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「戦隊モノ」のイメージを利用? アイドルグループが「カラー分け」することの意味とは
カラーによって性格・個性が反映
その後、同じスターダストプロモーションからデビューした後輩グループにも、このスタイルが受け継がれている。愛知県出身の女性タレントで結成されたチームしゃちほこは、メンバーカラーを2012年のライブイベントでサプライズ発表。その際、緑(現在のカラーネームは“手羽先キミドリ”)を与えられた坂本遥奈は「(有安)杏果ちゃんは歌もダンスも上手いイメージがあって、プレッシャーを感じました」とコメント。先輩でもある、ももクロのカラー担当の印象を自身と重ね合わせていた。
“戦隊モノヒーロー”のカラーイメージがキャラ作りに一役
その一方で、花形氏は「色に引っ張られて本人の意識が変わった」と、別の効果もあったことを明かす。特に“名古屋レッド”の秋本帆華は、本来はおっとりとした性格だったが、赤という、センターの代名詞的カラーになって変化が見られた。
「私は引っ張るタイプでもないし、もともと自分が目立つのがイヤだったから、最初はモヤモヤしてました。でも、このカラーをもらったことや、メンバーが『グループの顔だから』と背中を押してくれたことで、『何とかしなくちゃ』と自覚が芽生えるようになりました」
「他の色だったら能天気に何も考えてなかったかもしれません」と付け加えてくれたのを踏まえると、メンバーカラーが与える影響力の大きさがわかる。
プライベートでも担当カラーの影響が
たとえば先述した“手羽先キミドリ”坂本は、「最初はキミドリのものばかり買うようになって、今は逆に『意識しすぎ』と思われそうで控えています(笑)」。そして“ドラゴンズブルー”咲良菜緒は、「青担当だから、普段から寒色系の服を買うようになりました。真っ青なピーコートを衝動買いしたこともありますけど……青すぎてまだ着られません(笑)」と、普段着る服も、もっぱら自分の担当カラーばかり。当初は興味がなくても、知らず知らずのうちにそのカラーに好きになっているようだ。
グループとしてまだ顔が知られていないうちは、はじめて見る一般のお客さんはメンバーの名前と顔が当然一致しない。友人同士で「あの髪の長い子かわいいよね?」「え、どっち?」と、共通の話題としても成立しにくい。その点、「あのピンクの子だよ」と色で呼べれば、会話も盛り上がる。
近年では、avexのアイドル専用レーベル「iDOL Street」からデビューした「わーすた」で、緑(パステルグリーン)の廣川奈々聖がセンターを担当しているほか、SKE48が“オレンジ×緑”など複数色の組み合わせでメンバーカラーを設けるなど、これまでのカラーイメージとは一線を画した分け方をするグループも出てきた。今後、「色」に着目してアイドルグループを見るのも面白いかもしれない。
(文・斉藤貴志)
チームしゃちほこ×RADIO FISH「BURNING FESTIVAL」
2018年2月にリリースした8thシングル「JUMP MAN」がiTunes J-POPチャート1位を獲得。その後、チームしゃちほこ史上最大の17カ所24公演に及ぶ春ツアーを経ての9thシングル。今作は、2014年に結成し、2016年には有線大賞、日本レコード大賞・企画賞などを受賞、当初から目標として掲げていたNHK紅白歌合戦への出演も果たしたRADIO FISHとのコラボレーション。夏フェス共演も視野に入れたダンスナンバーで、盛り上がりを図る。初回限定盤にはメイキング映像とMVが収録。