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「ランチパック」“変わり種”コラボ続々投入のワケは?人気味の“焼き印”に配慮も
営業マンが自らコラボ交渉、地域限定品を大ヒット企画に
2006年に使用する食パンの品質改良を行った結果様々な具材がサンドできるようになり味のバリエーションも増えたという。その後、各地域での食材を使用したランチパックも開発されるようになり、これらの好評をうけ、各地でご当地のランチパックが誕生していった。
これら多くの変わり種を生んでいる各地域の限定商品は、全国各地の工場で開発される。各工場の営業の製品開発担当者を中心として企画化されているという。コラボ商品の一部は製品開発担当者が地元で人気の店舗に自ら出向き、交渉をして商品開発に至っている。
「桔梗信玄餅とのコラボ商品『桔梗信玄餅風』などは、パンの中にお餅が入った斬新さとおいしさから口コミで大人気となった商品です」(山崎製パンマーケティング部・赤井友梨さん)
地方の特産物とのコラボは、村おこし・町おこしといった地域貢献の意味合いもあるが、単なる話題づくりに終わることなく、地元の人に繰り返し食べてもらえるような商品を作りたいという思いからはじまっているとのこと。“地産地消”というワードが広まったこともあり、各工場が地元特産物を活用したコラボ商品を発案するのである。
「話題性を狙った商品や企業タイアップなども、地元の露出が増えることを意図して各工場の製品開発担当者が中心となり戦略的に発案していきます。おいしさがしっかりあって、ランチパックとタイアップして間違いない、というような基準で企業コラボを行なっています。ランチパック以外でも、もともと地域の製品開発に積極的な社風がありますね」(マーケティング部・斉藤高志さん)
34年間売上1位のピーナッツ、パン表面にある焼き印の理由とは?
「これはアレルギーを持たれている方が多い食品のアレルゲン表示です。また、アレルゲン表示の他にも、お客様が袋を開封後もわかりやすいように、「ピーナッツ」「コロッケとたまご」のたまご、「カルビ焼肉とマカロニポテト」のカルビ焼肉のサンドなどについています。ピーナッツ味にはピーナッツ柄の焼き印、たまご味にはたまご柄の焼き印、複数の味が入っているアソート商品の場合は、味を見た目で区別しやすいようにどちらかの味に食パン柄の焼き印(パンマーク)をつけています」(前出・赤井さん)
発売初期にはつけられていなかった“焼き印”は、アレルギー表示を求める時代ニーズに応じた取り組みというが、「“焼き印ひとつ”と思われるかもしれませんが、柔らかなパンに施すのは技術が必要で、パンの素材改良に加え工場機械も刷新しました」と赤井さん。
目指すは「コンビニのおにぎり」!? 第二の主食だからこその可能性
「コンビニエンスストアのおにぎりのように、たくさんの味から選べる楽しさを提供したいんです。今年の1月からは全粒粉入りのパンも登場し、具材のほかパンの種類も選べるようになっています」(前出・斉藤さん)
いろいろな具材と相性がいいのは米だけではない。第二の主食といえる 食パンも、“さまざまな具材と組み合わせ、豊かな味わいを楽しむ”そんな習慣が根付いてほしいと話す。
今後はどんな具材、どのようなコラボが登場するのか。当分の間目が離せない状況が続きそうである。ちなみにランチパック“最大の謎”、「製造時に残るパンの耳はどうなっているか問題」だが、一部は「ちょいパクラスク」というお菓子にされているとのことなので、ご安心を。