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還暦迎えたASKAが本格的に活動再開、「それまでの厄が全部落ちた」

感謝も謝罪も「裏で舌を出していたら、絶対に相手に伝わる」

――ASKAさんは、歌詞を大切に歌っている印象があります。
ASKA よく“言霊”と言いますが、本当にあると思う。今、みんなが文章を書くときは、パソコンで同じフォントを使っている。でも、同じ文章を書いていても、そこに込められた“思い”は絶対に相手に伝わる。御礼をメールで送るだけでも、本当に感謝したときと、そうでないときで伝わり方は違うんです。謝罪もそう。表面上は殊勝な言葉を使っていても、裏で舌を出していたら、絶対に相手に伝わる。歌も同じで、言葉を大切に歌わないと聴き手の心に風景は浮かび上がらないんです。以前、ステージをやっていて、自分の歌が吸い取られていくときと、跳ね返されるときがあって。一言一言、丁寧に歌うことを心がけているときは、ものすごく吸収されるけど、違うことを考えてたりすると、跳ね返ってくる。

――そういうものなんですね。
ASKA はい。それを身をもって体験しているから、歌詞や歌だけでなく、ブログでもインタビューでも、自分が発する言葉にはちゃんと心を込めています。ブログは、一部を切り取って「こんなこと言っているぞ!」と一部のメディアに取り上げられ、本意ではないことが広がってしまうこともあるんですけどね(笑)。でも、ブログがこんなに面白いと思わなかった。今までコミュニケーションツールの中にSNSはなかったし、むしろやらないほうがいいと思っていたくらいなのに(笑)。視点を変えればある意味“作品”でもあるし、ファンの人からのレスポンスも早い。もはやライフワークの一つになっていますね。

「僕はまだまだ辿り着けていない」、チャゲアスへの思いも語る

――一昨年はSMAPが解散し、今年は安室奈美恵さんが引退。音楽シーンも変化を迎えています。
ASKA 納得することができた人、辿り着いたと思った人たちが、引退を決意するんだと思います。もちろん、引退せざるをえない理由に直面する人もいるでしょう。僕はまだまだ辿り着けていない。「これがやり足りない」「もっとこうしたい」ばかりだし、自分の音楽がどんなものかも未だにわかってない。貪欲と言えば、貪欲なのかもしれません。これからも、ずっとわからないまま模索していくんだと思います。

――8月25日にCHAGE and ASKAのデビュー39周年について、ブログでコメントされていました。グループに対する今の思いは?
ASKA 自分の大切な“軌跡”なので、愛情があって当然。CHAGE and ASKAがなければ、僕のソロ活動もありませんでした。ただ、2000年代に入ってからは、2人での活動がルーティーンになっているようで、何か違和感があった。そういう違和感って、ステージではお客さんに見透かされてしまうと思った。2009年に活動の休止を発表したのも、僕らの中では“突然”ではなかったんです。でも、いつかまたその時は来るでしょう。どのくらい先になるかはわからないですけどね。簡単にお伝えするならば、これまで「ソロ活動」という表現をしてきましたが、今では、「ソロアーティスト」という認識で活動しています。

(写真:田中達晃/Pash 文:菊地陽子)

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