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  • あえて“量産型”を演じる東大女子のジレンマ

あえて“量産型”を演じる東大女子のジレンマ

  • 東京大学工学部建築学科を卒業した菊川怜 (C)ORICON NewS inc.

    東京大学工学部建築学科を卒業した菊川怜 (C)ORICON NewS inc.

 『さんまの東大方程式』(フジテレビ系)や『東大王』(TBS系)といった東京大学の学生にスポットをあてた番組、いわば東大生の“冠番組”が増加中だ。その供給については「多すぎる」という声もあるが、これまでの東大生像を踏襲する“個性的で浮世離れした東大生”は視聴者のウケもよく、その個性が彼らのチャーミングな魅力にもつながっているようだ。一方、希少な存在である東大女子が、あえて頭のよさを隠し、“普通”に見せるパターンも増えているという。せっかく日本最難問の大学に入学しながらも、 “量産型女子”を演じざるをえない、東大女子が抱えるジレンマとは? 

卒業タレントが作り上げた“完璧”東大女子ブランド

  • 東大美女タレントの先駆者的存在の高田真由子(C)ORICON NewS inc.

    東大美女タレントの先駆者的存在の高田真由子(C)ORICON NewS inc.

 女性の東大合格者は2009年〜2018年の10年間、16.2%〜19.8%(平均18.3%)で推移し、20%を切っている。これは東京外大が60%を超え、京大、早大、慶大が35%以上、一橋大でさえ30%近いことを考えても、極端に“少数派”だ。東大女子に対する世間的なイメージは、度のキツいビン底メガネをかけ、黒髪のおかっぱ頭もしくはお下げ、化粧っ気がなく超地味…と言えば極端かもしれないが、そんな偏見があるからこそ、「オシャレで美人の東大生」ともなれば、激レアどころか超プレミアムな存在になるのだ。

 そんな東大美女タレントの先駆者的存在とも言えるのが高田真由子だろう。明治三大貿易商である高田財閥の子孫にして、小中高と白百合学園で学んだ筋金入りのお嬢様。知的なイメージをウリにタレントとして活躍し、1999年に天才バイオリニスト・葉加瀬太郎と結婚。現在はロンドン暮らしで、子育てをしながら夫のプロモーターとしての役割までを完璧にこなす姿が番組でも紹介されている(『人生が変わる深イイ話』日本テレビ系)。やはり、今でも「さすが東大女子」といった生活を送っているようなのだ。

 菊川怜も忘れてはならない。東大工学部卒の“リケジョ”(理系女子)でありながら、在学時にモデルデビューすると2002年にCM女王に。以後タレント・女優・キャスターとしてマルチな活躍を見せる。キャラとしては“天然”な面が多分にあり、5年間キャスターを務めた『とくダネ』(フジテレビ系)の卒業時、「こんなにとくダネが好きだなんて…みなさんが好きだなんて、やめて“初めて”気づいた」と発言し、司会の小倉智昭から「もうちょっと早く気づいてほしかった(笑)」と突っ込まれる場面も。計算かどうかは不明なものの、彼女の天然を小出しにする塩梅は絶妙なのである。

 そして今、最強の“現役”東大女子として活躍しているのが鈴木光だ。先述の『東大王』に出演すると、「鈴木光さんの頭脳と顔面の偏差値の比例っぷりがハンパねぇ」、「かわいすぎてしんどい」などネットを騒がせる美貌の持ち主で、あっという間にレギュラー格に。高校2年で米スタンフォード大学の通信教育プログラムに取り組み、プログラム中に提出した小論文で優秀賞に選出。キャッチコピーも“スタンフォードが認めた才媛”というだけに、東大生すら超えるブランド力を感じさせる。

東大生としてのパブリックイメージに疲弊!? あえて“おバカ”なふりをする東大女子

 ただ、最近の東大生をネタとしたバラエティ番組は、クイズへの解答で「高度な知識を駆使する東大生」という姿を印象づけたかと思えば、実は「コミュニケーションが苦手」、「社会に適合する能力が低い」、「あまりにも偏屈すぎて彼女がいない」など、マイナスの部分にも焦点を当てるパターンが“お約束”に。しかし、かえって視聴者からは「かわいい」「おもしろい」「あんな男の子を産みたい」と評価され、“ギャップ萌え”を演出している。そこには「頭は抜群にいいけど、いろいろヘンなところもあるんだ」といった安心感や、自分より高いランクの人の弱点を見ることで、ある種の痛快感を味わう心理も働いているのかもしれない。こう見ると、世間では東大出身者への壁がどんどん低くなっているようにも思えるが、一般人にとって東大卒は“憧れ”の対象であることに変わりない。特に“東大卒”で“女子”ともなると、ハードルは一段と高くなっていくという。

 東大に限らず高学歴女子にも当てはまるが、学生時代のインカレサークルで存在を無視され、合コンで自分の出身校の名を隠すといった女子たちが一定数いる。中でも東大女子は“未知の世界で生きる宇宙人”のような立ち位置で、「1日どれだけ勉強したの?」などと質問攻めに合い、好奇な目で見られることも多い。そこで東大女子は「いろいろ言われて面倒くさい」から、普段から周囲に気を遣って“おバカ”なふりをし、あえて家具の組み立てや電気の配線について「わからない」と言い、天然な一面を見せることがあるという。自分が「扱いづらい存在」であることを見越して「私は普通の人なんです」とアピールし、賢さをあえて封印するのだ。日本で最高の学歴を持つことは本来なら“最大の武器”になるはずだが、あえて普通の女子=“量産型”のように振る舞わなければならないジレンマが東大女子にはあるのだ。

東大女子擁護のツイートが5000リツイートを越える反響

 こうした風潮に対して、Twitterでは「すべての東大女子に心の底から告げたいんだけど、東大生という理由で貴女を恋愛対象からはずす驚きの心の狭さの男性とはそもそも付き合わない方が間違いなく良いので、貴女がわざわざ馬鹿のふりをする必要はないんです。賢いことは素晴らしいことだよ」とするツイートが話題を呼び、賛同のリツイートも“拡散”されている。

 あえて天然のフリをすることは「あざとい」とも受け止められるが、東大女子は気を遣いながらも自分が外部にどう見られているか、あるいはどう見せるかという戦略的な“自己プロデュース力”を発揮させている感もある。今後は量産型ではなく、選ばれた者のみに許される“シャア専用機”的な存在として、堂々とタレント活動に勤しんで欲しい。東大女子が堂々と生き生きと活躍できる社会こそが“健全”な社会とも言えるだろう。

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