳優の仕事としては当たり前のこと。だから今回、律と麦田でこんなにも評価されたことはラッキー以外のなにものでもないんです。放送時期が重なっただけで、こうした評価をされるのは、本当に“棚からぼたもち”的な感覚。どの俳優さんもみんなやっていることですし、僕が他の俳優と比べて優れているわけではないです」とクールな表情で語る。
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「一男というキャラクターの芝居をするのではなく、一男として生活した感じ」
「この作品のキーになってくるのは生々しさだと思ったんです。その意味で、今回は一男というキャラクターの芝居をするのではなく、一男として生活した感じ。そこを切り取ってもらえたら…というアプローチ方法だったんです。だから、撮影していた時期はなにか悶々としていることが多かったですね」。
『億男』での芝居に関して、「自分のプランを採用してもらえた」と語る佐藤。“お金”というテーマにも感じるものがあったそうだ。
「このテーマは魅力的だと思いました。もし自分が一男の立場だったらどうするんだろう? そんなことを考えました。誰でも、お金に助けられることも、逆に困ることもあると思うんです。僕はお金に無頓着なところがあるから、一男を演じることで理解が深まりましたね」
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「質にも量にも満足できた」、実力があるからこその“個性派”より“王道”
「『億男』のように主演だから、助演や脇だからということで、芝居の質は変わらないです。番手や立ち位置で芝居が変わるのではなく、あくまで役柄によってアプローチ方法が違うだけ。同時期だった律と麦田はキャラの違いがわかりやすかったけど、一男のようにさらに普通の男であれば、演じ分けるのにもっと悩んだかもしれません」。
佐藤の言葉通り、劇中の一男は普通の男ではあるものの、見ているだけでなんとも言えない閉塞感とジリジリとした焦りが感じられた。本人は世間からの評価を「棚ぼた」と言ったが、ここ1〜2年の充実ぶりは目を見張る。「質を大切に」と言っていた佐藤が、質を保ったまま「量」にも挑んだ。ちょうど1年ほど前のインタビューで、「久々に本気を出す」と語っていた言葉を思い出す。
「大事なのは、質の良いパフォーマンスをすること。そこは前提にあるのですが、20代も終わりに差し掛かり、この時期の自分を作品に残しておきたいという気持ちになったので、昨年あたりから“本気”を出そうと決めていました。特に今年は『いい作品に出られているな』と、質にも量にも満足できたと思っています」。
本気を出し切り今後は余韻?「2年ぐらいは引っ張れるかな?」
「でも、ドラマのオンエアが重なったにも関わらず、びっくりするぐらい携帯が鳴らないんですよ。僕も結構、反響があるのかなと思っていたんですが、誰からも何もない…。友だちいない説が出ています(笑)」と苦笑い。それでも、「本当はもっと、連続ドラマをやった方がいいのかなとも思っているんです」と揺れる胸の内を明かす。
ドラマで改めて多くの人が目にすることになった、佐藤の俳優としてのポテンシャル。本人は「本気を出し終わった」と笑うが、一刻も早く次なる佐藤の作品を観たいと望む人も多いだろう。『億男』で共演した高橋一生は、劇中での佐藤の姿を「今までにない健くん」と語った。まずは本作で佐藤が一体どんな人物像を演じているのか、彼の新たな“顔”を確かめてみてほしい。
(文:磯部正和 写真:鈴木一也 Hair&Make up:古久保英人/Otie Styling:橋本敦/KiKi)
映画『億男』
原作:川村元気「億男」(文春文庫刊)
出演:佐藤健 高橋一生 黒木華 池田エライザ/沢尻エリカ 北村一輝 藤原竜也
10月19日公開
(C)2018映画「億男」製作委員会
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