(更新:)
ORICON NEWS
需要高まる「ドライシャンプー」 “防災時とヘアケア”使用シーンが2極化
災害をきっかけに需要高まる、ネット注文も前年比207%に
資生堂・パーソナルケアマーケティング部の鈴木重昭氏はこう語る。「災害が起こった際は、被災地に救援物資支援品としてお送りさせて頂いております。その他、体調不良やお子さんが熱を出されてお風呂に入れない時など、入浴制限を受けた際の洗髪アイテムとしてお求め頂いているようです」
これまで災害時はもちろん、体調不良や入院時、介護など、特別な状況で使用されるケースが多かったドライシャンプー。Yahoo!ショッピングのデータを見ると、熊本地震が発生した2016年以降、年々ドライシャンプーの注文者が増え続けているのがわかる。2018年8月時点で前年比は207%、3年前と比べると553%も増加。ドライシャンプーの需要がいかに高まっているかを実感させられる数字となっている。
ビジネスや趣味などデイリー使いも増加 利便性の高さで人気を集める
また、歴史的な猛暑となった今年。外を歩くだけで汗びっしょりになり「いますぐシャワーを浴びたい!」と思った人も多いはず。そんな時、コンパクトに携帯できるドライシャンプーは、出先で手軽に髪をスッキリさせられるアイテム。シート、スプレー、フォーム、パウダーなど、多種多様なタイプがそろっており、どんな場所でも対応できる。
デイリーシーン以外にも、海や山へ出かけた際や、キャンプなどでも利用者が多い。野外フェスのような風呂のない状況にも最適。カバンからサッと出せてゴミも出ないスプレータイプがアウトドアでは重宝されているよう。
「TSUBAKI」からも発売、清潔さ、爽快感に“女性からの声”をプラス
資生堂を代表するロングセラーブランドである「TSUBAKI」。きれいな髪の女優やモデルが華やかに出演するCMも印象的で、2006年の発売以来、女性を中心に支持され続けている。そんな「TSUBAKI」からも今年8月、EC先行だがドライシャンプーが登場。20〜40代の働く女性をターゲットにした、日常使いをメインとした『TSUBAKI お部屋でシャンプー』だ。
「多忙な日本女性が、がんばらなくてもキレイを叶えるお手伝いをしたいという思いを込めています。“いつでもきれいな清潔感のある髪でいたい”“でも洗髪は面倒だし、ドライヤーにも時間がかかる”という相反する2つの気持ちを叶える『日常生活を快適にする=ふだんリッチ』の考え方に基づいて商品化しました」(鈴木氏)
ハンドメイドコスメブランド「LUSH」では、パウダータイプの『ドライミー!』が人気。頭皮をマッサージしながらなじませ、ブラシで髪をとかすだけ。パウダーだから仕上がりもサラサラで、さわやかなグレープフルーツとライムの香りが気分までリフレッシュさせてくれる。
Yahoo!ショッピング内でも、各社のドライシャンプーの評価は高く、購入者の7割は女性。レビューでは、疲れている時や、時短で使用しているという声が多く、日常シーンで活躍しているようだ。また、「サッパリ」「サラサラ」などの使用感に加え、香りの良さや美容効果の評価が高いものが売れている傾向にあり、オーガニックなど美意識の高い女性を満足させる商品も登場している。
『お部屋でシャンプー』も、ただ髪を清潔にしてくれるだけでなく、“美髪のための美容成分”にこだわっているのが「TSUBAKI」ブランドならでは。スプレーやフォーム(泡)にはない独自の「スピードドライジュレ処方」を採用し、「健康で美しい髪を保ちたい、でも時間はかけたくない」という女性のワガママに応えてくれている。
日常で使われる機会が増え、用途が2極化しているドライシャンプー。災害時や、入院、介護などで大きな力となる一方、時短でキレイになれる美容アイテムとしても評価が高まっている。各社の新ドライシャンプー発売を受け、今後さらに日常に根付く可能性を秘めていると言えるだろう。
・ドライシャンプーはYahoo!ショッピングで購入可能
(文/辻内史佳)