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乃木坂46新エース・齋藤飛鳥、 “手の届かない”アイドルの再来を予感
【貴重写真】7年前のオーディション当時19歳の白石麻衣ほか乃木坂一期生
白石麻衣、西野七瀬、生田絵梨花に並ぶ乃木坂46の新エース
昨年は、齋藤のファースト写真集『潮騒』(幻冬舎)が18万部を超える大ヒットを記録したほか、舞台『あさひなぐ』で主演を果たした(映画版の主演は乃木坂46の西野七瀬)。今年の8月8日発売の夏シングル「ジコチューで行こう!」では再びセンターを務め、同楽曲は8/20付オリコン週間シングルランキング(集計期間:8月6日〜8月12日)で初登場1位を獲得。さらに、齋藤がヒロインを務める映画『あの頃、君を追いかけた』が10月上旬に公開を控えている。
そのスタイルは8頭身で顔のサイズは驚異の縦18cm、頭回り50cmという“アイドル界イチの小顔”と言われ、その抜群のプロポーションから『Sweet』(宝島社)で雑誌モデルも務める。『トーキョーガールズコレクション』などのガールズイベントでは常連で、他の乃木坂メンバーとともにランウェイを闊歩。アパレルブランドのミューズにも就任し、男性ファン人気はもちろん、女性ファンからの支持も厚い。
乃木坂46では白石麻衣のブレイクが目立っているが、ドラマ『電影少女〜VIDEO GIRL AI 2018〜』(テレビ東京系)に主演した西野七瀬やミュージカル女優として頭角を現している生田絵梨花に並ぶ乃木坂46のエースとして活躍。その中でも齋藤は、特に今年20歳という年齢からも、今後の乃木坂46をリードしていく“新エース”として注目されている。
主要メンバーながらネガティブ発言連発! 媚びない“自然体”の姿で魅了
冠番組『乃木坂工事中』(テレビ東京系)でも、アイドル然とした姿を見せず、ローテンションで飾らない姿を見せている。今年2月放送の『セブンルール』(フジテレビ系)出演時には、「暗いねってよく言われる」「根っからのアイドルじゃないんで」など後ろ向きな発言が多く取り上げられた。乃木坂46の握手会の様子が映され、ファンからの要望に「可愛い一言ください」→「やだ」、「元気になるおまじないかけて」→「そんなのない」、「ウインクしてください」→「しません」と笑顔で突っぱねまくる様子がSNSでも話題になった。
“塩対応”と言われたアイドルは過去にもいたが、それとは様相が異なる。不機嫌、態度が悪い、協調性がないということではなく、齋藤の場合は“無理なことはやらない”“頑張りすぎない”といったごく自然なことを心掛けているようだ。握手会は休憩を入れつつも1日10時間程度行われるだけに、そこには「頑張りすぎて、体調不良になるよりは自然体で仕事をまっとうする」という彼女なりの仕事哲学があるようだ。
だがそれでも、冠番組内ではイヤイヤながらも猫耳を装着したり、“カワイイ企画”でもしっかり存在感を発揮。シングル「ジコチューで行こう!」ヒット祈願企画では、嫌がりながらも巨大滝下りにも挑んだ。そんなやるべきことはやりながらも、自然体のスーパーツンデレ的な媚びない姿に、ファンはギャップを感じて大喜びをしているのだ。
アイドルが“身近”な時代だからこそ貴重な存在
90年代後半からその姿が徐々に変化していく。モーニング娘。やAKB48のグループアイドルの台頭で、アイドル像が“身近な存在”になっていく。最初から完成された姿を見せるのではなく、オーディション時からカメラが追いかけ、実力と人気を得るまでの“努力の過程”を見せていくことで、ファンを拡大。その流れは、女子アナ界にも通じるものがある。ミスキャンパス出身者のような“アイドル”的女子アナ像以上に、日本テレビの水卜麻美を代表とする等身大のアナウンサーが人気を博するように、“身近であること”が受け入れられる世相になってきている。
そして、そんな“身近なアイドル”が定着すると次は多様化の時代に突入。HKT48指原莉乃の登場でかわいいだけではない“個性”が重要視されるようになった。指原莉乃やSKE48須田亜香里のように不美人を武器にしたり、自虐キャラ、炎上アイドル、さらには心の闇をさらけ出して女性の共感を勝ち得るアイドルも登場する。そんな現代に、ファンに媚びすぎず、一定の距離を保つかのような齋藤の在り方は、アイドルの“本質”を問いかけているようでもある。
乃木坂46を体現する存在、“手が届かない”アイドル像を現代に再提示
対して乃木坂46はアンダーメンバーを含めて40名(欅坂46は21名、その後輩グループ・けやき坂46は20名)。握手会を各シングルごとに行うイメージから“身近”な印象を受けるが、その少数精鋭さからも、現代の“選ばれしアイドル”といえる。秋元康総合プロデューサーは「ダイヤモンドを磨くにはダイヤモンドでなければならない」と頻繁に語っている。
つまり、乃木坂46という選ばれた集団の中で齋藤は、活動初期には選抜に入れない試練を経験しながらも、自分なりの個性を確立して、センターを任されるまでになった。そうした中で身につけた齋藤の媚びない姿は、昭和の時代の古き良きマナーにのっとって、“手の届かないアイドル”像を現代のグループアイドルに持ち込んでいるかのようだ。
齋藤のファンを見ると「媚びないところが好き」「身近過ぎて手が届きすぎるようではつまらない」というようでもある。アイドルの在り方が多様化する中で、昭和の良き時代のような“選ばれた存在”としてのアイドルが今後、再び見直されていく可能性もありそうだ。